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転生魔王の配信生活  作者: 白神 怜司
第五章 TURNING POINT
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【配信】久々の雑談&告知配信 Ⅱ




「すまぬな、つい夢中になってしまったようじゃ」


『いいのよ』

『もっと夢中になって?』

『気に入ったイラスト紹介とかして??』

『素の陛下がお嬢様感凄くて顔あつい。わいノーマルなのに』

『正直あれはいいものだ』

『もっと見せて!』


「何を騒いでおるんじゃ、貴様らは」


「陛下の反応がいつもと違ってギャップがあった、と」


「……なんじゃ、それ」


 コメント欄が盛り上がっていたので何事かと思ったら、どうやらそういうことだったらしい。


 いや、コメント諸君よ。

 ちょっとキミらの反応凄すぎて一周回って怖いんだけど??

 しかもまだ見たいとか、割と圧がすごいのよ。


「しかし、こういうものを紹介するのって一応描いた絵師に許可取った方がいいのではないかの?」


『お?』

『絵師ィ!』

『はいはいはーい! 私描いたのアップしてるけど紹介されたら嬉しいです!』

『わいも普通に嬉しいが、まあ許可を得た方がいいのは確かかも』

『陛下と一緒に見てみたい』

『多くは言わんがさっきの陛下の反応をもっと見ていたい』

『謙遜してる風に欲望に忠実すぎるヤツおって草』


 あまり細かく考えなければ、SNS上にアップされている以上、配信で紹介されるのが嫌だ、ということはないのかもしれない。

 ただまあ、いくらなんでも配信で使うなら最低限の許可は取るべきだよね、普通は。

 いくら商業利用じゃないとは言っても、いきなり配信で取り上げられるっていうのは違うだろうし。


「ふむ……、レイネはどう思う?」


「無断でいきなりというのはどうかと思いますので、許可を取って別枠で紹介という形が妥当かと」


「やはりそうなるのう」


「はい。モノロジー内にタグ付けして再投稿していただき、投稿されたものを紹介していく、という形が良いかと」


『残当』

『絵師さんでも選ばれたり陛下が見てる姿を見たいだろうし』

『確実に今日も観れてるとは限らんしなぁ』

『同接8万人とかいう、ただの雑談告知枠とは思えない数字だというのに??』

『同接8万人は割と陛下の配信じゃ大人しい方だぞ』

『エフィール・ルオネット〆:おっと、誕生日ライブイベントで同接9万人自己ベストの私、大勝利じゃね??』

『エフィまだおったんかw』

『あ、9万いった』

『エフィール・ルオネット〆:ねぇちょっと???? なんで今増えるの????』

『草』

『さす駄エ』

『くっっそwwww』


 私とレイネでそんな話をしている間に、何やらコメント欄がさっきから盛り上がってる。


 同時接続かぁ。

 正直、私は同時接続人数がどうのとか、それが凄いんだ、って思えないんだよね。

 私とエフィじゃ全くベクトルが違うからね。


 私の場合、同業者とか、映像業界なんかの人達とか、芸能関係も注目しているとかって話だ。普段はVtuber動画とか滅多に観ないような人達が、新情報をいち早く手に入れるために張り付いてるって話だ。


 単純に楽しんでいる人はたかが知れていると思う。


 まあ、なんかモノロジーで『ヴェルチェラ・メリシス氏の新情報を仕事でチェックしてる内に、Vtuberにハマってついつい観るようになった』とか投稿している人がいて、それに対して臣下たちと思しき連中とかを含むV視聴者勢が『ようこそ、こちら側へ』だの『さあ、フェチを語るがいい。貴様に合ったVを紹介してやろう!』とかリプしてるのがいっぱいあったのは笑ったけど。フェチて。


 同好の士をここぞとばかりに引きずり込もうとする姿が、正直前世の悪魔族を思い出すんだよね。

 こう、親切に見せかけて後ろで手ぐすねを引いてほくそ笑んでる感じ。

 そういうのを企みもろとも踏み潰してた頃が懐かしい。


「レイネの案で採用じゃな」


「はい。では臣下の皆様は、『#もっと休め陛下』ともう一つのタグ、『#紹介して陛下』をつけて新たに投稿お願いします。リプ欄にタグをつけるケース、またイラスト投稿者以外のタグ付けはカウント致しませんのでご注意ください」


『レイネたそ助かる』

『投稿した』

『すでに紹介希望タグでいくつか投稿あって草』

『レイネたその注意も聞かずにリプ欄に勝手にタグ張ってるのいるww』

『カウントされねーっつってんだるぉ!?』

『他人のイラストを堂々と投稿するという所業』

『浮き彫りになる一般ネットりてらすぃー』


「いちいち言わずとも理解しておるとは思うが、どこぞのイラストを勝手に自分でタグ付けして投稿なんぞはせぬようにの。あと、AIイラストで描くならばちゃんと使ったソフトもタグ付けして宣伝するのじゃ」


「おや、AIイラストは許すのですか?」


「ソフトやサイトの宣伝になるから勝手にすれば良い。が、配信では紹介はせんぞー」


『草』

『まあAIイラストは賛否両論あるからなぁ』

『見分けつくの?』

『疑われそうならラフとかも一緒にアップすればいい』

『ラフとか入れても疑う阿呆は一定数いる』

『そういうヤツはいつまでも消えねーからなぁ』


 SNS投稿である以上、私やレイネがいちいち弾かなくてもネット民による自治が始まるだろうから弾かれる気はするけど、確かに疑う人はいるだろう。

 悲しいことに、作風がAIイラストっぽい、みたいな話になれば鬼の首を取ったかのように騒ぎ立て、根拠もなく自分が正しいと思い込んでしまう人も一定数いるのがネット社会だからね。


「確かに、本人がちゃんと描いたものをAIだと疑うという者もいそうなのは確かじゃな。この辺りの対策については個人の判断でやるが良い。リプ欄にラフ絵や作業工程をアップするも良し。独自の画風があると思うのであれば別につけずとも良いしの。しかし、無駄に疑って騒ぎ立てるような者がおったら、遠慮なく妾に言うが良い。レイネに呪ってもらおう」


「はい、承知いたしました」


『はいじゃないが??』

『呪うって何wwww』

『いや、割と笑えねぇのよww 陛下の配信で下手なことすると呪われるって都市伝説化しかけてるしww』

『魔法としか思えないようなこととかいっぱいしてるしなぁww』

『何もしてない俺らは笑ってられるけどな……』

『実際、陛下アンチだった知人が急に不登校になった話とかする??』

『↑怖い話っぽくて草』


 怖い話というよりも、本当にある呪いだからねぇ……。

 私たちはこれまでも魔法っぽい存在――というか、科学では説明のつきにくいものを幾つも見せてきたから、そういう謎の何かがあるんじゃないか、って考える人は多い。


 実際、レイネの呪いの被害に遭った人が知人にいるって人もこうして出てきているし、知名度が上がれば今後はこういう人ももっと増えてくるだろう。


 もっとも、それは望むところだったりするけどね。

 私たちとしては魔法をもっと浸透させたいし、魔法を広めたい。

 というかもっと堂々と使っていたいんだよね。


 一応、神楽先輩みたいな退魔機関みたいなものもあるのだから、魔法を知る秘密結社とかそういうのがあったりもしないかって軽く警戒していたんだけど、さすがにそれはラノベに影響されすぎかな?

 ちょっと見てみたいから期待してるんだけど。


「さて、まあいい時間になったので、そろそろ告知とさせてもらって良いかの?」


『舞ってました!』

『舞うなww』

『お?』

『次のイベントなにー?』

『まさか2期生オーディション!?!?』

『裏をかいてアニメ制作!?』


「うむ、全員ハズレじゃな。――実はの、これじゃ」


 パチンと指を鳴らしてみせて、背後に幻影を展開する。


 そこに映し出されたのは、私たちが現在展開しているホームページ上にも掲載されている、新技術用レンタルスタジオに関するもの。

 けれどそれが光を放つように輝き、やがてレンタルスタジオの内部そのもの映像や、スタッフが慌ただしく動き回る光景が映し出された。


『お?』

『いやいやいやいやww』

『ちょっと待て、まってww』

『全員V化してるやんけwwww』

『どんだけモデル作ればこんなことできるんですかねぇ……(わい34歳プロモデラー)』

『いちいち金かけまくってて草も生えんのよww』

『なんかもう次元が違うじゃんww』

『あっ!?』

『え』

『ちょwwwエフィww』

『リオもスーもおるやんけ!!!!w』

『え、サツキ嬢おった!?!?』

『クロクロとジェムプロメンバーがちょくちょく映ってんだけどwwww』

『ちょまてww』

『あーーっ、ヴィル様おった!?』

『あのクソデカシルエット、絶対ヴィル様やろwwww』

『ヴィル様竜だよ?? どうやってあのサイズで動いてんの????』

『しかも顔合わせてんのソリアちゃん!?』

『ピクシーのソリアとヴィル様、サイズの対比がひどいww』

『ああああああ! ジェムプロ公式の告知!』

『クロクロもきちゃ!?!?』


 ……うわぁ、コメントがもう完全にお祭りだね。


 いや、まあそうなると思ったけどさ。 

 私とレイネクラスじゃないとホントに読めないレベルの速度だよ、これ。


 そう、私が今映しているのは、リハーサル光景だ。

 今度の貸しスタジオイベントに向けてのリハーサル光景の一部を抜粋して作り出したものと、スタッフのみんなが動いてくれている光景である。


 この映像を出したと同時に、ジェムプロとクロクロの広報担当の人がSNS上で告知をしたのだけど、その反響は凄い事になっているみたいだ。


 コメント欄の動きが止まらない中で、それぞれのリハーサル映像が流れていき、やがて日付がアップで表示されたので、改めて宣言する。




「――我が『魔王軍』によるVtuber専用貸しスタジオ、オープニングセレモニー。特別ゲストであるジェムプロ、クロクロのメンバー出演による特別ステージ、コラボステージ、各種企画、その合同イベント配信を、12月の23、24、25日の3日間をかけて行う!」




『は?』

『マ!?!?』

『やったーーーーー!!!!』

『うおおおお!!』

『すげええええええ!』

『規模がちげええええええwwww』

『ジェムプロとクロクロの特大コラボって初じゃねぇの!?!?』

『業界初とかそういうレベルじゃねぇぞ!?wwww』

『なんかもう今のムービーで泣けてきたww』

『やべえええええ、デートすっぽかして観てえええええwwww』

『クソリア充が! 恋人も沼に落とすんだよォ!!』

『ああああ、有給とりゅううう!!』

『これガチの伝説になるやつwwww』





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