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クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。  作者: かわち乃梵天丸
第一部 クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
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俺の嫁8 *

 久しぶりに大神殿の自室に戻る三人娘と俺。


 部屋に入ってすぐに石川が驚いて目を丸くする。


 部屋の変化に気がついたようだ。


「汚なくてみそぼらしいベッドが綺麗な畳ベッドに変わってる。これどうしたの?」


「これか? 俺が作った」


「作ったってあんた……よくこんなもの作れたわね?」


「俺の趣味は日曜大工だから。それにキャンプ場の小屋の家具も殆ど俺が作ったんだぜ」


「あのベッドを? す、凄いわね!」


 趣味が日曜大工と言うのは、当然口から出まかせである。


「なんか欲しいもの有ったら作っておいてやるよ」


「そうね。サイドテーブルが欲しいかな?」


「サイドテーブル? それはどんなものなんだ?」


「ベッドの横に置く小さな机みたいな棚知らない?」


「あー、花瓶とかランプとか置いてある奴だろ?」


「そうそう。今は着替えとかを入れて置くタンスが無いから、向こうの小屋とこの部屋にせめて下着だけでも入れて置ける引き出しが欲しいんだ」


「そっか。任せとけ」


 俺は早速木の棒をアイテムボックスから取り出し作業を始める。


 木の棒から組み木の板。


 それを銅のナイフで器用に加工する。


 自分で言うのもなんだか木材加工の腕前は職人の域に達してるな。


 組み木の板から組み木細工で棚と引き出しに組み上げる。


 棚には足も取り付けた。


 棚と引き出しを組み合わせてサイドテーブルの出来上がりだ。


 これなら小洒落た家具屋で売ってるおしゃれな家具と大して変わらん。


 センス抜群の俺カッコいい!


 俺が家具を作っているのを見ていた石川が驚いている。


「あ、あんた、一体何やったの?」


「なにって、サイドテーブル作ったんだけど?」


「そうじゃないわよ! なんでそんな綺麗なサイドテーブルが作れる訳? しかもナイフ一本よ! それに作るのに5分掛かって無かったじゃない!」


「そりゃ、趣味だからな」


「趣味って……それじゃ説明付かないレベルだわよ!」


 あんだけ桶作ったり、ベッド作ったり、家の修繕してたら嫌でも木工レベルが上がりまくるわな。


 サイドテーブルなんて簡単な家具なら楽々作れる。


「あんたこれで商売出来るわよ! 家具屋さん始めなさいよ!」


「いや、俺は金持ってるから働く必要なんて無いし」


 悪いが俺は金持ちだ。


 金なんて腐るほど有るから稼ぐ必要なんて無いんだわな。


「嘘! あんた今まで全然稼いでない筈よ? だって、リリィさんからまだお給料もらってないし!」


 あ、やべ!


 俺、この世界じゃまだ稼いでなかったんだ!


 その設定をすっかり忘れてた。


 やべ、どうする?


「あんた、いつの間に稼いだのよ!」


「ま、マグロで儲けたしっ!」


「あっ、そうか。そうよね。いつの間にか商売してたもんね。あんなに売れてたもんね」


 ふー、マグロ売っといて良かった。


 今のは完全に失言だったな。


 これからは言葉に気を付けよう。


 香川ちゃんが思いっきり可愛い顔でジト目で俺を見つめる。


 腰をクネクネさせながら、明らかに可愛い女の子を演技している香川ちゃん。


 なんかすごく物欲しげな顔。


「あのー」


「ん?」


「悪いんだけど、お金くれないかな?」


「お金?」


「うん。私達まだ給料もらって無いからお金無いの。だから……ごめんなさい! 返す充ては無いから返せないし、なんにも見返りはあげれないけど一万円ぐらい下さい!」


 ぺこりと頭を下げる香川ちゃん。


 下さいって、貸してとかじゃないのね。


 見返りなしでお金くれって事なんだな。


 なんか香川ちゃんらしい。


 リリィさんの口を以って『相当なタマ』やら『あれは大物』と言わせるだけは有る。


「いいけど? お金をなんに使うんだ?」


「下着とかシャツとか欲しいんだ。ずっと同じの履いてて気持ち悪いの!」


「正確に言うとこのホットパンツの下は何も履いて無いのよ。こっちの世界に来た時に履いてたパンツが燃えちゃってね。だから下着が欲しいの」


「燃えたって? なにしたんだよ?」


「溶岩の中に突き落とされたときに燃えちゃったの」


「そうなのよ。あれからずっとパンツ履いてないの」


 石川も俺に訴える。


 あー、ノーパンなのね。


 ノーパンで訓練してたのね。


 そりゃ下着欲しくなるわ。


「下着か。わかった、ほれ!」


 俺は一万ゴルダのお金をアイテムボックスから取り出して手渡そうとしたが思いとどまった。


 下着ならお金渡さなくてもアイテムショップで買えばよかった。


 俺はアイテムショップから下着を買って手渡した。


 下着を受け取った香川ちゃんは驚いた顔をする。


「ありがとう」


 顔を赤らめる香川ちゃん。


 石川も顔を赤らめる。


 でも石川が下着を広げた後、一瞬で鬼の形相に変わる。


 あれ?


 なんか俺、まずい事しでかした?


「はあ? なんで女の子がこんな男物の下着履かなきゃならないのよ! ランニングシャツはまだいいわ。理解出来るわよ。ランニングシャツだからね。女の子が着るのも解るわよ。でもなんで女の子が男物のブリーフ履かなきゃならないのよ! なにこれ? 頭おかしいんじゃないの! こんな物履かせようとする高山サイテー! 高山変態! 下着買ってくるからお金頂戴!」


 石川は俺から1万ゴルダの金貨をむしり取ると三人を連れて部屋を出て行った。


 長野さんは部屋を出るときに、申し訳なさそうな顔を俺に向けるとペコリと頭を下げる。


 やっぱ俺の中の真のヒロイン枠は長野さん以外ないよな。


 それにしてもなんだ。


 良かれと思ってした事なのに、怒られた上に金を取られるって納得いかないぜ。


『さすがに女の子にブリーフは無いと思います』


『そうだけどさ、あそこまで怒る事無いだろ?』


『もし勇者様が海水浴する時、海水パンツの代わりにTバックのビキニの水着渡されたらどうします?』


『そりゃ怒るだろ! おれ、そんな趣味ないし! 変態じゃねーし!』


『今の香川ちゃんもそう言う気分だったと思いますよ』


『あっ! そうか、そういう事だったのか。悪いことしちゃったな』


『解っていただけましたか?』


『うん。ところで女物の下着は扱ってないのか?』


『ありますよ』


『なんでそれを出さない! 俺たちの様子を見てたんだろ?』


『そ、それは……てへぺろ』


『またうっかりかよ! てへぺろじゃねーよ!』


 ショップからフリルのついた女物の下着とパンティーとブラジャーを一人あたり3枚ずつ買って、サイドテーブルの引き出しにしまっておいた。


 ブラはアクリル系のフリーサイズのスポーツブラだから香川ちゃんのこじんまりした身体から長野さんのかなりナイスなボディーまで対応だ。


 しばらくベッドの上で転がってゴロゴロしていたら、香川ちゃんが肩を怒らせて戻って来た。


 何かお怒りのご様子だ。


 また八つ当たりでとばっちりを受けるのも嫌なので寝たふり寝たふり。


 すると香川ちゃんがお怒りモードでベッドの上に紙袋を投げつけるとベッドに横になった。


「あの洋服屋、一体どうなってるのよ! なんで下着が売って無くてホットパンツとシャツしか売って無い訳? 頭おかしいわよ!」


「高山君から貰った下着の方が良かったわぇ」


 長野さんが小さな驚き声を上げた。


「あれ?」


「どうしたの? 長野さん?」


「これ、見てよ。キャミソールとハーフトップとショーツが引き出しに入ってるよ!」


「私のとこにも!」


「私のにもぉ!」


「これ高山君が入れてくれたのかな?」


 長野さんのつぶやきを聞くと、ズカズカズカっと足音を立てて俺の元にやって来る石川。


 石川は下着を俺の顔の前に物凄い勢いで突きつける。


「これ! まさかあんたが引き出しに入れたの?」


「お、おう。もしかして気に入らなかったか?」


「いや、すごく気に入ったよ。ありがとう!」


 石川が俺に抱きついてきた。


 やめろ。


 そんな事されたら照れるじゃねーか。


 おまけに香川ちゃんまで。


 長野さんは頭を下げるだけで抱きついてこなかった。


 遠慮しなくていいのに……。


 本命なのに……。


「あんた、優しいわね。お店に買いに行ったけどいいのが全然なくて困り果ててたのよ。もしかして【隠匿】スキル使って私について来たりしてた?」


「してねー、してねー。ここでずっと寝てたから!」


「ホントはわたしの事、好きで好きでストーカーまがいの事してるんでしょ?」


「しねーから、そんなこと!」


「ふーん。でも、ありがとね」


 ほっぺにチュッとキスしてきた。


 てへ。


 なんかうれしい。


 おまけに反対側のほっぺには香川ちゃんがチュッと!


「さっき、ひどい事言ってごめんねぇ。あたし疲れてたせいか、どうかしてたぁ」


「気にすんな」


 そして長野さんは……頭を下げるだけ。


 長野さん用には唇を開けておきましたので遠慮なくどうぞって、お辞儀だけなのですね。


 俺はそんな奥ゆかしい長野さんが好きです。

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