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【完結】勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~  作者: 岡本剛也
第2章

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閑話 脅威


 腕の立つ手下二人の死亡を意味する刻印が発動され、高い金を払って護衛として雇ったジーンなる女も戻ってこない。

 地下室でアヴァンの死体を見た時は怒りで震えたが、こうも自らの身に危険が迫ってくると怒るどころではない。


 事前に手回ししていた家に匿われているため、今のところは命の心配はないが確実にこの街で『都影』は標的とされている。

 アヴァンがやられたことで構成員が一人も残っていないし、今すぐにでもヨークウィッチを捨てて逃げだしたいところだが……『ハートショット』のせいで逃げ出すことができない。


 地下室の奥の部屋。

 アヴァンはそこに『ハートショット』の製造部屋を作っていた。


 材料の調達ルートも既に完了済みで、後は製造に移るだけといった状態。

 幸い製造部屋については、製造前だったからバレなかったようだが、襲撃されたタイミングを考えるとこの建物は見張られている。


「――クソッ!」


 目の前の机を思い切り叩き、このどうしようもない状況に行き場のない怒りをぶつける。

 …………ふぅー。ジンジンと痛む手のお陰で冷静さを取り戻し、どう動くのが正解なのかを冷静に判断を行う。


 まずこの街は切り捨てない。

 殺されたアヴァンの代わりに俺がここの支部長となり、脅威の排除と『ハートショット』の製造にこぎつける。


 そのためには、まずは労働力が絶対に必要。

 大量生産の準備が整っており、最大の利点である『ハートショット』の製造に即座に着手したいところだが、功は焦らずに周りを固めていくことを考える。


 この街やこの街の近くの街から構成員として引き入れ、とにかく『都影』の数を増やしていく。

 薬漬けがてっ取り早いため、中毒性はそこそこのゲートウェイドラッグを安価でばら撒くのがベストだろう。

 

 アヴァンもやろうとしていたみたいだが、ドラッグ文化が広まれば『ハートショット』も広めやすくもなるため、一石二鳥でもあるからな。

 そのための金は惜しみなく使うため、王都の本部に連絡をよこして金とある程度の構成員を送るよう要請を出す。


 そして――アヴァンが殺され、最高と名高い戦闘集団『ブラッズカルト』の護衛もやられたことから、『都影』を狙っている人物が相当な腕利きだというのは分かった。

 まずは『ブラッズカルト』に連絡し、護衛依頼の失敗を報告。


 代わりの腕利きを複数人用意してもらうのが絶対事項。

 『ブラッズカルト』としても、任務が失敗した上に殺されたとなれば、黙って見過ごす訳にはいかないはず。


 それとは別に、本部からはヴァンダムを寄越してもらう。

 あの狂人と過ごすのは俺としても避けたいところだが、そんな甘えたことは言っていられない。


 『ブラッズカルト』の団員とヴァンダムさえ揃えば、こうして俺が隠れてこそこそする必要もなくなる。

 その間に俺は潜伏先を変えながらこの街での人脈を広げていき、構成員も少しずつ増やしていこう。


 そして――何か大きな問題が起こった時が動く絶好のタイミング。

 拠点を新たに作り、まずはあの製造部屋のあるバーから意識を逸らすことが最重要。


 力も知識もなかった俺が、『都影』という大きな組織の幹部にまで上り詰められたのは、異常なまでの小心者だったから。

 どれだけの時間を擁そうとも、作戦は絶対に成功させる。

 

 大量の金と大量の人員を割き、更にヴァンダムまで招集したとなれば失敗は絶対に許されない。

 椅子に腰かけて手を組み、何度も何度もこれからの行動を頭の中で反芻したのだった。



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