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第八十二話 月明かりが微笑む先

 再び立ち上がった如月は、悟へと声をかける。


 如月「強き者よ、百人目の心臓は貴様のをもって、我が願望に至るとしよう。」


 悟「願望だと…?」


 如月「今の我が願望。それは強者達との永久に続く死合いである。しかし、いずれ我が身は朽ち果てよう。その願望を叶えるための願望、永遠に残り続ける器と魂、すなわち不老不死である。」


 悟「あくまで、今のお前は戦いしか望んでねぇってのか。愛してくれた人や守り続けた村の人々もいたって言うのによ。町を我が物にするとか言っておきながらやってることがこれとは、村一番の戦士が随分と落ちぶれちまったな。」


 如月「何とでも言われよう。だが、我は止まることあらず。貴様の心臓をもって、完全なる不老不死へと至らん。しかし、我が術を破りし力を持つ貴様は我が障壁にして強き者。我は嬉しく思うぞ。」


 悟「は?」


 如月「障壁と強き者、その両を一度に相手にできるのだからな。」


 悟「はっ!まさにお前にとっては一石二鳥の鴨葱ってか?悪いが俺はカモじゃねえ、お前を狩る方だ。それに背負ってんのもネギでもない。お前を止めるように頼んできたやつらの想いを背負ってんだ。一人、戦いに突き走るような戦闘狂とは違えんだよ!!」


 如月「我が願望、叶えるためならば…」


 そう言うと如月の身体に異変が生じる。斬られた箇所が時間が巻き戻るように元に戻っていく。さらに鎧を突き破るかのように背中からは何本もの黒く禍々しい触手が伸びる。鎧の前側も胸から張り裂け砕け落ちたかと思うと、そこあったのは肉体を覆う筋肉のように張り巡らされた数多の触手が、蠢きながら煌々と光る露出された心臓を取り囲んでいた。

 

 如月「例え、この身が妖に墜ちようと……必ず掴み取る…!」


 何て言う執念だ。その執念を、思いを少しでも村じゃなくて、その村人たちに向けることができてれば…


 悟「ここに来ての第二形態か…如月、お前の腐っちまったその性根…俺が叩き直してやるよ!」


 奪った刀を投げ捨てて、ミトスドライバーを装着し、スマホをセットする。


 《AF:キャラシメーカーとの接続を確認。これより変身システムを起動。Form=ヒューマンへの変身を開始します。注意、シナリオ内戦闘のためSANチェック1/1d3が発生します。》


 悟「SANチェックだと?構わねぇ!これまでに犠牲になった多くの人たちの無念とこの馬鹿野郎を悔いなく成仏させるための贄だっていうのなら幾らでも払ってやる!だから、俺に力を寄越せ!うぉぉぉ!!変身ッ!!!」


[悟「職業:傭兵」

 正気度ロール(82)→成功(27)

 SAN82→81]


 セットされたスマホを叩きつける。足元から魔法陣が展開し浮かび上がる。悟の身体を(しろがね)の鎧が覆い、そして顕現する。


 《スキャン!アプールヴ!WMC:ミトスガンブレイド!》


 悟「仮面ライダーミトス、顕現完了だ。さぁ、行くぞ如月!こうなったら俺は最初からクライマックスだぜ!!!」


 如月「では行くぞ…強き者よ!」


 第肆ラウンド


 如月は触手で回収していた日本刀を握りしめ再び悟へと接近する。その接近速度は先の戦いと比べ物にならないほど速いものだった。


 [如月

 日本刀(80)→成功(35)]


 何だ今の速度!?最早人間じゃなくなってんのか!?ここは受け流すしかねえ!


[ミトス

 こぶし(パンチ)(79)→スペシャル(6)]


 悟「来たぜパリィ!反撃決めてやるぜ!!」


[ミトス

 こぶし(パンチ)(79)→成功(53)

 マーシャルアーツ(79)→決定的成功(クリティカル)(2)

 マーシャルアーツ(79)→スペシャル(9)]


 クリティカルの効果選択は回避不可に設定した。これならダメージも期待ができる!


 悟「食らえカウンター!!」


[如月

 日本刀(80)→スペシャル(7)]


 悟「んなっ!?カウンター返しだと!?こうなったら、回避だ!!」


 [ミトス

 回避(90)→失敗(95)

 ダメージ 1d10+1D6→6

 HP18→15]


 ダメージは食らったがやっぱり軽減されてるみたいだな。これなら長期戦でも持ちこたえれる!

 

 後方へと受け身を取って距離を置く。ガンブレイドの銃口を如月に向け構えようとしたところ、何やら高速でこちらに向かうものを発見する。


 悟「触手は飾りじゃなかったってことかよ!?」


 そうそれは触手であった。それも一本じゃない。無数に伸びる触手が突き殺さんと先端を尖らせ向かっていた。


[如月

 触手(85)→スペシャル(15)

 

 ミトス

 回避(90)→成功(67)]


 悟「うぉお!?」


[如月

 触手(85)→成功(45)


 ミトス

 回避(90)→スペシャル(8)]


 悟「そぉお!」


[如月

 触手(85)→成功(27)


 ミトス

 こぶし(パンチ)(79)→失敗(95)

 ダメージ 1d6→5

 HP15→12]


 悟「だぁあ!!」


[如月

 触手(85)→成功(55)


 ミトス

 こぶし(パンチ)(79)→成功(18)]


 悟「ろぉお!!」


 決戦場を走りながら全触手回避とまでは行かなかったが、1ラウンドで合計5回攻撃だと!?ぶっ壊れもいい加減にしやがれ!!ミトスを使ってなかったら確定で持ってかれてたな。というか、ミトスのスペックってどうなってんだ?回避の値は90%だし、こぶしは79になってるしでよくわからねえ。一度デカいのかまして隙を作ってステータスを確認しなければ!


 悟「散々やってくれたな如月、今度はこっちから行くぞ!」


 カードホルダーからカードを取り出し、スキャンする。


 《スキャン!アプールヴ!AMC:ライダーキック!》


 ドライバーがそう告げるとともに、如月の足下に魔法陣が展開され、そこから無数の触手が手足を拘束し、身動きを封じる。そして、空中にも展開された魔法陣を潜り抜けながら、空中前転して遠心力を付け、如月に向けてキックを放つ。


 悟「これなら避けれないだろ!如月ィ!!」


[ミトス

 ダメージ 4D6+1D6→28]

 

 如月は無数の触手による防御を試みたが、触手は全て破壊され、身体に風穴を開けた。如月はその場に倒れこむ。


 やったか!?今のうちにステータス確認を!

 キャラシメーカーを一度取り出して確認するとステータス表示の代わりに別の物が表示された。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 仮面ライダーミトス〜基礎能力〜


 シナリオ内での変身時SANチェック[1/1d3]

 ダイスに頼らないほどの戦闘が可能。

 外部からの振動を遮断し、機械を通して音声を受信、発信する。

 物理攻撃無効を無効から半減に変換。

 こぶし(パンチ)に20%の追加補正

 キック、跳躍、マーシャルアーツの初期値が50になる。

 キック、跳躍、マーシャルアーツ同時成功orサポート用ミトスカード「ライダーキック」使用でダメージが4d6+DB。

 HPが0になった場合変身者のHPを3まで減らして変身解除される。

 気絶判定が失敗した場合は変身解除され残りHPが変身者のHPが反映される(この場合に変身者の元々のHPを変えていた場合は変身者の元々のHPが全回復。)

 


 仮面ライダーミトス form=ヒューマン

 ミトスカード無しでの変身

 POW、EDU、INT以外の全ステータス18固定

 物理、魔術攻撃に対する永久装甲+3

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 えーっと強くね?パット見ただけでも強い事しか書いていない。ぶっ壊れは俺のようだったらしい…


 そう思っていると倒したと思っていた如月が起き上がってくる


 悟「嘘だろ…?回避不可の28ダメを食らって、腹に風穴開けたのにまだ生きてるのか!?」

 

 如月「やるな…しかし、貴様が攻撃したところで…我が不死の身体を滅することはできぬ!」


 すると弦那の斬られた箇所が時間が巻き戻るように元に戻っていき、再び触手が生え始める。


 こいつ、肉体の不死は既に完成してやがったのか!?となると幾ら攻撃しても入るダメージは実質0。どうやって、こいつを攻略すればいいんだ??


 第伍ラウンド


 如月「【幽鏡術 -炎陣-焔重波】」


 悟「また波状攻撃かよぉぉぉ!!!うおぉぉぉらぁぁぁ!!!」


[ミトス

 回避(90)×2→成功(85)、スペシャル(10)

 跳躍(50)→成功(24)]


 如月「【幽鏡術 -炎陣…」

 

 悟「おいおいまさか、んなことあり得んのか!?」


 如月「焱触撃(カショクゲキ)


[如月

 触手(85)×4→成功(64、71、47、24)]


 悟「触手と焱拳翔の組み合わせまであるのかよ!!おいおい、どこの漫画からインスピレーションを受けやがったんですか!この侍は!!!」


 [ミトス

 回避(90)→成功(70)

 こぶし(パンチ)(79)×3→成功(31、69)、失敗(89)

 ダメージ 2d5→8

 HP15→10]


 触手の先から発射される無数の火炎弾によるグミ撃ちをガンブレイドで斬り落とすが、一発被弾する。


 悟「イってぇ…!だったらこっちも撃ち返してやらぁ!」


 襲いいかかる炎のカーテンを搔い潜り、グミ撃ちを耐えきりながら、少しでもダメージを与え動きを鈍らせようと、悟は如月に対して銃をぶっ放す。


[ミトス

 拳銃(75)→成功(17、69、49)]


 ガンブレイドから三発の光弾が発射し、如月の元へと向かう

 

 [如月

 日本刀(80)→スペシャル(7、14)、成功(73)]


 悟「うっそだろ、光弾をいとも簡単に斬りやがった!どんな動体視力してたらそんな芸当が出来んだよ!…ん?待てよ?光を…斬る……」


 俺は如月の話していた言葉を思い出す。

 





 如月「否、【幽鏡術】を扱う以上、貴様以上に我の脅威となる存在はもうこの世にいないだろう。そして我が脅威となるように、今日この時まで貴様を生かしておいたのだ。我に認められたこと、誇らしく思うがいい」






 幽鏡術か!そうだ、何でこんな簡単なことに気付かなかったんだ。確かあの二つの術を使えば、こいつを攻略できる!!


 第陸ラウンド


 如月「どうやら、この時をもって我を倒そうと思っているな?」


 悟「だったらどうする?」


 如月「こちらも終いへと取り掛かろう」


 悟「なら、こちらから先手を打たせてもらう。【幽鏡術 -解欄-】!」


[悟

 MP15→14]

 

 如月の体の中心が青く光る。


 ここか、如月の弱点。こいつを攻略することができる唯一の突破口!


 如月「解欄を使ったか、ならば…!」


 如月は日本刀を体の前に構える


 如月「【幽鏡術 -炎陣-焔重波】」


 突如としてミトスと如月を取り囲むように炎の壁が形成される。その大きさは回避を許さないほどの広さ互いに攻撃が確定で当たる程に近く、そして遠い空間となる。


 悟「なんだこれは!?」


 如月「強き者よ貴様と我の最大を今ここで決めようぞ、貴様もその準備をするがいい。」


 悟「とんだお人好しが、お言葉に甘えてこっちもやる事やらせてもらう。」


 月光をガンブレイドの刀身に反射させて心の中で呪いを読む。


 悟「(我が身の鋼。刀に宿すは、空分かつ光。妖起つならば、一糸纏わぬ)」


 【幽鏡術 -刀月清-】のMP消費は既定の数値の消費ではなく1D10のランダム使用。如月をここで葬るためには気合で最大値の10を引くしかない。無理だとは思はない。頼むぞダイス運奇跡を起こしてくれよ?


[悟

 1D10→10

 MP14→4]


 ガンブレイドの刀身が蒼く輝き、刀身が一回り大きく変化する


 悟「俺はCOCプレイヤーで根っからのギャンブラーだ。悪運含めて俺に勝てるだなんて思わねえことだな!!!」


 如月「我が窮極の一撃をもって終わらさん【幽鏡術 -炎陣-威劘深焔(イバシンエン)】!」


 深い緋色の焔が刀を覆う。その刀身は憎しみに燃え、怒りに燃え、情熱と喜びに燃えている。熱という熱が周囲を燃やす。村を最後まで守り抜き、そして最後の一人村に残り続けた戦士が編み出した剣技が、今、ただ一人死合いを果たした男へと向けられた。


 戦士の最後の一振りであった。


 [如月

 日本刀(80)→成功(32)

 ダメージ 1d10+5D6→35]


 悟「目を覚ましやがれ!如月弦那!!」


 [ミトス

 こぶし(パンチ)(79)→決定的成功(クリティカル)(5)

 マーシャルアーツ(79)→成功(20)

 こぶし(パンチ)(79)→失敗(93)

 ダメージ 4d9+6D6→37]


 高火力と高火力のぶつかり合いは囲んでいた炎を吹き飛ばし、写し世を歪ませる程の衝撃波を発生させた。

 

 互いに一歩も譲らないその力比べを先に降りたのは如月が使っていた刀であった。炎陣の超高温に耐え続けた刀は限界を迎え、ボロボロとその形を失っていく。


 そして、悟のガンブレイドが刀を斬り捨て、如月の心臓を貫く。


 如月「ぐぉ…み、見事…なり…」


 弦那は叫ぶこともなく、その巨体と共にその場へ倒れ込む。


 悟「まだ終わってないだろ、如月弦那…」

如月弦那は本来のシナリオなら如月と触手の二回攻撃のはずなんですよ。さらに【幽鏡術 -炎陣-○○】系はオリジナルで追加です。なんなら炎陣の設定が信代さんの言及以外の情報が無いんですね。ですから盛るペコし放題な訳で…それにしたってこの中川悟、しぶとすぎませんか??本来六人想定+HP2倍+オリジナルクソ強技、最大攻撃回数六回の鬼畜ラスボス相手に生き延びるとか、ゴキブリかこいつ??

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