『まじゅう・蜘蛛の意吐』
『まじゅう・蜘蛛の意吐』
今ではないいつか。
スピルードル王国の騎士カダールはある朝、目覚めると、地獄(和風)におとされていました。
きょとん,としていると、たちまちムキムキの鬼につかまりました。阿鼻叫喚の地獄巡りのはじま、り……?
「うぅん? タイムが縮まらない。まだ、むだな動きが多いな」
「……(ゼイゼイ)」
おや?
カダールはとなりの獄卒より元気そうです。ここは針の山のふもとで、服はボロボロで血まみれですが――
「いくら怪我をしても、少しガマンしたらもとのからだにもどるし、スタート地点に帰してくれるからなぁ」
…… 仕様ですからね。でもなぜ笑顔?
カダールは『地獄の針山』踏破のセルフタイムレース中です。成り行きで突き合わされた鬼はつらそう。
おもにメンタルが。
地獄に落とされた理由も確かめず、マイペースに鍛錬をはじめるとかどーなんでしょう。
なんで、勝手に責め苦を増やすの?
目を離すわけにゆかず、つきあわされる鬼はとがめる目線。
しかし、青年はおかまいなし。
なんといいますか、例えるならゴルフ好きが、名門コースでゴルフ三昧な休日を過ごせるみたいに生き生きしてます。
次はどのコースを攻めよう?……その目は針(鉄槍❔)だらけの山腹を見据えていました。
「カダールどこ! 返して! 」
(( ちゅ☆どーん!!))
::「「「△○☆✕○!!」」」::
――― 一方、その頃。
地獄の一角(というか中枢) は蹂躙されていました。敵は、愛する夫を取り返しに来た若妻。
「滅殺、びーーー!!!」
閻魔庁はハチの巣です。破壊光線がとぶたび、野太い悲鳴と職員が右往左往。
「カダールーぅ!! 助けに来た!!」
遠くの山が一つ、爆散しました。
閻魔庁から飛び出た流れ弾が、地獄の大事な施設をうちぬいたみたい。
じつはカダールは、カンダta……。まぁその、書類の誤記でまだ寿命があるのに。そして、大陸西方の土地の住民なのに、大陸の東の地獄にいきなり落とされたのです。
アルケニーのゼラは運命の人を奪われて激怒。そりゃあもう……ね。
その後、なんやかやあって手違いが発覚して、ゼラに特別に、蜘蛛の糸を地獄へたらすことが許されました。しかし、カダールは登って来ません。
きっと、いじめられているんだ。地獄のどこかに閉じ込められているんだ。
アルケニーのゼラはさらに怒り、まず、蜘蛛の糸をプチン。関係ない亡者たち(糸に鈴なり)はふたたび地獄へ落ち、ゼラもピョンと侵攻(実力行使)したのです。
ちなみに閻魔様は、カダールが手違いで地獄へ送致されたとわかると、すぐ、地上に返す手配をしました。
でも、肝心の本人がコースを外れて行方不明なんですよね。
閻魔様以下、地獄の管理職たちは、カダールを返せといわれてもまだ顔もみていません。
カダールが閻魔庁の騒ぎに気がついたのは、半日もたってから。閻魔庁はすっかり風通しよくなって、灰だらけになっていました。
カダールはあっさりゼラをなだめ、地上への帰路につきました。地獄の大王たや鬼たちは息を殺し、遠くの物陰から、イチャイチャするふたりのすがたを見送ります。
こっち(地獄)を振り返りませんように。
なお、カダールのセルフ特訓につきあわされた不運な鬼ですけど。かれは、前よりちょっとたくましくなっていました。
おもにメンタルが。
めでたしめでたし。
☆ 小説『蜘蛛の意吐』作者、NOMAR様よりいただきました。
……閻魔庁がゆれていたとき、八熱地獄、八寒地獄には、蜘蛛意吐レギュラーメンバーの【 彼等 】が突入していた!!
エクアド(心友)
「カダール! 無事か!?」
カラァ&ジプソフィ
「「パパー、どこー?」」
元祖·怪傑‼ 蜘蛛仮面
「早くカダールを取り戻さねば、黒の聖獣の暴走を止められん」
怪傑蜘蛛仮面A
「俺はこっちを探す、兄上は向こうを」
解決蜘蛛仮面コンビ
「「征け! 疾風リスよ!」」
カッセル&ユッキル
「「ちーーーー!」」
黒いマントのフォーティス
「嘆きの涙を流すのは、おまえたちだ!」
武装執事
「オーガを相手に手こずったのは昔の話です。ウィラーイン剣術を修めた今は、かつての私と違います」
拳骨メイド
「亜人型魔獣であれば、アーレスト流無手格闘術の本領発揮です」
ララティ
「なんかおもしろそうぴょん」
( ̄▽ ̄;) 大乱闘スマッシュ一家? ウィラーイン家夢双?




