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リアルチートオンライン  作者: すてふ
第6章 チュウゴク激動編
155/202

155話 この罪深き神をフルボッコだドン!

 駆け降りる。一刻も早く。


 翔け下りろ、最短距離を。


 今、伸二と翠さん、クレインの3人はさっきの場所で、あの得体の知れない敵集団を足止めしてくれている。


 葵さんを助け出すのが早ければ早いほど、3人の危険は少なくなる。俺の行動が、皆の安否に直結する。


 ならば俺がすることは――ん?


「貴様、ここをどこだと心得る!」


 階段の途中に点在している横穴から、能面を付けた鎧武者が現れる。


「これ以上は通さんぞ! この奥は、我が主であるス――」


「うるさい」


 右手に持った刀で首筋と両脇に一閃。左手に持った銃で両目を撃ち抜き、即殺する。


 足を止めずに、そのまま階段を駆け降りる。




「む、何者だ!? ここはスサ――」


「邪魔」


 即殺する。





「よくぞここまで来た。だが、ここがお前の墓場――」


「どけ」


 即殺。





「貴様の血は、何色だぁあああああ――」


「赤」


 即殺。





「諦めたら、そこで死合――」


「終了!」


 即殺。





「その幻想を――」


「ぶち殺す!」


 即殺。





「闇の炎に抱かれて――」


「消えろ!」


 即殺。





「よろしい、ならば――」


「戦争だ!」


 即殺。





 ■ □ ■ □ ■





「ここか」


 深く、深くへと続く階段がようやく終わり、再び視界には広い空間が広がる。


「葵さんは……あの扉の奥かな」


 土と岩に囲まれた空間に、1つだけ場違いな人工物が佇む。あのいかにもな物の奥に、葵さんがいるのだろうか。


「行けばわかるか」


 迷う必要はない。葵さんを助ける。そして、あいつをぶっ飛ばす。


 想いを胸に抱き、扉を開く。金属のこすれ合う音と、地面を削る音が空洞内に響く。


 徐々に開いてくる視界。その奥には――




『来たか』


 腰まで無駄に伸びる銀髪と、殴りたくなるほどに整った西洋風の顔。和風の白装束に身を包む腐れ外道が、嘲るようにこちらを振り向く。


 さっきの空洞と同じく、土と岩ばかりの空間。その中で数少ない人工物は、今さっき開いた扉と、鉄格子で囲まれた箱のようなモノだけ。その中には、


「――助けに来たよ、葵さん」


「総……くん……」


 そんな顔をしないでくれ。すぐにそこから出してあげるから。


 あぁしかし、無事でよかった。この状況なら、クソ野郎をぶっ飛ばしてからじゃないと彼女の救出は無理そうだな。


 コンマ一秒たりとも視界に入れたくはないが、身を焼き尽くす思いでクソ野郎を瞳のレンズに映す。


「てめぇ……骨も残ると思うなよ」


『ふふ……ふふふ、はっはっは、威勢は十分だな、下郎。だが、私の姫は貴様なぞには渡さんぞ』


 よし殺そう。早く殺そう。すぐ殺そう。いま殺そう。


『それに、貴様は自分が何をしようとしているのか理解しているのか?』


 しているとも。彼女に手を出したクソ野郎をボコるんだよ。


『今、このチュウゴクエリアには未曽有の災厄が降りかかっている』


 いきなりどうした。バグか、バグったのか? なら消去しなきゃな。


『だが、私と姫の力があれば、その脅威はじきに消えるだろう』


 私さんとやらには微塵も興味はないが、姫――葵さんの力があればとはどういうことだ。


『その顔……どうやら何も知らぬようだな。ここまで辿り着いた褒美に、貴様にも教えてやろう』


 結構だ、と言いかけてやめる。せっかく相手の方から隙を晒してくれると言っているのだ。いいタイミングを見つけて、あいつの歯をすべて撃ち折ってやる。


『姫の強大な力の波動、いや呼び声に応え、私は姿を現した。私だけの力ではやつを――オロチを封印することはかなわぬが、姫と力を合わせればオロチの結界を破ることぐらい容易い』


 大尉の言っていた、HPがレッドゲージになるとオロチが光る現象というやつか。待てよ、オロチを封じるといったか? ということはあれか、こいつは弱体化アイテム――もとい、助っ人NPCというやつなのか? まぁ、それでも殺すけど。


『このまま結界を強めていけば、オロチはその力の大部分を失い、群がる蠅どもにその命を食われるだろう』


 やはり弱体化の主体はこいつだったか。だが関係ないな、殺す。


『既にオロチの無敵化は防いだ。だが、未だあの龍の力は強力。まだ結界を解くわけにはいかない』


 殺そう。


『それに、未だこの結界は未完成。そのためにも、私と姫はひとつとなり、この結界を完全なものへと昇華させなければならな』


「――リロード《紅蓮徹甲弾》!」


 クソ野郎の頭部で、爆炎が吹き荒れる。


 これ以上は無理だ。あの口がこれ以上動くのを見ていては、全身の血液が沸騰してしまう。今ので仕留めたとは思えないが、耳障りな言葉を遮ることぐらいはでき――


『本当に野蛮だな』


 ……マジか。俺の最強の弾丸のひとつだぞ。それを、


「片手で止めるとか……どんな性能の盾だ、それ」


 左手の甲に備え付けられている、丸型の小さな盾。そんなもので、あの頭のおかしい銃弾を防ぐなんて……なんてイカレタ盾だ。


『人の話は最後まで聞くものだぞ、下郎』


「……聞くに値しない話だったんでな」


『なんとも、蛮人の思考だな。しかし、本当にいいのか? できるかどうかは置いておくとして、私を倒すということは、オロチの弱体化を諦めるということだぞ』


「無敵化は解除したんだろ? なら問題ない。お前は――必ず殺す」


『ふ……本当に度し難い。こうも哀れだと、いっそのこと愛くるしさすら覚えてくるよ』


 こっちは殺意しか覚えないよ。


『ここまで来れた褒美に、望みの宝をくれてやろうとも思っていたのだが……仕方ない。そこまで死にたいのであれば、望み通り死を――貴様、どこを見ている』


 目を見開き、視線を葵さんに固定する。


「よ、よせ、ブルー!」


 俺の必死の形相と叫びに、奴もすぐさま振り返り、牢獄へ囚われた葵さんへと視線を動かす。だが、


「え、総君? よせって……なにを?」


『なんだ。姫は何もしていないではない――ほぶらっ!?』


 そう。葵さんは何もしていない。するのは俺だ。


 目の前の敵から視線を外した阿呆の喉元に、迅雷で勢いをつけた膝蹴りをかまし、俺は開戦の狼煙を上げた。


『があっ、き、貴様、許――っ!?』


 その身を縦に回転させ地面へと華麗に着地させるクソ野郎。だが、いつ誰が口を開いていいといった。そんな悪い口には、この刀をやろう。


『ごぎぁ!?』


 突き刺さった刀の奥から、紅い花が咲き乱れる。これではまだ足りないな。


『ぎざま!』


 奴の手刀が心臓へと一直線に走る。それを、体を回転させ躱すと、腰のナイフを抜き、そのままの勢いを利用して奴の右耳へとぶち刺す。


『ばぁあ!?』


 うん、口と耳からいい感じに武器が生えてるな。いい現代アートになってきたじゃないか。


『お、おのr――!?』


 この状態でも反撃してくるとはさすがにボス級。しかし、そんな崩れた体制から放たれる蹴りなど、怖くはない。


 右足を左手でがっしりと掴むと、そのまま奴の両目、奥歯、心臓、両脇、その全てに鉛弾を捩じり込み、奴の左膝がガックリ折れる。そこに、


『ぼほっ!?』


 渾身の前蹴り。銃痕の刻まれた奴の胴体にくっきりと靴型が残り、後方へと吹き飛んでいく。


「覚悟しろよ、クソ野郎。そのポンコツAIに、徹底的に恐怖を刻み込んでやるからな」

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