その15:飲み薬に変更しました 10日目 完全禁煙3日目
皆様の監視のおかげで、徐々に正気を取り戻しつつあります
現在は昨日よりはマシです。
まだきついのはきついですが……とりあえず発狂寸前の状態からは脱しました。
Twitterでは書くのを我慢しましたが、「いっそ風俗行くか」、そこまで真剣に悩みました
(逆にここで悩むくらいには、普段行かない人です)
ファミレスでアラフィフくらいのおばちゃんウェイトレスのハスキーボイスを聞いて
「こいつをトイレで啼かせたらどんな声に変わるんだろう?」
そんなお月様でもドン引きするような妄想してしまった時は、自己嫌悪で死にたくなりました
性衝動は、湧いた時点で何かを食べる!
この形で昇華させてます
おかげですごい勢いで体重増え始めましたが……性犯罪起こすよりはマシかなあと
あと10時間ほど頑張れば、ニコチンが体から抜けきるはず
そこまでの我慢です
まずくなってきたのは、ニコチンではなく習慣性の依存が再び蘇ってきてること。
完全禁煙に入ってタバコに手が伸びたのは初日の1回だけだったのが、本日は何回も何回もタバコを探してしまってます。
そして「あ、もう吸えないんだ」、これに気づいたときの絶望感。
まあタバコは全て処分してしまったので、蘇ったところで吸いようがないのですが。
あと体のうずきが筋肉痛に変わってきました
どういう原理なのかはわかりません
薬で楽にやめられるなんてとんでもない
当方みたいなヘビースモーカーだと地獄を見ます
かなりの意思の力が必要です
もし薬なかったら……まず禁煙無理です……
とてつもなくイライラするので、紛らわすべくエッセイを
今回は「どうして自ら公開処刑してるか」
ダイエット日記で成功したときのことを書いてみたいと思います
事実を元にはしてますが、かなりの部分を変えてます
また出てくる人も「こんな話めったにないから」と許可してくれてます(昔は実話で公開してました)
※※※
数年前の11月、上京して秋葉原に行ったときのできごと
友人cと会いました
cは無二の親友で腐れ縁
「ベル、ますます太ったなあ」
「105kgからな」
「俺とつるんで遊びまくってた頃はいくつだったっけか?」
「65kg」
「痩せろ! そんなんじゃ女だって見向きもしないぞ!」
「彼女はいらない……マジいらない……デブなら女寄ってこないしちょうどいい……」
めちゃめちゃ女好きではあるんですけど、ここはまあ色々と。
「はあ……まあいいや。メイドマッサージ(not風俗)いくぞ」
──メイドマッサージ
「理恵(仮名)です~」
妙に間延びした話し方
理恵さんはかなりかわいい
背がそこそこあって姿勢がよく、実に自分好み
寝転がって理恵さんの膝に頭を乗せ、むにむに揉んでもらう
「お客さん、どちらからいらっしゃったんです~?」
「どちらからって?」
「言葉違いますから~、西の人かなあって」
「(再びなまるまで東京離れちゃったかと思いつつ)広島からです。現在は旅行中で」
「へえ、広島のどちらですか~?」
「あれ? 広島知ってるんです?」
「修学旅行で行ったことあるんです~。少しくらいでしたらわかりますよ~」
すごくテンプレチックな会話
まるでキャバクラだよなあとか思いつつ、テンプレな答えを口にする
「市内です」
「市内のどちらですか~?」
あれ? 普通はここで終わるんだが
答える義務はないので問い返す
「どうして?」
「市内をバスでぐるぐる回ったんですよ~。なので目立つ施設なら、どこにあるかくらいは覚えてますので~」
はあ……。
まあそういうものなのかな?
広島市って、中心部は泣けるほど狭いし
「空港の近くです」
「広島空港って山奥じゃありませんでしたっけ~?」
「いえ、市内にもあるんですよ。山奥にできる前はそこが広島空港だったんです」
「ふーん~」
まあ、この辺で終わりかな。
ああ、なんて弾力のある素晴らしい太腿なんだ。
……と、トリップしかけたところで、とんでもない台詞が耳に入った。
「西区ですか~」
「ちょっと待て!」
旧空港と聞いて、即座に「西区」って反応できる他県人がいるわけない!
しかし理恵さんは、当方の返事を無視した。
「西区のどちらですか~?」
自分もここでさすがに気づいた。
「理恵さんって、実は広島市民ですよね? 身バレすること話せるわけないでしょう」
「そんなことは聞いてません~。西区のどちらですか~?」
理恵さんが頭を両手で固めてきた。
「痛い、痛い、痛い!」
な、なんてバカ力だ!
理恵さんの声がワントーン落ちる。
明らかな脅し。
「もう覚悟決めましょうよ~。大のオトナがみっともないですよ~?」
「関係な──痛い!」
「じゃあ私から聞いちゃいます~。きっと御客様が住んでる町は、他に話してくれたこともあわせると○○ですよね~」
どんぴしゃ。
「言えるわけな──痛い痛い痛い!」
「店内で大声あげるのやめてもらえませんか~?」
「○○で合ってるよ」
「××って店ありますよね~。あの辺りですか~?」
徒歩一分だよ。
秋葉原のど真ん中で、この超ローカルな話題はなんだ……。
「うん」
「信号の右? 左? 何丁目ですか~?」
そこまで聞くのかよ……。
「右、2丁目」
ようやく頭が緩んだ。
「残念、私は左。3丁目です~」
真相を聞いても固まりました。
さらに大体の場所を教えてくれましたが……理恵さんの実家はうちから徒歩三分。
こんな偶然あるんかい!
──サービスが終わり、出口へ見送り
「いってらっしゃいませ、御帰宅お待ちしてます」
型どおりな理恵さんの挨拶。
まじまじと顔を見る
やっぱりカワイイし、スタイルもいいし、話しやすいし
そしてこの奇跡の様な出会い
このまま大人しく帰っていいのか!
ああ、でも、今の俺は105kg
なんて恥ずかしい肉の塊
こんなデブが、理恵さんみたいな子に声を掛けるなんて許されるのか!
でも、勇気出せ、ベル!
「理恵さん」
「何でしょう~?」
「……メアド教えてください!」
やっとの思いでこれだけ振り絞る
理恵さんが黙り込む。
悩んでるのがわかる。
「ちょっと待っててくださいね~」
そう告げて奥に引っ込んだ。
再び出てきて、きょろきょろと周囲を見渡してから名刺をくれた。
こっそり耳打ちしてくる
「今日は20時に仕事あがりますけど、その後なら何時でも大丈夫ですから~」
「あ、ありがと……」
「メール待ってますね~」
体重105kgにして成功したナンパでした。
でも……このときの自分は本当に恥ずかしかった
昔の痩せてた頃なら、すらっと気軽に聞いてたろうに
まさか、ナンパするのにこんな卑屈な思いをしようとは
たまたまうまくはいったけど、なんて惨めなんだ……。
というわけで、以下メールのやりとり
【理恵さん、俺ダイエットする】
【どうしたの?】
【だってこのままじゃ悔しい。次に会うときはまともな姿見せたいし、どこか遊びに行くなら胸張って隣歩きたい】
【私、男性の外見は気にしないよ? 今のベルさんにメアド教えたくらいだし。逆にイケメンなんて見慣れてるし、いっぱい寄ってくるし、それでも教えないし】
さりげにひどいこと言われてます。
【じゃあ今回はどうして?】
【奇跡の出会いだと思ったから。それにベルさん真面目で硬そうだもの。もしかしたら本気で付き合える人が現れたかなって。外見どうでもいいから中身を教えてほしい】
さりげに嬉しいこと言われてます。
【んじゃ、どっちも頑張るよ。中身はブログ書くから、そっちで知ってくれ】
【ブログ?】
【そこに日々の体重と食べたものとカロリーを全部書く。ついでに俺の好みもわかるだろうし】
【ああ、それはいい手だね。公開ダイエットは逃げられないし。そこまで本気なら、私もアドバイスしてダイエットに協力するよ】
【アドバイス?】
【私の本業はメイドじゃなくてエスティシャン。ダイエットのプロだよ。手始めに置きかえ食の野菜スープ送ってあげるね】
これがダイエット日記の始まりでした。
で、結論から言うと、75kgまでは痩せました。
なんせ怠けた日記を書いたら理恵さんから「ダイエットなめてる?」と叱咤の電話やメール。
引き下がれるわけがありません。
「今日は頑張ったしハーゲンダッツ食べていいよ」、そう言われた日すら我慢しました。
そして2月、久々に再会した理恵さんは呆然としてました。
「これは……」
そら105kgと比べればねえ(笑)
ただ、この先は書けません。
もう全てタイミングとしか……。
体重は一年後95kgまでリバウンドします。
それはこの件とは全く別のストレスによる暴飲暴食が原因。
せっかく痩せたのにな……。
そして長らく95kgで推移し、現在は82kg。
まずは一度達成した75kgまで頑張ろうと思います。
なお、こん弟を読んでる方は気づかれたかもしれません。
小町が旭にメアド教えてもらうときの場面の心情は、この経験を参考にしてます
また理恵さんは皆実の(顔を除いた)外見上のモデルです。




