集落帰還
ここ何日か久々に日間ランキングに顔出せてました、目に見えるものってやはり嬉しいですね。
書き方について前からご指摘を頂いたので3人称一人に注意して書いてみたつもりですが勉強不足もありきちんと出来てるか不安でもあります、気になる点がありましたら感想のところで言ってもらえると助かりますm(__)m
数日振りだが何か懐かしいものを感じる。
キング達は集落へと帰ってきていた。
帰る際も特に魔物の襲撃などはなく、予定通りの帰還となっている。
戦利品は殺した男達が持っていた手入れのされた長剣や皮鎧などの武具が2セットと薬草のようなものが幾つか、それに積み荷と女一人である。
武具はゴブリン精鋭部隊に装備させ薬草などは効果が分からずそのまま保管庫へ、積み荷のなかでも食糧になりそうなものはコブリン達に食糧庫へと運ばせる。
食糧に関しては、もぐらモドキに地面に穴を掘らせ、小部屋のようなものを幾つか地中に造らせることである程度温度を一定に保ち、保存が効くようにしている。
保管庫も同じよう小部屋を作らせ適当に名前を付けて置かせている。
集落内の人数増加で狩り以外の食糧調達方法についても思案していたキングにとって、積み荷の食糧奪取は好都合でありこれからの食糧確保の手段の一つになるなと考えていた。
―ガウガウ―
「おまえら大きくなったな!」
キングを見つけた子狼モドキ達が戯れているようだ、ただ明らかにその身体は大きくなっている。
小さい頃の成長力について驚くのは人間も魔物も同じなのだろう、ただ良い肉を多く与えることは子狼にとって非常に良い影響を与えるようだ。
「えぇい鬱陶しい!」
キングが十数匹の子狼モドキ達を押し退ける。
適当に蹴散らしたところで、ザンギに指示し担いでいた少女を以前作った檻に入れさせる。
移動中暴れたりもしたが手足を縛られている上に騒ぐとキングに小突かれていたため少女は大人しくなっている、たまに嗚咽するくらいだ。
逃げ出さないよう見張りを付けたが、逃げ出したところで村道や付近の村からある程度離れたこの集落では、餓死か魔物に殺されるのがオチだろう。
無論みすみすそんな勿体ないことをさせるキングではない。
初めて集落に迎えた女は精鋭部隊に与えることにする、するとそれを聞いた精鋭部隊のゴブリン達が騒ぎだした。
余程女を当てがわれるのが嬉しいのだろう。
キングはゴブリンになってから性欲を感じなくなっていた、女を見ても食欲は沸くが性欲は全く沸かないのである。
キングはこのことを余り深くは考えていなかった、自分の遺伝子を残そうという気もなく所詮次によりよい転生をするためのポイント稼ぎの世界、捕食するだけの世界だと考えていたのである。
性欲がないことは神が子供を作らせないためにそうしたんだという風に感じている、無論人間に対する罪悪感などもない。
これは直感のようなものだが、イレギュラーな存在は所詮イレギュラーな存在でしかないということである。
現時点でキングの関心があることは配下の増強、食欲、拠点の強化、自身の能力強化である。
これらは突き詰めていくと全て戦力の強化に行き着くのだがそのため現在は精鋭部隊に女を回し、より優秀な配下を産ませようと考えたのだ。
ザンギに任せなかったのはナニがデカ過ぎて少女を壊す危険があったからだ、一人しかいない女で試すにはリスクが大きいので大柄な女でも捕獲したら与えようと考えている。
精鋭部隊の面々が女の檻に近付いていく、ザンギ程ではないがゴブリンの中でも大柄なゴブリン達だ。
檻に近付いてくるのを見て何をされるか分からず少女は震えているようだがゴブリン達には関係ない。
むしろ獲物が怯えることに興奮を得ている風にも見える。
「お前達殺すなよ。」
ーギャギョギャー
女の名前や顔など興味はないし知る必要もない、ただ良質な配下を産み続けてくれればいいのだ。
女の悲鳴が絶叫に変わわる、ゴブリンの生殖活動など興味があるわけもなくキングは檻から離れていく。
集落には女の絶叫だけがこだましていた。
キングは種を残しません、一代限りの能力だと思ってください。
これが受け継がれると人間減少どころか滅びてしまいそうなので…




