10 学園生活開始
今日は食あたり気味なので、短めに。
今日から国立ローラント学園の新学期が始まり、私達の登校も始まる。
仔ギツネ姿の私を抱きかかえたマオちゃんと、ナユタとクオで通学する訳だが、その道中ではあちこちから視線を感じる。
私達は目立つからなぁ……。
タイプは違えど、全員美少女だし。
それに魔族を見たことがある人なんて、この国では殆どいないので、どうしても人目を引く。
そしてかつての魔族に対しての畏怖の念も、簡単には消えない。
それは教室でも変わらなかった。
遠巻きにこちらを見ている集団がいるけど、明らかに警戒しているね……。
ここは私が可愛さをアピールして、良いイメージを印象づけようか。
さて、机の上に転がってみたり、伸びをして欠伸をしてみたり……。
この私のラブリーなジェスチャーに女子達は興奮したのか、口元を手で覆い、頬を赤く染めている。
小動物が嫌いな女子なんていません!!
……男子は知らん。
「……その子、撫でてもいいかしら?」
釣れた!
私の狙い通り、マオちゃんに話しかけてくる娘がいた。
友達を作るなら、こういう切っ掛けは大切だよね。
「いいよ……。
優しくね」
「あ、じゃあ私も……!」
と、私を撫でる為に、順番待ちの列ができた。
動物園の触れ合いコーナーかな?
でも、みんな楽しそうでなにより。
みな生き生きしとりますじゃろ?
そして私も撫でられて気持ちいい。
まさにWin Winの関係である。
……って、クオは列から外れようか?
私とじゃれ合うのは、いつでもできるでしょ……。
「「ちっ」」
おっと、クオの舌打ちの音と重なるように、もう一つ舌打ちの音が小さく聞こえてきたぞ?
あまりにも小さくて、他の者達には聞こえなかったと思うけど、キツネである私の耳には届いた。
雪の下に潜む獲物が動く音を察知し、その位置さえも特定する高性能な耳なので、人間には聞こえないような音でも余裕で聞き分けることができる。
その音の発生源は……あのアカネとかいう、勇者の末裔の娘か。
一見、興味は無さそうにしているけど、視線だけ密かにこちらへと向けていた。
魔族と人間の交流が、気に入らないのだろうか?
今のところ何かをしてくるということはないけれど、要注意人物だなぁ……。
「さあ、席に着くのです。
ホームルームを始めるのですよ」
レイチェル先生がきた。
眼鏡をかけて変装をしているので、クラリスに似ていると気付く者は殆どいないだろう。
眼鏡くらいで……と思うかもしれないけど、認識阻害の魔法がかかっているというのはお約束だ。
余程高レベルの者でもなければ、見た時の印象が書き換わるようになっている。
殆どの生徒には、ちゃんと大人の教師に見えているはずだ。
いや、レイチェルも年齢的には大人なんだけど、合法ロリだからなぁ……。
ともかく彼女が担任になってくれたので、クラス内での問題はある程度対応してくれると思う。
こうして学園生活が始まったのだった。
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