第13話 躍進
ふぁーあよく寝た…。
今日のバイトはなんだったっけ…。
……はっ!
オークとの激闘を思い出した。ガバっと飛び起きて焦って辺りを見回す。
…何もいないな。
ほっ
無事退治できたんだな。
オークの亡骸があったであろう場所に、虹色に光る石を見つけた。
なんだこれ。
綺麗だな。オークの持ち物か?
そういえばスライムとゴブリンは100体は倒したのに、アイテムドロップとか全然なかったな。
強いモンスターはこういうの落とすのかもな。
よっしゃ、やる気出てきた。
そういえば…生まれ変わったのかってくらい、身体が軽いな。
だいぶレベル上がったのかもな。
『閲覧』と。
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渡瀬太一(30)レベル:52(EXP+300%)
種族:人間
加護:魔神, 龍神, 八百万神
性能:体力C, 筋力C, 魔力B, 敏捷C, 運F
装備:フォースリンガー, 金剛棒, アンダーアーマー(破損), ウィンドシューズ, 幸運のタリスマン
【スキル】
戦技:龍の爪, 火事場の真剛力, 韋駄天, 隠形, 金剛, 超集中, 威圧
魔法:ファイア, フリーズ, サンダー, エアリアル, アースウォール, ヒール, キュア, ドレインタッチ, バリアー, 念動力, 身体強化, 超魔導, 簡易錬成
技能:ステータス閲覧, アイテムボックス, テイム, 消費魔力半減, 起死回生, 超回復, 状態異常耐性, 念話, 意思疎通
【インベントリ】
アイテムクーポン(下×35/上×26/特上×4), 装備クーポン(下×11/上×5/特上×2)
製造くん(食糧/飲料水/快適空間/ユニットバス), 何でも修理くん, カプセル(ハウス/バイク/カー),
ポーション×3, エクスポーション×2, エーテル×3
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め、めちゃめちゃ上がってる!
まぁかなり格上だったのが、更に経験値4倍だからな。
フォースリンガーが無かったら絶対勝てなかったしな。
むしろよく挑んだよ。
って、おお!
『龍の爪』ってのが増えてる!
ついに『加護』によるスキルを習得したのか。
どれどれ・・。
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『龍の爪』(レベル50, 龍神の加護)
破壊を司る真龍の闘気を纏わせて、攻撃力10倍の近接武器攻撃。
発動時に体力を小消費する。
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…こいつは凄そうだな。10倍か。
身体強化した状態で放ったら…ごくり。
た、試してみたい。
あとは、アンダーアーマーが破損してしまったのを何とかしないとな。
周囲の安全を確認し、『何でも修理くん』を引っ張り出す。
どらめもんみたいな寸胴な見た目で、いかにもロボな顔に大きな口がついている。
「この防具が破損しちゃったんだけど、直せるかい?」
殆ど無いような首をコクコクすると、口の部分ががばーっと開いた。
「中に入れればいいの?」
ぽいっとアンダーアーマーを入れると、口が閉じられ、
お腹の辺りがエレクトリカルパレードみたいにピロピロピロピロ光りだした。
…なんか懐かしいテイストだなぁ。
待つこと30秒。
チーン!
また大きく口が開くと、新品同様のアンダーアーマーが出てきた。
おおお。
『何でも』修理とは銘打ってるけど、やっぱりクーポン装備も直せるのか。
「お前、最高だな!よっ、一家に一台!」
頬の辺りが赤色にエレクトリカルパレードし出したので、アイテムボックスに戻しておいた。
さて、と。
今の俺って、オークと正面からやりあえるぐらいのステータスがあるんだよな。
試しに思い切りジャンプしてみる。
10mはある天井に激突した。
おっとっとっと。
まぁ痛みはないけどね。
「ふ、ふへへへ」
れ、れべるあっぷ、さいっこう!!!
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ということで、4階層に行くのではなく、またまた2階層に戻ってきた。
理由は、オークを物理でボコれるか試してみたかったからだ。
物理耐性小+体力Bを物理で一撃で倒すことが出来れば、もうこれは必殺と言っていい威力だろう。
さっきは殺されかけた相手だが、もはや恐怖感はあまり感じない。
くっくっく…待ってろよ。
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カツーン、カツーン
すっすっすっと先ほどのエリアへと到達する。
いたいた、オーク。
気配を消していないので、すぐこちらに気づいたようだ。
構わず、どんどん近づいていく。
『GRUUUUUUUU!』
殺気だって、今にも飛びかかってきそうだな。
じゃあお返しに…『威圧』
食らってやると言わんばかりの表情そのままに発動する。
『GU!?GUFHI!!??』
そのまんま豚みたいな声が聞けたところで、『サンダー』を放つ。
気が弱っていたおかげで一瞬スタンが入る。
1秒足らずで正気に戻ってくるが、十分だ。
『身体強化』、『火事場の真剛力』を発動した状態で天井スレスレの高さに飛び上がり、
勢いよく空を蹴り、脳天目掛けて金剛棒を振りかぶった。
「くらえ。『龍の爪』!!」
瞬間、棒先が紅色に輝く。
そして目的の場所へと吸い込まれんばかりに、爆発的に加速した。
ドパッ
ほい、着地と。
見上げてみると、
オークはスイカのように頭部を四散させていた。
…ズズンッ。
一撃だ。
さっきまでの死闘が嘘のように、圧倒的だった。
魔導銃でも今ならそう苦労はしないだろうが…このスキルはとにかく圧倒的な威力だ。
さすが、最高位の加護が与えしスキルといったところか。
闘気とやらの影響で少しふらっときた気もしたが、全快状態なら何発かは大丈夫そうだ。
ぅし、レベルが上がりにくくなるまで、次はここでオークを狩りまくってやる。
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2階層、3階層を往復すること15回。
合計15体の哀れなオークが犠牲になった頃
太一のレベルは70に到達した。
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渡瀬太一(30)レベル:70(EXP+300%)
種族:人間
加護:魔神, 龍神, 八百万神
性能:体力B, 筋力B, 魔力A, 敏捷B, 運E
装備:フォースリンガー, 金剛棒, アンダーアーマー, ウィンドシューズ, 幸運のタリスマン
【スキル】
戦技:龍の爪, 火事場の真剛力, 韋駄天, 隠形, 金剛, 超集中, 威圧
魔法:ファイア, フリーズ, サンダー, エアリアル, アースウォール, ヒール, キュア, ドレインタッチ, バリアー, 念動力, 身体強化, 超魔導, 簡易錬成
技能:ステータス閲覧, アイテムボックス, テイム, 消費魔力半減, 起死回生, 超回復, 状態異常耐性, 念話, 意思疎通
【インベントリ】
アイテムクーポン(下×35/上×26/特上×4), 装備クーポン(下×11/上×5/特上×2)
製造くん(食糧/飲料水/快適空間/ユニットバス), 何でも修理くん, カプセル(ハウス/バイク/カー),
ポーション×3, エクスポーション×2, エーテル×3
魔素核(中×15)
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加護スキルを得て、一気に強くなりました。
次でこのダンジョンはラストになります。
ようやく初っ端からのひとり穴蔵生活も終了です。
やっぱ、死闘もいいけど、圧倒的なのも楽しいよね。
ご覧頂きありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。




