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7 ドワーフの集落

 重武装のドワーフ達は、私達の姿を見て騒いでいる。

 言葉は分からないけれど、私達を威嚇しているのだと思う。

 人類の客が来たと思って門を開けたら、赤いキツネがいたのだから、騙されたと感じているのだろうな……。


 これは『ラ●ホー』とか、軽く挨拶ができるような雰囲気ではないか……。


『あの~……先程お話をした人はいませんかね?

 敵意はありません。

 お近づきのしるしに、まずはこの肉をお納めください』


 と、私は空間収納から、大きなクマの死体を取り出した。

 それを見たドワーフ達は、困惑した表情で顔を見合わせる。

 戦意は失った……かな?


『おうおう……恐ろしいな……。

 そのデビルベアーを倒したのがお前さん達だとしたら、こちらは死ぬ気でやらなきゃ勝てやしない。

 脅しかい、そりゃあ……?』


 と、1人のドワーフが、念話で語りかけてきた。

 一見老人に見えるけど、髭面がデフォであるドワーフの年齢はよく分からない。

 ただ、他のドワーフよりも少しだけ身体(からだ)が大きく、強そうに見える。


 それにしても脅しって……。

 え? このクマ、そんなにヤバイ奴なの?

 私が縦回転して放った、「絶・天●抜刀牙」で一撃だったんだけど?


『いえいえ、この場で出せる丁度良いサイズの物を出しただけで……。

 このクマなら、何十人分の腹を満たすことができるでしょ?

 なんなら、もっと大きいのも出せますよ。

 そちらは何かの素材として活用できるのなら、買い取ってもらおうかと思っていたのですが……』


『……ふん、マジで敵意はないようだな。

 だが……食料の提供はありがたい。

 なにせこちとら、3ヶ月近く引きこもっていたんでな』


 3ヶ月も!?

 この世界の1ヶ月が何日なのかはよく分からないけれど、90日前後はあると予想される。

 あの影、そんなにも獲物に執着するタイプだったの?


『それでは後ほど坑道を総点検して、あの影の魔物が潜んでいないか、確認しましょうか?』


『それは必要な処置だが……。

 お前達だけには任せられん。

 その時は、我々と行動を共にしてもらおう。


 しかしそれは後の話だ。

 我らが集落へ、お前達を招待しよう』


 そのドワーフの発言に、他のドワーフは何か言っていたが、


『こいつらがその気なら、門を破壊してでも入ってくらぁ。

 無駄なあがきはせず、今はそのクマを運び込め』


 と、私達にも分かるように、念話で答えてくれた。

 言葉遣いは荒いけど、悪い人ではなさそうだな……。

 私達はそのドワーフの後ろに付いていき、門をくぐった。

 その後で門は、再び固く閉ざされる。


 門の中は広い空洞になっており、壁の所々に横穴を掘って作ったと思われる住居らしきものがあった。

 100()くらいかな?

 一家族4人として、400人くらいの集落ってところか。


 それだけの人間が3ヶ月も閉じこもっていたんだから、若干臭気が(ただよ)っている。

 何処かに通気口くらいはあるのだろうけれど、それでも空気が(よど)んでいて、鼻が良い私としてはあまり長居したいところではないなぁ。

 でも、ドワーフ達とは友好な関係を築きたい。


『あ、俺はガラルって言うんだ。

 ここの村長をしている。

 よろしくな』


『私はアイです。

 こちらは妹のシス。

 よろしくお見知りおきを……』


『よろしく、モジャモジャ』


 おいおい。

 そういうシスだってモフモフだろ……。

 というか、モジャモジャだけでは、他のドワーフと区別できないやん……。


『それにしても、3ヶ月ですか……。

 その間、まったく外に出られなかったんですか?』


『……偵察を送ったんだがな……。

 誰も帰ってこなかった』


 ああ……あのドワーフ達の遺体の中には、その偵察もいたのか……。


『ここに来る途中で、遺体を見ました。

 たぶんあの影にやられたのでしょう』


『そうか……』


 ガラルとしては、自身の判断ミスを悔やんでも悔やみきれないだろうな……。

 でも、普通の野生動物が、何ヶ月も同じ場所で待ち構えているとは思わないだろう。

 本来ならとっくに飢えて、別の場所へと餌場を移している。

 まさに魔物だからこその所業だ。


 まあ、魔物云々については、人のことは言えないけれど。


『ありがとうございます』


『ん?』


『我々のような、訳の分からない存在を受け入れてくれ……』


『ああ……話が通じる相手なら、取り引き(・・・・)(やぶさ)かじゃねぇよ』


 と、ガラルは言う。

 「取り引き」を強調している辺り、メリットとデメリットを天秤にかけての判断だということだ。

 だから彼としては、恩を売ったという感覚は無いのだろうな。

 だけど私は、この異世界について分からないことだらけだから、少しでも情報が得られるのならば、非常に助かる。


『あの……私達のような種族について、知っていますか?』


『あん?

 俺は初めて見るが……。

 物知りのエルフなら、知っているんじゃないか?』


『エルフ!?』


 エロフ!?

 存在するのか!?


『そのエルフには、何処に行けば会えるのでしょうか!?』


『さあ……遠い何処かの森に住んでいると聞いたことはあるが、俺も見たことはないな』


 Oh……。

 じゃあ、当面は諦めるしかないのか……。


『で、結局、今は何処へ向かっているんです?』


『村の広場だな。

 まだ大きな獲物があると言っていただろ。

 ちょっと見せてみいや』


『あ、はい』


 暫くすると、広場らしき場所に辿り着いた。

 そこには村人が集まっている。

 お……ドワーフの女性もいるな。

 

 作品によっては、女性にも髭が生えている場合もあるけれど、この世界のドワーフは違うようだ。

 まあ……殆どが恰幅のいい女将(おかみ)さんって印象の容貌だけど、若い子の中には普通に可愛い娘もいる。

 ただ、1mちょっとの身長しかないので、子供なのか合法ロリなのか分からねぇ……。


 ロリだと、さすがに犯罪か……。

 そろそろストックが心許なくなってきたので、毎週金曜日の24時頃(つまり土曜日)の更新は今後休んで、執筆時間にあてたいと思います。

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