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始まりの地下

昨日の今日で投稿するとは思わなかったでしょ?



もぐらモドキの集落での活躍ぶりには目を見張る物がある。


現在集落の中で非戦闘員といえばもぐらモドキと子狼くらいのものである。


子狼は先行投資の考えで育てられているが、もぐらモドキに関しては戦闘には全く期待されていない。


もぐらモドキはキングの配下になってから集落から出ていない、ひたすら穴を掘らされていた。


穴といっても小部屋といった方が正しいだろう、集落の中央に入り口があり、そこから地中に穴が掘られている。



穴は入り口から斜めにジグザグに掘ってあり、ゴブリンでも歩いて出入りが出来るようになっている。


ある程度ジグザグに下に掘ると先の道を枝分かれさせ、その先を更にジグザグに掘り下げその先に貯蔵庫や保管庫など小部屋を作っている。


ジグザグに掘る事により、もぐらモドキ一匹なので蟻の巣のようにとまではいかないまでも地中に小規模のコロニーを築いていた。


これはもぐらモドキを配下に加えた時にキングが考えていたことである。



地表に拠点を作るとどうしても奇襲をされやすいのだ。


特に動物系の魔物など知能の低い魔物は目に入った相手に襲いかかってくる、今回のようにキング達戦闘要員が出払っている場合無用な戦闘は避けるべきなのである。


奇襲に関しても見張りや巡回を出すなど警戒はしているが、より安全策があるならそちらを誰だって選ぶだろう。


キングのように頭さえもがれなければ幾らでも再生出来る組織である場合、地中深くに巣を作り潜ってしまえば例え外敵が侵入したとしても狭い道幅では次々と沸き出る配下の魔物を躱すことが出来ず時間を取られる、その隙に外敵を包囲し消耗戦に持ち込んだり、秘密の通路を使い逃走、また最悪地中深くにおびき寄せたところでキングと側近が脱出して残りの配下ごと生き埋めにすることだって可能なのである。


弱い者から襲い相手を騙し弱らせたところで多数で囲み確実に殺す、卑怯・卑劣など人間の良心が作り出した言葉だ。


そんなもの魔物であるキングは持ち合わせていない、騙し討ち・奇襲・人質といったものは戦術の一つとしか思っていない。


やって当然、殺らなければこちらが殺られるのである。



もぐらモドキが掘った際に出る土をゴブリンたちが代わりに運び出していく。


また別のゴブリンが円みを帯びた石を持ち、下は足で踏みならし、壁や天井は石を打ち付け通路の土を固めていく。


外に運び出した土は入り口から入る雨を抑えるため、ある程度固め小高く積み上げていく。


外見は大きな蟻の巣の様に見えるだろう。



中はゴブリン2体が通れる位の幅と身長より頭一つ分高い通路に畳3畳程の小部屋が幾つかあるだけである。



あまり入り口の盛り上げた土をガチガチに固めなかったのはいざと言う時に入り口を塞ぐためだ、逆に利用されてもこちらにはもぐらモドキがいるので別の入り口を掘ればいいだけのことである。



もぐらモドキを配下に加えて3ヶ月少々が過ぎ、なんとかここまで地下拠点を広げることができた。



数日前捕獲した女は現在地下の小部屋に転がしてある。



あまりに五月蠅いので地表の檻から地下の小部屋に移したのだ。


キングが様子を見に行ってみると、精鋭部隊に随分可愛がられたようでグッタリした姿を壁に立て掛けられたランプに照らし出されている。


着ていた服は破かれ原形をとどめていない、白く透き通るような肌だったが今は土と白濁色に汚されている。



(………ふむ。)



キングは女を見るが、見た目には種を宿したかはまだ分からない。


隣りに待機していた精鋭部隊のゴブリンに、孕むまで犯し続けるよう命令すると自室へと帰る。


キングの部屋は入り口から一番奥にある、他の部屋に比べて一回り広くなっている。


隣りはもぐらモドキの部屋だ。


ザンギは身体が大き過ぎて今の地下通路では窮屈なため現在地表で寝泊まりし巡回や偵察の管理など雑務の指揮をさせている。




キングの部屋にたどり着くには幾つかのゴブリン達の詰め所を通らなくてはならないようになっている。



キングの部屋には特に何も置かれていない、あるのはランプが一つと寝るスペースに草が敷き詰められているくらいだ。


ランプは奪った積み荷の中に入っていたものだ、女を監禁している部屋とキングの部屋にだけ置かれている。



元々キング達ゴブリンは夜目が利くので必要ないのだが、キングが手元に置いたのは人間だった頃の名残だろう。



馬車を襲い数日経過している、村道方面への巡回にはより注意するように配下の者達に命令し警戒しているが、気になる報告は上がってきていない。


行商を襲ったことはまだバレてはいない、もしくは消息を絶ったことは知られたかもしれないが、どこで消えたかはまだ知られていないだろう。


もしあの場所で戦闘があったとバレたとして相手が誰かまでは分からない、更にいうならこの拠点まで辿り着く可能性は万に一つもないのだ。


ただ今不用意に村道に近付くと墓穴を掘る可能性もあるので、別の方向へ偵察も兼ねて進軍しようかと思案する。



(今必要なもの……)



「やはりあそこに行ってみるか…」



キングは一人呟くと、部屋の前で待機していたゴブリンを呼び精鋭部隊の召集を掛けた。


時間があったのでなんとか書き上がりました、人称は大丈夫だったでしょうか?

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