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クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。  作者: かわち乃梵天丸
第一部 クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
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女教師佐川の念願の仲間6 *

応援ありがとうございます。

日刊2位になりました。

感謝です!

 隅田の【モンスタートレーナー】スキルを使っての戦いっぷりを見ている佐川。


 さすがに七層を一人で超えて来ただけあってモンスターの扱いにもかなり慣れていてめちゃくちゃ強かった。


 ゴブリンを操り、次々に敵を倒していった。


 今まで苦労して岩を坂道の上まで運んで倒していたのは何だったんだろう?


 そう思ってしまうぐらいにサクサクと敵を倒す。


 その戦いを見ながら隅田からスキルの使い方の講義を受ける。


「この【モンスタートレーナー】って言うスキルはあまり強い敵は操れないらしい。せいぜい操れて自分のレベルの半分ぐらいの敵だ。でもな、【モンスタートレーナー】のスキルレベルとステータスのLUKの強さで複数の敵を操れるんだ。ちょっと見ててくれ」


 隅田は手慣れた感じで次々にゴブリンを魅了していく。


 そのゴブリンは魅了されると同時に敵だったものが従順な下僕の様に命令を聞くようになる。


 その数は三〇匹ほど。


 最初に隅田と狩りをした時に絡まれて連れて来たゴブリンの大群ぐらいの数だ。


 ゴブリンの軍団。


 そう呼んでも間違えてないぐらいの数だった。


「こんなに操れるの?」


「すごいだろ? 慣れればもっと扱えるらしいけど、今の俺にはこれぐらいが限界だ」


「これでも十分過ぎるぐらい多いのに、まだまだ増やせるんだ」


「操れるだけ操ったら、これを強い敵と戦わせる。すると、ゴブリンの大群が津波の様に強い敵に群がって一瞬で倒すって寸法さ」


「すごーい!」


「ただ、二つほど欠点がある」


「欠点?」


「一つ目は数は操れても個々は弱い個体だって事を忘れてはいけない。範囲攻撃、例えば炎を吐く敵とか、武器を振り回して周りの敵を一網打尽に倒す敵とは相性が悪い。三〇匹の軍勢で有っても一匹一匹は大して強くないゴブリンなので強い範囲攻撃を受ければ一瞬で軍勢が消え失せてしまう」


「なるほどね。一匹一匹は弱いという事を忘れてはいけないという事ね」


 メモを取る仕草をしながら頭の中に今いわれたことを叩き込む佐川。


 当然筆記具なんて持ってないからエア文房具だ。


 佐川が物を覚える時の癖らしい。


 そんな仕草を見た隅田は佐川が子供っぽくてすごく可愛らしいと思ってしまう。


 隅田は少し顔を赤らめたのを隠しながら話を続ける。


「そうだな。そして欠点二つ目。調子に乗って強い敵と戦って操った敵が全滅すると、敵の攻撃目標が間違いなく操っていた術者に返ってくる。つまり、強い敵に襲われるって事だ」


「その時は逃げるの?」


「軍勢を一瞬で倒すような敵だから逃げるのは難しいだろうな。新しい敵を操って当てる事が正解だ。新しい敵が居なければ、そこで死ぬことになる」


「詳しいわね」


「行きの6層、7層でこの身を以って痛いほど味わったからな。先生を連れていかなくて本当に良かったと思うほどの惨状だった」


「そんな目にまで遭って宝珠を買って来てくれたのね」


「先生の宝珠も手に入れるって約束したからな」


「隅田君、ありがとう」


「あ、買うで思い出したんだけど、これあげるよ。先生へのプレゼントだ」


 隅田はアイテムバッグから包みを取り出し佐川に渡す。


 それは茶色い紙の包みにくるまれたかなり重い物だった。


「開けていい?」


「もちろん!」


 開けてみるとそれは本であった。『セレスティア王国の歴史』本の表紙にはそう書いてある。


「こんな物買って来てくれたんだ!」


「前に先生が歴史の本が欲しいって言ってたのを思い出して買って来たんだ」


「隅田君ありがとう!」


 かなりの大判で三百ページほどの本。


 豪華な金属の飾りの表紙のついたハードカバーの本だ。


 その中にはこの国の建国からの歴史がこの世界の言葉で書いてあった。


「その中に面白い話が書いてあったんだ」


「面白い話?」


「ダンジョンの話さ」


「ダンジョン?」


「ダンジョンという物は三種類あるらしい。一つは洞窟レベルのダンジョン、これは日本で言うならばクマが住んでいるような洞窟だ。もともと有った洞窟にモンスターが住み着いたものだ。二つ目は終端(ターミナル)ダンジョンだ」


「ターミナル?」


「ダンジョンの奥底にターミナルコアと呼ばれる魔道具が設置されているのでそう呼ばれている。そのターミナルコアと呼ばれる魔道具によってモンスターを呼び出し続けるダンジョンだ。誰が何の目的で作ったのか解らないが人工的に作られたダンジョンだそうだ」


「そんなのも有るんだ」


「これは結構な数が数が有るらしい。大抵は一〇層か二〇層程度の浅いダンジョンだ」


「なるほど。ターミナルダンジョンと」


 再びメモを取る仕草をする佐川。


「そして最後がこの世界に唯一存在する千層超えのダンジョン『真相ダンジョン』だ」


「真相? 深層の間違いでは無くて?」


「この世界の言葉だと真相と深層は全く別の言葉になるのでそれは無いんだ。真相で合っている」


「なんか変な名前のダンジョンね」


「ああ。これにはその名前の由来の伝説がある。むかしむかし当代最強の高名な魔導士がいて、その真相ダンジョンの攻略に挑んだそうだ。その魔導士は非常に優秀で苦難の旅路の末、見事最下層に到達した。だが、その魔導士は無事帰還をしたが、最下層で何かを見た事でダンジョンから帰還した後に自ら命を絶ってこの世から姿を消したという」


「なんで死んでしまったの?」


「この世界の『真相』を見たらしい。真相を見た事でショックを受け死んだと言い伝えられている。あまりにも古い話なので嘘か本当かは解らないけどな」


「昔話とか伝説の一種なのかな?」


「多分そうだと思う。でな、面白いのはここからなんだ」


「面白い?」


「その真相ダンジョンはこのダンジョンなんだそうだ」


「このダンジョンがその千層超えの真相ダンジョンなの?」


「その本にはそう書かれている」


「面白いわね。最下層まで潜ってみたいわ」


「そうだろ? 俺も確かめてみたいと思った。でもさ、千層なんて深いダンジョンなんてある訳ないだろうし噂に尾ひれが付いたものなんだろな」


「そうかも知れないわね」


「まあ、一〇層も越えられない俺達には関係ない話さ」


 そう言うとにこやかに笑う隅田。


「あはは。そうだね」


 佐川も隅田の笑い声につられて笑ってしまった。


 この楽しい時が永遠に続いて欲しいと思う佐川であった。

読んでくださいましてありがとうございます。

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