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一度崩れた信頼は元には戻らない~今更何を言われようと俺の心には響かない~  作者: 日野 冬夜


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高校デビューでもしたのかな?

「改めて月読蓮夜だ。よろしくな」


 そう言って笑顔で手を差し出すと西条はなぜか呆気に取られたような顔をしたがすぐに気を取り直して手を握ってきた。


「……っ、西条明だ。記憶を失ったってのは冗談じゃないんだな」


「まあな。いきなり自己紹介して面食らったか?」


「いや、俺が驚いたのは別のことなんだが…。まあ気にしないでくれ」


「?」


 急に自己紹介されて驚いたんじゃないのか?気にするなと言われても何に驚いたかとかどうして記憶を失ったことを信じたのか気にはなる。


「気にするなと言われても一応聞いておきたいんだが記憶を失う前の俺と今の俺のどこに違和感を感じたんだ?割とありきたりなことしか言ってないと思うんだがそんなに言動が違うのか?」


「…まあ気にはなるか。記憶を失う前の蓮夜はなんて言ったらいいか…。クールと言うか自分から誰かに話しかけるようなことはなかったな」


 西条が言いづらそうに記憶を失う前の俺がどんな感じだったか教えてくれる。気を遣っているのか言葉を選んでいるのがよく分かる。


「つまり孤高を気取っている無口な感じか。そんなキャラで高校デビューしたのかな?」


「いや、いわゆる高校デビューとは別だと思うが…」


 西条は否定しているが面と向かってお前は高校デビューしていたぞとは言えないよな。何に影響されたか知らないが理由が分かってしまえばしょうもない。


「とりあえず移動しようぜ。他のメンバーは?」


 西条はまだ何か言いたそうにしているが話を打ち切って移動を促す。いつまでもここにいる訳にもいかないからな。


「現地集合にしてる。佐々木の家なんだが分かるか?蓮夜も一度行ったことあるんだが」


「佐々木ってのはクラスメイトだったか?悪いが分からんな」


「なら駅集合にして正解だったな。蓮夜のことだから家がどこにあるか忘れたから行くのやめるとか言い出すかと思って駅集合にしたんだけど」


「記憶を失う前の俺ってそんな奴だったの?」


 分かってはいたが自分のことながら面倒くさい奴だな。まあそれはいい。とりあえずクラスメイト達と話してみて何か思い出せればいいんだが。







「記憶喪失になった月読蓮夜だ。記憶を失う前の俺とどういう関係だったか分からんけど仲良くしてね」


 佐々木の家に着いてそこに集まっていた人達に向かって笑顔で挨拶。挨拶は大事。古事記にもそう書いてある。


「……えっ?」


「月読君?」


 返ってきたのは戸惑いでした。まあいきなり記憶喪失って言われても信じられないか。それはそうだよなと思いつつ集まっているメンバーを見ていくが誰も分からん。瑠璃はいるかと思ったが用事があって今日はいないらしい。


「き、記憶喪失って本当なの?」


「本当だ。少し前に事故に遭ったらしくてな。自分でも信じられないがここ二年くらいの記憶がないらしい」


 そう言うと心配そうな顔をする人もいれば興味深そうな視線を向けてくる人もいた。


「色々と戸惑うこともあると思うが普通に接してくれ。俺のことは置いといてさっさと遊ぼうぜ」




 



 みんな俺にどう接したらいいか戸惑っているみたいなので俺の方からガンガン距離を詰めていった。そうすると余計に戸惑っているように思える。なぜだ?


「なぜって言われても…。前とキャラが違うから?」


「ねー。前はクールな感じでこんなに積極的に話しかけてくれることもなかったし」


「そうなのか」


 やはりクールキャラで高校デビューしたのだろうか?読書家になってたみたいだし、読んでた小説にでも影響されたか?


「前のようにクールな感じの方がいいか?」


 なるべく前と同じような風にした方がいいのだろうか?よく考えたら今まで話した人達全員が戸惑っていたみたいだし。


「そんなことないよ!今の方が絡み易いし!」


「そうだね。前の月読君を否定する訳じゃないけど少し距離があったから。今みたいに積極的に話しかけてくれるとこちらも嬉しい」


「そうか。なら今のままにするか」


 どうやら記憶を失う前の俺は拗らせていたらしい。斜に構えているのがカッコいいとでも考えていたのだろう。クラスメイト達も今の方がいいと言うし、無理に前の俺に似せていくこともないな。


 そう思って今の俺のままクラスメイト達と遊んだ。






 西条が複雑そうな顔をしていたけどどうしたんだろうか?




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