第六十四話 探偵なりたきゃ作ればいいじゃない
悟「俺さ、探偵事務所作りたい。」
皆とカレーを食べ進める中俺は一つの提案をする
伊角「なんだいその「俺、ユーチューバーになる。」みたいなノリは!でも、なんでまたそんなことを?」
悟「だって俺たちは言うならば非日常に巻き込まれる立場じゃん?で、現状俺たちがクリアしたであろうシナリオってクローズド系のシナリオ、あまり世界の崩壊とか、物騒な感じのシナリオって攻略してないじゃん。」
月島「いいことじゃないですか?」
悟「確かに世界崩壊系のシナリオに現状巻き込まれてるのかって言われたらわからないけど、そういう系のシナリオが水面下で動いてる可能性ってのもある訳さ」
伊角「つまり、悟は探偵事務所を開くことでそのシナリオの発生条件を満たして攻略したいと」
悟「まあ、そんな感じかな。今の俺って一応は大学生で、変装泣かせの、技能値はあってないようなものキャラシメーカー使えば警察官とかに成れるかもだけど。ニャルのこともあるし、キャラシメーカーのジョブチェンシステムに頼らずともシナリオをクリアして世界平和?に貢献したいなーって」
伊角「一つ聞きたいんだけど、悟が望む世界平和ってなんだい?」
悟「難しいこと聞くな、うーん。」
世界平和には明確な定義なんてもんはない。それは個人の見方によるものだ。「みんなが食べ物に困らなくなれば世界は平和だ」なんて言うやつもいればどっかの教科書とかで見た「互いに銃を向け合うことで出来る平和」なんてのもある。
現状、この世界は混沌と狂気に満ち溢れている地雷原が設置されている。俺が踏み抜いていないだけで、非日常、シナリオは水面下にいくつも存在する。それら一つづつを除去して非日常という筋書きが無くなれば平和と言えるのか。
今、中身神話生物とまんま神話生物、古くからの友人、新しい友人たちとこうやって一つのテーブルで飯を囲む。この状況が一般化すればどれほど幸せか、どれほど平和か。
悟「今みたいに異種族とか関係なく、テーブルで同じ飯を囲める世界かな?」
伊角「なんというか、悟らしいね。」
月島「私も今が一番幸せです。」
狭間「僕もそう思う」
晩野「今のこの状況は確かに、その平和そのものだ。こんな状況は悪くはない。」
悟「よし、じゃあ作るか!探偵事務所!!!」
「「おおー!!」」
伊角「ところで悟。」
悟「ん?どうした?」
伊角「場所とか費用はどうするんだい?」
悟「あ……」
月島「言わんこっちゃないって感じですね。悟さん固まってますよー」
悟「うーん。いいツテとかあったかなー?いや、待てよ?俺の家を改造すればなんとかなるか?」
そう、俺の家は広い。二階建てではないものの敷地だけで言えば日本の和風豪邸のそれに近い。であれば、改造しちゃえばいい。幸い部屋は余り放題、土地も倉庫を作れるくらいには余っている。
月島「となると、まずは材料集めからですね!」
狭間「これから大変だろうな。」
伊角「それもそうだね。私もうまくツテを使って事務所ができたら呼びかけてあげるよ。」
晩野「その言い方だと、肉体労働はしないと聞こえるが?無論、私も協力をしよう。生憎、私は暇なのでな。」
悟「医者になりたいんだろ?だったら、医大の受験勉強はしなくていいのか?」
晩野「これを見たえ。」
月島「えーっと、東大理科三類A判定ってこれがなん……」
大学組「「A判定!?」」
悟「でもまぁ、とにかくだ。人手は揃った。後は、キャラシメーカーでちょちょいと書けばそれでオッケーだ!」
狭間「キャラシメーカー使わないんじゃなかったの?すっごく矛盾してるけど。」
悟「やっぱり使えるものは使い倒すのがベストだ。お前も、お前の中のそいつを上手く手懐けれるようにしとけよ?」
狭間「わかって」
マリク「無駄だなァ。俺様は主人格しゃまの心の現し身、そう簡単に手懐けるコトなんでできるかヨォ…!」
狭間「次勝手に喋ったらお前諸共自殺するぞ?」
マリク「……」
悟「黙っちゃった……ちゃんと忠犬してるなら良いんだが。あと自殺は辞めなさい。」




