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薄暗い森で

皆さんお久し振りです。お久し振り過ぎて消えたと思われたかもしれませんがなんとか生息しています。


いまだにお気に入り登録してくださっている方々ありがとうございます、超絶的に遅筆ですが約束通り完結を目指してこれからも書いていきますのでよろしくお願いしますm(__)m

キングは以前訪れた森へと来ていた。


もぐらモドキを配下に加えた場所である。


今回は更に奥へと進んでいく。


前回連れてきたゴブリン精鋭部隊8体に加え今回は狼モドキも5頭引き連れている。


狼モドキの繁殖期も過ぎており、今回は斥候として役目を果たすだろう。


キングは今回、革の鎧と棍棒を装備している。


どちらも以前襲った山賊から頂いたものだ。


サイズが少し合わないのは仕方のないことだろう。



キングを中心に護るように精鋭部隊を二列に配置し更にその回りを狼モドキが取り囲んでいる。


相変わらず薄暗い場所である、ジメジメ具合もキングが以前来たときより増している。


「こっちの世界にも季節はあるのか…」


キングがひとり呟く。


心なしか生い茂る木々の葉も色が変わり秋の色合いへとなってきている。


前回同様ザンギは集落に残してきている。


今のザンギならばある程度指揮も任せられるだろう。


薄暗い森を奥へ奥へとキング達が歩を進めていく。


奥に進むにつれて森は更に暗さを増していき、どこかひんやりした空気がキングを包む。



前回はこの付近で雨が降り、もぐらモドキを発見することが出来たが今回も発見できるとは限らない。


天気が関係しているならば雨でも降って欲しいものだが。


遠くから獣の咆哮のようなものが聴こえる。


森に反響してどちらからなのかまでは分からないが近くではないようだ。


だが、声の主が近くにいないからといって警戒を解くわけにはいかない。


慎重に薄暗い森を進んでいく。


どのくらい歩いただろうか。


薄暗いのは相変わらずだが、木々の生い茂り方が先程より増したようにキングは感じた。


最初の頃は草もまばらにしか生えていなかったが、今は日の光が届きにくい地面にも10cm程の草が生い茂っている。


ジメジメした空気も増しているようだ。


キングは何か違和感を感じていた。


木々の間を風が通り過ぎ、足下の草が揺れる。


キングが横に目をやると狼モドキがしきりに湿った鼻をひくつかせている。



キングが再び視線を前へと戻したとき地面からソレは飛び出した。


目の前の地面が爆ぜると先行していた一頭の狼モドキが土煙と一緒に姿を消す。


ソレはまるで回りの木々のように体を地面と垂直に立たせると、頭をもたげこちらを見下ろしている。


誰も動くことができなかった。


呼吸することすら忘れてしまうくらいの静寂。


目の前の見上げたソレの口元には、つい今しがたまで前を歩いていた狼モドキの上半身が覗いている。


まだ息があるのかしきりに前脚をバタつかせている。







スローモーションのようだった。




ソレは体を振り子のようにゆっくり上下に揺らすと勢いよく頭を振り上げ、狼モドキを空中へと放り投げる。


まるで枯れ葉が舞い散るように、重力に従うように、狼モドキは生きたままソレの口の中へと落ちていった。




短いという意見が聞こえてきそうですが慣らしも兼ねてますので多目にみてくださいm(__)m

これからもよろしくお願いします。

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