第三十話 宅飲みと研究
俺たちは家へと到着した。引き戸をゴロゴロと音を立てて引き、開口一番に「ただいま」と言うと、廊下をトコトコと歩く音が聞こえてくる。
月島「あっ、おかえり。チョコ買ってきてくれた?」
悟「おう、これだったよな。」
俺はエコバッグから先ほどスーパーで買ったチョコレートの袋菓子を月島に渡す。
月島「えっと、あんた誰?」
月島は伊角の方を向いて話す。
伊角「初めまして、私の名前は伊角真人。悟くんのお友達だよ。」
月島「へぇー、あっそ。」
月島は興味がなさそうなそぶりを見せた後にスタスタと自分の部屋へと戻った行った。
伊角「結構たんぱくな子だった。」
悟「そうだろ、安心したか?」
伊角「うん。」
ふっ勝った、計画通り......。
数時間前
悟「俺の友達が来たら、あんまり興味なさそうな素振りをしてくれ!」
月島「どうしてですか?別に普段の私でもいいと思うんですけど。」
悟「友達の名前伊角真人って言うんだけど。」
月島「伊角真人!?聞いたことあります、メチャクチャ売れてたモデルさんでしたよね!そんな人と友達だったんですか!」
悟「そう、そうなっちゃうのが普通なんだけど、あいつプライベートにそういうの持ち込みたくないやつでさ、俺たちの酒飲みが終わったら何でも言う事聞いてやるから、頼む!」
そう言うと月島は少し考えた後に口を開く。
月島「わかりました。それはそれとして。とりあえずチョコ買ってきてください。悟さんたち美味しいご飯食べるんですから私もなんか欲しいです!」
悟「そんくらいなら容易い、てことは言うこと聞くのはそれでいいのか?」
月島「違います、これはおつかいです!お願いは別に用意するので!」
そして今に至る。
悟「じゃあ宅飲みといきますか!」
食卓に並ぶ唐揚げ、マッシュポテト、肉じゃが、焼き鳥などなど互いに好きな食べ物を並べて酒と世間話を嗜みながら見るテレビが一番幸せである。
悟「いやー酒が進むね。それで研究の方はどうなったんだ?お前に色々あってから止まっちゃってるんだろ?」
伊角「それなら大丈夫。私の研究は必ず未来のためになるいくらでも時間をかけるつもりだからね、心配ありがと。」
悟「でもお前本当にすごいよな、」
伊角「ところで悟、私が行ってる研究を覚えているかい?」
悟「確かあれだろ、クローン技術とキメラ生物の研究だっけ?」
伊角「そうそう、クローン技術は特定の器官の細胞を採取して育成し、その器官の状態が悪化した時に拒絶反応を起こすことなく移植可能にすることを目的とした研究。キメラ生物の研究は簡単に言えばマンモスとかサーベルタイガーとかの絶滅した生物を再現することが目的だね。」
悟「夢があるよな!キメラ生物は再現以外にもやろうと思えばできるのか?馬と白鳥でペガサスとか。」
伊角「理論上なら可能だね、でもこれは倫理的にどうなんだっていう人もいるけど、個人的にはいつかやってみたいね。」
悟「お前えらく知的になるよな研究の話になると。」
伊角「それは仕方がないよ、研究者としての性なんだもん。」
こんな話をしていると、時間はあっという間に過ぎて行き、気がつけば買ってきたツマミも無くなっていた。
悟「伊角、今日泊まっていくか?」
伊角「そうさせてくれる助かるよ。顔見てわかるだろ?」
伊角は酒が入り真っ赤になった顔をこちらに向ける。
悟「おっけー、じゃぁ俺は先に風呂入るわ。」
悟は腰を上げ風呂場へと足を進めた。
伊角「私は待ってる間、お家探索でもしますか。」




