閑話:Pioneerコラボ配信風景
配信風景をそのまま書いたような感じにしたかったので、地の文とか一切入ってないですー。
「――今日は雑談コラボなんだけど、その話題はずばり、陛下だよっ!」
「わぁ~~」
「わ、ゎー……」
『やっぱリリシアちゃんが仕切り役安定』
『ノアちゃんがんばーw』
『陛下かww』
『あそこまで話題に事欠かない人もそうそうおるまいてw』
『この前の告知配信もメチャクチャ盛り上がったしなぁw』
「そうそう、聞いてよ。私たち、陛下にあの後言われて――」
「――リリシアちゃん、それ以上はダメだったんじゃないかしらぁ?」
「ぁゎ、ぇ、あ、確かまだ言っちゃいけないやつ……」
「あーっ、そうだった! あっぶな!」
『お?』
『新情報かと思いきやw』
『お漏らししてくれてもえぇんやで?』
『遠慮なくどうぞ!』
『おう、吐いちまいな!』
「だ、ダメダメッ! 今のナシ! はい、忘れて! 忘れた! 忘れろォ!」
『めっちゃ力技で草』
『もはや命令w』
『忘れられないんだ、あの言葉……』
『なんか無駄にドラマチックなヤツおって草』
『リリシアちゃんはたまにPON』
『助かるぅー』
「助からないッ! 私は何も助からないからっ! あー、あとでマネちゃんに怒られる~……」
「あらあら、大丈夫よ。ほら、マネちゃんならあそこで親指立ててすっごい笑顔よ?」
「ぁ、ホントだ……」
『マネちゃんおるんかいw』
『ノアちゃん頭ぺこっとして小さく手振ってかわいい』
『笑顔のマネちゃんは草なんよ』
『さすが歌ってる時とトークとで温度差に風邪引くと言われるリリシアちゃんw』
『歌ってる時はマジ女神』
『トークは?』
『トークの時はマジPON』
『草』
「草じゃないがっ!? というかもう進まないから私の話はここまでー! はい、今日は私たち【Pioneer】から見た陛下のお話でーす!」
「マネちゃーん、お願いします~」
「んふっ、ほわいとぼーど……」
『それな』
『お、マネちゃんだ』
『マネちゃんのモデルまであるとか、ホントどうなってんだw』
『ホワイトボード!?』
『あ、画像はめ込むための媒体にするんかw』
『ガラガラ鳴ってんのウケるww』
『普通に押してくるもんなw』
「はいはーい、では最初はー、こちら! ルチア姐!」
「は~い。『ホントにJK? 敏腕社長である陛下の印象!』」
「ゎ、ゎ~~……」
『ノアちゃんの拍手ww』
『ペスペスいってんの草』
『力が足りないww』
『ノアちゃんには賑やかし適正が足りないww』
『そういえばJKなんだよな……』
『それマ?』
『正直嘘だと思ってるww』
『JKにしちゃホントに人生経験豊富っぽい発言が多いからなぁ……w』
『これは神企画』
「はい、私たちがどう思ってるかについてなんだけどー、ぶっちゃけ、私はJKって聞いて疑ったよね! オーラがパない!」
「むしろ人間かどうかを疑うものねぇ~……」
「お、お人形さんみたい、というか、その、高貴さが、すごすぎて……目が死ぬ」
「目が死ぬ!?」
「ノアちゃんが言わんとする事も分からなくはないわね~……。ほら、顔合わせの時、覚えてる?」
「あぁ、アレね! 確かに、メイドを連れたお姫様感がホントすごかった……」
「私たち、固まってしまったものねぇ……」
「ほんともう、同じ空間にいると、死ぬ……」
「ノアちゃん死にっぱなし!?」
『ノアちゃんwwww』
『というかメイドを連れた……? え、レイネたそ、リアルメイド服で付き従うの……?』
『それであのリアルつよつよフェイスか……そりゃお姫様だわ』
『いい匂いしそう』
『変態おって草』
『変態だなって思う自分と共感してしまう自分がいる』
『わかる(わかるな)』
「陛下はさぁ、気安く話してくれるんだよ? でもね、レイネさんと一緒にいる時のやり取りが演技くさくなくて、紅茶を受け取ったり、耳打ちされたりっていうのが、それが当たり前、それが当然のものとして完成してるっていうかね?」
「分かるわねぇ~……。なんかもう、物語のワンシーンみたいにしか思えないもの……」
「あれが、てぇてぇ……。私みたいなクソ雑魚ナメクジは異物……入ったら溶ける……」
「ノアちゃん落ち着いて?」
『さっきからノアちゃんのぼそっとした一言でわいの腹筋がww』
『くっそww』
『この陰キャ感、マジで笑うのよww』
『陛下ってホントにJKなの?』
『陛下の制服姿とか見た?』
『あんなリアルつよつよフェイスでモデルまんまだったら特定とか入りそうなのに、そういう話聞かないんだよな』
「陛下の制服姿? 私見たよー。なんかもう、どこの学校のモデルカタログって感じだった」
「コスプレっぽさはなかったわねぇ。ちなみに私、学生証見せてもらったわよ~」
「ぁ、そ、それ、私も……」
「えぇーっ!? なんで!? 私見せてもらってなーい!」
「言ったら笑いながら見せてくれるわよ~?」
「うん……、現役JKだった……マジのJK社長陛下……」
『そのJK社長陛下ってホントパワーワードなんよw』
『どうやって費用捻出してんだ……? スパチャだけじゃどうしようもなくない??』
『まあ、スパチャは凄い事になってるとは言っても、配信サイト側にも取られるしなぁ』
『中抜き額ワロエナイw』
『グッズとか出してその分を賄うなら分かるんだけど』
『それなー』
『もうちょっと色々出してほしい。全部買う』
『猛者おって草』
「お金はねー……。まあ、今私たちが使ってる〝新技術〟の貸与とかもあるから、普通に回ってる……はず……?」
「正直、それだけじゃないわね~。〝新技術〟の貸与料金、思ったよりも安いもの。それに比べて投資した額を考えると、さすがにそれだけという訳じゃないわね~」
「あ、あの……」
「ん? どしたの?」
「なぁに、ノアちゃん?」
「じ、実は私、陛下からその辺り、聞いてて。言ってもいいって」
「え!?」
「すごいわねぇ、ノアちゃん」
「え、へへ、そ、そんなことないですよ……」
『ナイスノアちゃん!』
『謙遜してる風に言っておきながら明らかに胸張ってて草』
『わいら陰キャ、褒められると膨らむからな……w』
『草』
『そんなことないですよ(ムフーン』
『草』
『かわいいww』
「じ、実は陛下、その、ちゃんとしたパトロン……? がいるみたい」
「パトロン!?」
「まあ、そう言われると納得よねぇ……」
「そのパトロンが、レイネさんの、家」
「え!?」
「へ……?」
『は!?』
『パトロン……メイドの家?』
『あー、なるほどねー……ってならんが?』
『というか、パトロンの娘をメイドに……?』
『貴族のお姫様の侍女の実家が大貴族で、その支援をしてるみたいなアレ?』
『急に現代にファンタジーあるあるぶっこむなww』
『というかあの二人、そもそもどういう関係なんだ……?』
『謎を答えたら新たな謎がさらに多く生まれるのは草』
「えー……? あー……んん……?」
「ちょっとこれは……ホントに謎が増えた気がするわねぇ……」
「くふ、みんな困惑してて、草」
「えーっ、そりゃ困惑するよー!」
「むしろノアちゃんは、困惑しないの~?」
「私は、あの、もう、わかんないなって」
「諦めてる!?」
「……ふふっ、それがある意味正しい反応なのかしらねぇ~」
『高みの見物っぽいノアちゃん草』
『ただの諦めだった件ww』
『よく見るとノアちゃん、めっちゃ遠い目してるじゃんww』
『モデルなのに表情がしっかり見える新技術は素晴らしいね!』
『そういう話じゃねぇんだよなぁww』
『まあ、確かに素晴らしいなとは思うがww』




