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機械の神と救世主  作者: ローランシア
第三章 亡国の姫と王国の剣
35/38

035 世間話と異変


翌日俺はレイザーさんと連絡を取り警備隊にガーベラを連れて行った


「こんにちは、東条です」

「ハッ!!ご足労感謝します!救世主様!お話は伺っております!どうぞ!」


門前の兵士に話しかけると敬礼し門を開けてくれる


警備隊隊長室へ通される


「レイザー隊長!救世主・東条様をお連れしました!」

「失礼します」


挨拶をしながら入室する


マキナ?遮音と部屋のロック頼むな

≪はいっ≫


「こんにちは、レイザーさん。お久しぶりです」

「おーう!来たか来たかあ!待ちくたびれたぜ!っと……?」

「ああ。こいつは「ガーベラ・セイクリッド」……救世主です。

先日魔物の巣をマキナが見つけて倒しに行った時、魔物たちに捕まっていた所を保護したんです。

で、助けられた事に恩を感じたらしく、救世主の仕事を手伝ってもらう事になりました」

「そうか……、よろしくな!姉ちゃん!俺はレイザーってもんだ」

「よ、よろしく頼む」

「……東条?アルテミスの奴は今日は連れて来てないのか?」


すみません!レイザーさんでも言えないです!


≪あー……すみません。アルテミスは死にました……≫

「何!?おい、それは本当か……!?」

≪はい。私達が寝ている間に牢の中で舌を噛み切って……。すみません≫

「……いや、仕方ねえよ。捕まった奴が組織の秘密を洩らさねえために自害する事はよくあるからな……」

「あ……ただアルテミスの持っていた情報はマキナが魔法で全部聞き出してあります」

「何?嬢ちゃんはそんな事もできるのか!すげぇな!」

「はい。マキナは凄い魔法使いなんです」

≪ふふふ……≫


「その代わりと言ってはなんですが、今日はお土産を持ってきました」


俺はニッと口角を上げ言う


「……土産?まさか……!」

「ええ、先日セレスティアと一悶着あったんですが、その時に得た情報がありまして……」


そう言い終わる前にレイザーさんが俺の腕を掴み


「よしよしよしよしっ!黒マント野郎の情報だよな!?立ち話もアレだよな!ほら!?座れ!」


レイザーさんが俺の腕を掴み応接スペースまで引っ張っていき座らせる


ドサッ


「待ってろ。今茶を持ってこさせる!……」


バンッ!


レイザーさんがドアを乱暴に開け隣の部屋の兵士さんに声をかける


「おおい!?茶だ!茶ァ持ってこい!あっ、嬢ちゃんたちに美味い菓子もだぞ!?無かったら買ってこい!」

「はっ!ハイ!?ただいまお持ちします!」


少ししてから、警備兵がお茶とお茶菓子を持って来てテーブルに並べ退室する


警備兵が退室し、一口お茶を飲み話始める

ガーベラがもくもくとクッキーのような菓子に手を伸ばし始める


「それでお土産ですが……マキナ?アレ出してくれ」

≪はい。マスター≫


ブォン……

マキナが次元の扉を開き紙を一枚取り出す


「これを……」

「っ!?「あの方」の野郎!?……おい、東条!これをどこで手に入れた!」

「昨日セレスティアと一悶着ありましてね。その時セレスティア王がこの黒マント仮面とつながっている事がわかりました」

「何!?やはりセレスティアと「あの方」の野郎がつるんでいやがったのか!!」

「はい。それで連絡する手段はないか問いただしたんですが、今は連絡を取る手段はないそうです。

あのアルテミス事件の時に魔物が途中で村を攻撃するのをやめたようだと話したじゃないですか?」

「ああ……、お前が推測してたやつな……。当たってたのか」

「ええ。どうやら何か不測の事態が起こって「都合が悪くなったからやめた」と……その後連絡が来なくなったそうです」

「ああ。あと、こいつの名前がわかりました「禍の者」と名乗っていたそうです。セレスティア王によると破滅の軍勢とは関わりがないようでした」

「おいおいおい……。黒マントで仮面……なのに破滅の軍勢じゃねえだと?

てことは何か?どっちかがどっちかの真似をして同じ格好をしてるって事か?」

「……おそらくは」

「紛らわしすぎんだろ……。同じ格好してりゃどっちかと間違うだろ……」

「……あるいはそれを狙っての事かもしれませんが」

「間違いを狙って……。つまり自分の罪をどっちかにかぶせようって腹か?」

「恐らくそうでしょうね」

「……どちらにせよ、この「黒マント仮面」を追っかければ「あの方」にたどり着けるって事か」

「先日陛下と貴族の皆さんに協力してもらって、

世界中の新聞社に「黒マント仮面」についての情報提供を求める記事を掲載してもらえることになったので時期に様々な情報が入ってくると思います」

「おぉ、警備隊にもお達しが来てたぜ!国がようやく本腰を入れたって酒場で噂になってたぜ。あれお前の仕込みか

「はい。マキナにも偵察用の魔法を使ってもらって各主要国と首都と村それぞれに監視魔法を使ってもらってますので、

何かあればすぐ情報が入ってくるようにしてあります」

「おぉ!そりゃすげぇな!それだけ監視の目があれば早々隠れられねえだろ!」

「そして、問題があればすぐマキナの魔法で行けますので、緊急時の準備だけは常にお願いします」

「そりゃいいな!嬢ちゃんすげぇな!そんな魔法も使えるのか!」

≪ふふふ≫

「その時は私とレイザーさんで現場に向かって、マキナとガーベラには街の警備を担当してもらうつもりです」

「……なるほど、陽動を警戒してか?」

「はい。先日のアルテミスのように何を仕掛けてくるかわかりませんから。

我々のいない隙を狙って魔物を街へ襲撃させる可能性がゼロではないですし」


「だな。まぁ、この街にゃオッサンがいるから大丈夫だと思うがな……」

「ええ……イグニスさん……騎士団長には指揮を取っていただかないと」

「……そうか。お前は知らねえのか」

「えっ?何をです?」

「……まぁ、そのうちわかるさ」

「……?……ところで、レイザーさん?警備強化の件ですが、最近の街の治安はどうですか?」

「街の治安か?例の警備強化案実施してから大分マシになったんじゃねえか?巡回も3倍に増やしたしな。前の月に比べて死体の数が減ってるようだぜ」

「よかった。警備兵の増員がされればさらに良くなりますね」

「それが問題だよなぁ……。警備兵募集してるから集まっては来るんだぜ?だが訓練で途中で逃げだす奴がいるからな」

「あ~……やっぱりそういうのいますか」

「大体が食うに困ったならず者連中だからな。根性がねえんだよ」

「そうですか……」

「そうして、逃げてならず者に戻った奴らが街に流れるわけだ。そしてまた仕事が増えると」

「……どうにかなりませんか?」

「ならねえな。お前だってわかるだろ?修行ってのは、結局自分の姿勢次第だ。

どんなに才能があっても継続する力がなけりゃダメだ」

「まぁ、それは……」

「要は気合が足りねえんだよ、気合が」

「そうですね……。技術は教える事が出来ても気持ちはどうにもできませんよね……」

「俺からすれば警備隊なんて一番楽な仕事だと思うがなぁ……。

見回りして暴れてる奴ブン殴ってとっ捕まえて牢に入れて、取り調べして必要があれば裁判所に連行する。こんだけだぞ」

「向き不向きでしょうね」

「だろうな。逆に俺なんかは接客業ダメだしよ」

「……レイザーさん、接客やった事あるんですか」

「ああ、若い頃あるぜ?この街に来たばかりの頃な?エルトボールの受付の見習いをやった事あるぜ」

「えっ!エルトボールですか!この間遊びに行きましたよ!」

「俺の目つきが悪いつってよ?

因縁つけてくるムカつく客がいたから、ボールの代わりにレーンにぶん投げてストライクしてやった。店主に俺もストライク(首)されたけどな」

「ハ……、ハハハ……。それは……災難でしたね……」

≪あははははははははっ!!レイザーさんらしー!≫

「くっ……ふっゲホッゲホッ……!?おっ、お前っ……馬鹿だろっ……!……ハハハハハハハ!」

「まぁ、それでオッサンに取っ捕まって、警備隊の仕事世話してもらってよ?現在に至るってわけだ」

「なるほど、そういう経緯だったんですか……」

「ああ、お前だったら歓迎してやるから、救世主首になったらいつでも来いよ?ハハハハ!」

「ハハハ……。そうならないように頑張ります……」

「警備強化って言えばよ?監視塔の修理がもうじき終わりそうだっての、オッサンから聞いたか?」

「いえ、そうなんですか?ようやくですね」

「全くだぜ。魔物が滅多に襲って来ねえからって壊された監視塔ほったらかしにするかよ?普通……」

「あっ。やっぱり同じ事考えてたんですね……」

「当たり前だ。魔物の接近にいち早く気が付きゃそれだけ対策がしやすいんだからな。

魔物が街に接近したってわかった瞬間に、戦の準備ができるわけでもねえしよ」

「ですねえ……。何にせよ、監視塔が修理終わったなら次は増設してもらわないと」

「増設も提案したんだってな、お前」

「ええ。出来るだけの事はしておかないとダメだと思ったんで提案しました……」

「お前はよくやってくれてるぜ。ホント」

「襲撃と言えば襲ってきた神器持ちについてなんですが」

「ああ。アイツな。アーレスっつったか」

「ええ。あれで破滅の王陣営は神器所有者だって事がわかったんで、色々情報を集めているんですが、

レイザーさんは行方不明になった救世主に心当たりはありませんか?もしかしたら破滅の王に加担している可能性があるんで情報が欲しいんです」

「行方をくらませた救世主か……。それは恐らく死んでいるって場合でもいいか?」

「はい。何でも情報は欲しいんで……」

「俺の故郷の村……リュート村、アルテミスの居た村フィーネがあった近くにはよ?「アルザード山脈」っつーでかい山があるんだが……、待ってろ世界地図持ってくる……」


レイザーさんが立ち上がり、机の引き出しから世界地図を取り出し、持って来て広げる


「これだ……」


レイザーさんが地図を広げアルザード山脈をトンと指を置く


「はい」


「このアルザード山脈にはよ?昔から巨大な赤い龍が住んでいて、アルザード山脈を根城にしてんだよ。

で、このエルトやマーキス……まあ、山を挟んでこっち側全部だな。セレスティアを含む北側の国や町、村と交易はもちろん行商だって行くには命懸けだ」

「はい」

「だから昔から討伐しようって話にはたびたびなるんだ。

救世主や冒険者がアルザード山脈の赤い龍討伐に向かって帰ってこなかった、なんて話はいくらでもあるぜ」

「そういえば、アルテミスの昔の映像でもそんな事言ってましたね。アルザード山脈の赤い龍が魔物を連れて降りてきたって……」

「俺が生まれてから一度もなかったんだがな……。あれも「あの方」の野郎の仕業なんだろうな。ただ……」

「ただ……なんですか?」

「この赤い龍って奴の面倒な所はよ?いるだけで邪魔だが、いる事で助かっている部分もあるんだよ」

「……助かっている。……セレスティアを含む大陸北側からの軍の侵攻を防ぐ役割ですか?」

「その通り、当たりだ。この「赤い龍」がいるお蔭で困っている面もあれば助かっている面もあるんだ。

だが、魔物を操れる奴なんてのがいるとわかった以上この安心は崩れたがな」

「……セレスティアからの侵攻はしばらくないと思いますよ?」

「どうしてそう言い切れる?

セレスティア王の暴君ぶりはこのエルトに居たって聞こえてくる程だぜ?何をやらかすかわかったもんじゃねーらしいぞ」

「私がセレスティア王を処刑しましたから」

「……は?今なんつった……?」


俺は軽くセレスティアでの一件を動画を見せながら説明する


────────


「……ハハハハハッ!お前っ……!お前って奴は!一悶着あったってこれかよ!?ハハハハハッ!」

「冗談じゃないですよ。本来無関係な私がこの世界の為に傷だらけになるまで修行して救おうとしてるのに、

人間が大問題起こしてたんですから。もうホントアホかって話ですよ」

「まぁ、確かにお前からすりゃそうだろうけどよ!ハハハハハ!だからってお前……!「救世主」も大変だな?おい!ハハハハハハハハハハッ!」

「ホンット勘弁してほしいです……。魔物やら破滅の王への対応だけでもお腹いっぱいだってのに……」


≪今セレスティア王と一緒になって悪ふざけしていた貴族達の家に、王国騎士を含む革命軍が押し寄せ粛清をしている最中ですね。

貴族達が有する私兵達にも革命軍に寝返る者は多く後ろから刺される形で崩壊していってますね≫


マキナがモニターを出し革命軍が貴族たちを殺す様を映し出す

「おーお。張り切ってんな、おい……」


ピシッ……!


「……」


レイザーさんがそう言った後微動だにしなくなる


「……え?あの……?レイザーさん?」

レイザーさんの異変に気が付き声をかけながらレイザーさんの顔の前で手を振るが反応がない


ガーベラに顔を向けると同じように静止してしまっていた


「え……?な、なんだ?これ……」


マキナが口を開き


≪……マスター。何者かがこの街全体の時間を止めたようです────≫


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