第12話 オーク戦
アクティブ/パッシブスキルを曖昧に使っている旨をご指摘いただきまして、完全にその通りでしたので、こっそり変更させていただいています。ご容赦ください。
戦技…MPを使用しない戦闘用スキル
魔法…MPを使用するスキル
技能…MPを使用しない非戦闘用スキル
このように区分しました。少しステータスの行が増えて申し訳ないですが、多いのは例の3人くらいですのでご容赦ください。スキルの少ない敵やモブキャラなどは簡易書きにします。
そしてそして、ブックマーク100人超え!ありがとうございます!!
100人超えると初心者離脱と聞いていたので、とても嬉しいです!
今後ともよろしくお願い致します。
カツーン、カツーン
メインウェポンを二挺拳銃に切り替えて、また3階層へとやってきた。
この階層を詳しく調べた結果、今の所オークは同時に2体は存在しないようだ。
ただし、あれがいるフロアの向こうにどうやら4階層への階段があるらしい。
倒さずには進めないってことだ。
中ボスっぽいな。
…見えた。
『uruuuuuuuu』
相変わらずの存在感だな。
体長も3mはありそうだ。
手元のフォースリンガーをみる。
銀の銃身に青の装飾が施されている。なかなか格好良い。
ゴブリンを瞬殺した銃だが…当然体力差FとB。
かなり打ち込まないと倒せないと思っておいたほうが良いだろう。
一度リロードしてみて分かったが、こいつは結構な魔力食いだ。
身体強化を使いながらだとすぐに魔力が尽きるだろう。
使わなければ、スピードの差はFとE。そこまでの優性はないのだ。
勝利への肝は、いかに戦技スキルを使ってあいつの攻撃をかわし、さばくか。
まともに斧の一撃を受ければ、即致命傷だ。
すー…はー
すー…はー
よし、やるぞ!
あいつが背を向けた瞬間
気配を消したまま、ぎりぎりまで接近し
12発全弾、そのデカイ的目掛けて打ち放った。
ィィィィィィィィン!
音はそれほどでもないが、
圧縮魔力解放によるマズルフラッシュがフロア中を白く染め上げた。
『GUUUUOOOOOOOOOO!!!』
どうだッ
と思う前にすぐさまダブルリロードを開始。ごそっと魔力を持っていかれるのが分かる。
奴が振り向くと同時に、利き手である右弾を6発追加しながらバックステップで離脱した。
『GUUUUUUUUU』
俺の存在を視認し攻撃した本人と認めると
ドシンドシンドシンドシンドシンッ
鬼のような形相でこちらに駆け出してきた。
『UGUUUAAAAAAAAAAAA!』
殆ど戦車だな!
右をリロードしつつ左弾で牽制を放つと、幾つかは命中し肉を抉っているのが見える。
が、致命打には程遠い。さすがに硬い。
10mほどの距離まで接近すると、奴は片手で巨大な鉄斧を高々と振りかぶった。
まるでギロチンだ…ッ。
『超集中』すると同時に袈裟斬りに斧が振り下ろされた。
スローモーションの世界の中でも、
その暴力の塊だけは、俺の胴体を両断せんと相当のスピードで迫ってくる。
大きくジャンプしてかわし、右弾を3発、顔目掛けて叩き込んだ。
『GIIIYAAAAAA!!』
空を蹴って後転し、さらに3発をボディへ打ち込んだ。
今ので奴の片目をつぶしたらしく、顔を手で被って悶えている。
っし、クリティカルヒットだ!
この隙にエーテルアンプルを2瓶片手で割って喉に流し込む。
全弾リロード。
そのまま追撃する。
ィィィィィィィン!
『GUUAAAAA・・』
ヤツの体中がクレーターだらけになってきた。
もう一息だ!!
十分に距離はとっているのだが、奴はそこで斧を振りかぶると
ん?なん・・
『GAAAAAAAA!!!!!!』
そのまま、全力でこちらへと投擲してきた。
!!!
よけられな…『金剛』!
瞬間、激しい衝撃を受けて、後ろの壁まで吹き飛ばされた。
激突し、衝撃で一瞬息が止まる。
が、何とか5秒が保った。
くそっ…殆ど死ぬところだったがなんとか間に合った。無傷だ。
服やアーマーはズタズタだが。
金剛ももうこの戦闘ではきっと使えない。
にゃろう、やってくれたな!!
もう奴にリーチはない。
全開で『韋駄天』を発動し、地を蹴り空を蹴り
360度全方位からひたすらに打ち続けた。
ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!
リロード…リロード…リロード…リロード…
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『GU…U…』
ドシンッ
「はぁ…はぁ…はぁ…」
つ…。
両手両足つってるやん…。
もうムリ…。
明らかに格上の相手であったが、なんとかオークの撃退に成功したのであった。
レベルが上がって全快する前に
僅差で太一は気絶し、そのまま眠ってしまった。
ZZZZZZ…。
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その頃地上では…。
さらに一夜が明け、被害の様相が明らかになった。
A級ダンジョンの現れた東京
B級ダンジョンの現れた大阪
その双方において大規模なスタンピードが発生、完全に壊滅していた。
大阪にあふれたモンスターはその多くがダンジョン周辺に留まったが、
東京の強大なモンスター達は侵食スピードが早く、徐々に周辺地域へと被害を拡大していった。
残る日本のダンジョンは全てC級であるが、地球のエネルギーを吸い、少しずつではあるがモンスターの排出を行おうとしている。
一方、ブラジルのとある男性が指揮する団体が『対ダンジョン協会(通称:ダン協)』を発足。
予め用意されていたとしか思えない急速なスピードで拡大を進め
世界各国にその支部が置かれようとしていた。
その幹部には、例のロシアの女性も参入しているとの噂である。
ダン協は、今世界で起きている現象と、人々が生きるために必要な情報を、
様々なメディアを通じて広く告知した。
最初は皆とても信じられるものではなかったが、告知内容が尽く事実と確認されると、
その存在感はみるみるうちに人々に浸透していった。
C級ダンジョンは、世界に無数に存在。スタンピードの危機は少ないがモンスター排出は起きうる。
B級ダンジョンは、ほぼ各国に1つ存在。人口が多い都市ほどスタンピードが発生している。
A級ダンジョンは、世界に3箇所。日本、ロシア、ブラジル。全てスタンピードが発生。
S級ダンジョンは、世界に2箇所。アメリカ、中国。…両国は国家中枢の機能を失った。
打撃や刃物で立ち向かえるモンスターや、
重火器が通用するモンスター、通用しないモンスターなどの、モンスター一覧。
中~高位モンスターのもつ『魔素核』の活用法。
討伐によるレベルアップの恩恵。
1/1を契機に『加護』に目覚めた人々の鑑別方法・育成。
などなど
通常現時点で知り得よう筈のない様々な情報をダン協は持っており、
それを惜しげもなく世界に共有した。
ダン協は各国の政府や軍と速やかに連携し、強く高度に、組織化を進める。
人間社会はこの未曾有の災害に対し、また大きな変革を迎えようとしていた。
当然、ぼっちで潜っている太一はそんなことなどは知るよしもない。




