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ロリ巨乳狐娘叔父さんオンライン ‐ 美少女妖狐になったけど姪とゲームがしたい ‐  作者: 菌糸雀
第4章 会社をサボって姪と遊ぶゲームは最高に楽しいぞ
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8. 復活の場所


 気が付けば、暗い闇の中にいた。

 あれから僕はどうなった? 確かフォレストウルフに襲われて死んだはずだ。ならばここは……


 硬い地面から起き上がろうとするも、脚に上手く力が入らず立ち上がれない。いや、そもそも地面に手をついて中腰になっているこの状況でも頭の上の狐耳の先端が天井のようなものに触れているので、まず物理的に立ち上がれるほどの高さは無いのだろう。

 仕方が無いのでそのまま四つん這いで移動してみるが、すぐさま壁に行き当たる。どうやらこの空間はかなり狭いらしい。壁沿いに這って歩いてみれば、比較的縦長の密閉された空間であることは理解できた。広さとしてはカプセルホテルの個室ぐらいだろうか。


 恐らく壁際を1周したと思うのだが、出口は見つからない。次第に僕の焦りも大きくなる。早く戻らなければ……

 僕が死んだということは、あの場には姪が1人で取り残されたということだ。それならば次に狙われるのは、間違いなく姪なのだ。

 10歳の女の子が人気のない森の中で3匹の狼に襲われるなど、間違いなくトラウマ物である。かわいい姪をそんな目に遭わせる訳にはいかない。なんとしてでも阻止しなければ。


 だが僕は、死んでしまったのだ。これでは姪を守ることなどできない。僕は叔父として失格だ……と、落ち込むのは後にして今はどうやって姪の元へと早く戻るかを考える。一番無能なのは途中で諦めてしまった者である。僕は姪がまだ持ち堪えていることを信じて、一刻も早く戦線復帰することを目指した。


 でも正直、これもう手詰まりなんだよなぁ。出口は無いし、ここがどこなのかも分からないし。壁の向こうから沢山の人の声らしきものは聞こえるから、薄い壁ではあるんだろうけど……

 あとは状況証拠か。ゲームでプレイヤーが死んで飛ばされる場所といえば、復活ポイント。つまりここは街の教会か何かで、そこの復活部屋的な場所にあたる……のだろうか。こんな妙に狭くて暗い復活部屋、分かりにくくて苦情が殺到するんじゃないかとは思うが。


 そんな風に部屋から脱出することすら出来ずにいたら、時間切れを告げる知らせが届いた。

 まだ戦闘中であればそんな余裕があるはずのない、姪からの個人会話である。


『あんちゃん、死んじゃったけど大丈夫だった?』

『るぅちゃん……ごめんね、僕の方が先に死んじゃって』

『ん、いいよ別に。あたしがなかなか敵倒せなかったせいでもあるんだし』


 ヤバい、涙が出そうだ。自分の不甲斐なさもあるのだが、何よりもそれを許してくれる姪の優しさが尊い。このぐらいの歳の子供であれば責任を全部他人のせいにしてもおかしくはないだろうに、なんと人間性の出来た大人な対応のできる姪なのか。良い子に育ってくれて叔父さん嬉しいよ。


『ところで、あんちゃんどこにいるの? 1人で戻ってこれそう? あたしも一旦街まで戻った方がいい?』

『うーん、どこだろここ……どっかの復活部屋なのかな? るぅちゃん知ってる? ……ってあれ?』

『ん? どしたの?』


 そこで不意に姪の言葉が引っかかった。

 え、街まで戻った方がいいかって……つまり僕と違って死んでないということなのか? もしかして自力であのピンチを切り抜けた? 僕無しで1人で?


『ちなみにるぅちゃんの方って今どういう状況?』

『一旦街まで帰って来たよ。1人で狩ってても仕方ないし』

『じゃあ、さっきまで戦ってた敵は?』

『あんちゃんが死んだあとすぐ倒したよ。なんていうか、あんちゃんの死体? HPが0になったあともしばらく地面に転がってたアバター、あれにしつこく噛みついてて隙だらけだったから、後ろから順番にズバッと』

『マジかよ』


 話を聞いてみれば、なんと姪は僅かなチャンスを見逃さず危機的状況を打破したらしい。その機転は流石である。

 どうしてフォレストウルフたちがそんな行動を取ったのかは知らないが、まぁ所詮はゲームなので別におかしな話ではない。僕が死んだあと体が消えるまで、しばらくの間ヘイト値が残ったままだったのだろう。ただ単に捕食の演出だったのかもしれないが。


 ともかく姪は死んでいなかったため、僕のように謎の暗闇部屋に送られることはなかった。

 ゲームの中とはいえ、姪が死ななかったという結果に僕は内心ホッとする。ゲームだろうが結構リアルに作られてるしな、デカい獣に押し倒されて今にも喰われそうな瞬間とか結構怖かったし。いや僕は全然ビビってないが。とにかくあれを姪に体験させてしまわなくてよかった。

 そう思うとあそこで僕が死んで囮となったのは、最善手ではないにせよ次善の手としてはまぁ良かったのだろう。結果論でしかないが。


『それであんちゃんは今、どこにいるか分からないんだよね?』

『まぁそうなるかな。あ、そうだ。フレンド機能の位置検索で探せたりする?』

『あーなるほど。おっけー、探してみるね』


 ひとまず姪の無事が分かって安心はしたものの、僕がここから出られないことには変わりない。なので外で自由に動ける姪に頼んで、フレンドの位置検索機能を使ってもらって迎えに来てもらうこととなった。

 戦闘中だけに留まらずその後まで迷惑をかける不甲斐ない叔父で申し訳ないが、こればかりはもうどうしようもなかった。


『えーっとあんちゃんの現在地は……プリミスの教会かぁ』

『じゃあやっぱりここが復活部屋なのかな? それとも座標がズレたとかか……?』

『とりあえず行ってみるから待っててね』

『うん、お願い。ごめんね、迷惑かけちゃって』

『いいのいいの、気にしないで。あたし一人っ子だしさ、なんかこういうのって迷子になった妹とか探してるみたいで楽しいんだよね』

『その例えはなんか違くない? 見た目はまぁ身長なら今は僕の方が低くなったけど、妹っていうのはなんかこう……もうちょっと別の言い方ない?』

『じゃあ迷子のペットで』

『違うそうじゃない』


 なぜ僕は年下の妹かペットの狐としか見られないのか。僕これでも叔父なんだが。

 いやでも正直ペットはアリ……待て待て冷静になれ、道を踏み外しそうになってるぞ。正気に戻れ僕。10歳の女子小学生に首輪つけられて散歩させられたい願望なんて捨ててしまえ。いやそんな願望ないけど。無いからマジで。


 そんな煩悩を打ち払いながら姪と僕との関係性についての不毛な議論を繰り広げていたのだが、言い負かされた僕が妹兼ペットというポジションだと結論がついた辺りで姪が教会に到着した。


『んー、位置検索じゃこの辺にいることしか分かんないから、あとは自力で探すしかないか』

『そういえばこのゲームの教会って僕行ったこと無いんだけどどんな感じなの?』

『なんかね、教会って感じだよ』

『そりゃ教会だもんね』


 姪による実況ではあまり具体的なイメージが湧いてこなかったが、その言葉から察するに恐らく如何にも教会といった雰囲気の場所なのだろう。


『おっきい十字架とか女神様っぽい銅像があって、あとステンドグラスがカラフルで綺麗だよ』

『なるほど確かに教会って感じだ』

『それからあとは……棺桶?』

『棺桶……? あ、もしかして復活ポイントの目印かな?』

『わかんない、なんか端の方に棺桶が置いて……あっ増えた』

『増えた???』


 姪から風景について詳しい説明を聞いてみれば確かに教会らしい風景がイメージできたのだが、しかし途中から急に怪しくなってしまった。

 棺桶が置いてあるということ自体は別にいい。ゲームの教会なんてそんなものだろう。死者の埋葬とか蘇生までやってるイメージである。

 だが棺桶が増えたとはどういうことだ? 増えるって具体的にはどういう風に増えたんだろうか。訳が分からない。


 そんな風に困惑していると、壁越しの近い位置で急にガタンという物音と叫び声がした。


「うおおおおおお!? くっそぉ、死んじまったァ!」

『!? な、なんだ?』

『あ、人でてきた』


 薄い壁越しとはいえ、急に大きな音がして驚いた僕は一瞬ビクッとなってしまう。

 とはいえ内容をよくよく聞いてみれば、それはつまり死に戻りしてきたプレイヤーが言った言葉なのだろうというのはすぐに理解できた。


「次は負けないぜ! 待ってろよチクショー! うおおおおおおお!!」


 そして再び、勢いよく叫びながら遠ざかっていく声。ドタドタと足音もするので、恐らく走り去っていったのだろう。なんとも騒がしい男だとは思うが、今の僕にとっては状況を把握できるのでありがたい。


『るぅちゃん、やっぱりここは復活場所のすぐ傍みたいだ。近くに、叫びながら走って行った男の人いない?』

『ん、いた。棺桶から出てきたとこ見たし、たぶん死んだ人だと思う。待ってろよちくしょーって言った人だよね?』

『そう、その人! 僕の位置、多分その人が出てきた場所のかなり近くだと思うんだけど。何か怪しいところとか無い?』

『怪しいところっていうか……あんちゃんが入ってそうな箱ならあるよ』

『えっマジ?』


 偶然にも姪が近くに居る時に分かりやすい出来事が起きたので、それを利用してまずは大まかな位置を伝えて……などと考えを巡らせていたのだが、そんな必要は無かった。姪がもう怪しい大きな箱を見つけたのだという。なんたる鋭い洞察力か。絶対そこの中だわ。


『るぅちゃん、ちなみにその箱の大きさは?』

『えーと大人が1人余裕ですっぽり収まりそうな大きさの……ていうか、棺桶だね』

『うん?』


 あ、これは流石に違うかな?

 姪の言葉は可能な限り無条件で信じる僕だが、流石にこれは違うのではないかと思った。というのも、中で歩き回った感じ、棺桶よりは遥かに広いと感じたからである。ていうか本当に棺桶ならば狭いので寝ていることしかできないだろう。視界が完全に闇なのであくまでも感覚でしかないが、それよりはもっと広々としているのだ。


『だってさ、さっき男の人が出てきた棺桶はすぐに消えちゃったんだよね。それってつまり、さっきからずっとある方の棺桶には誰かが中に入ってるってことでしょ?』

『うーん……実際にその場を見たわけじゃないからよく分かんないけど、それは普通に置物なんじゃないかな? 感覚的に、棺桶よりはもっと広々としてるよ』

『そうなの? でも、あんちゃんなら小さいから余裕かなって』

『確かに小さいと言えば小さいけど、それでもるぅちゃんと大差ないからね?』


 あまり上手く意思の疎通が取れてないが、この広さの感覚をどう説明すればいいだろうか。カプセルホテルだとか姪に言っても伝わるかどうか微妙だし。何か良い例えは……あ、でもゲームだし見た目より中が広くてもおかしくはないのか……?


『まあ、とりあえず中身調べてみるね』

『うん、おねがい』


 まぁ、僕が何を考えたところで現場の判断に勝るものはないだろう。それに他に怪しい場所なんかが一目で分かるわけでもないのなら、しらみつぶしに調べていくしかないし。

 ――などと期待せずに待っていると、唐突に上から光が差し込んできた。


「あ、やっぱり。あんちゃん入ってた」

「コンッ!?」


 しかしそんな僕の予想は外れることとなった。姪が棺桶を開けると、中にいたのは僕だった。唐突に開いた天井、そしてそこに現れた大きな姪の姿に思わず驚きの声を上げ……コン? コンって言ったか僕?


「待たせてごめんねー! あーかわいいーっ!」

「コン!? コンコンコャンコャン!」

「うんうん、1人で閉じ込められて寂しかったよねー。よしよしもう大丈夫だからねー」

「コン……!?」


 僕は状況が飲み込めないまま困惑していると、さも当然のように姪の手に抱き上げられてその胸で撫で回されていた。

 どうやら今の僕は、いつの間にか≪獣化≫を使った時のような狐の姿になっていたらしい。道理で棺桶の中が広く感じるわけである。それに普通の人間の身体なら自力で(ふた)を開けて出てこれたところを、僕は狐なので開けられなかったと言ったところか。まず天井を開けるという発想にならなかったが。


 ともあれこのままでは埒が明かないので、普通に口で喋る通常会話から思念で会話する個人会話に再び切り替えて姪と意思の疎通を行う。


『あ……ありがとう、るぅちゃん! とりあえず戻るね!』

「ん、もう戻るの? あたしは別にここでもう少しゆっくりしてても……」

『≪人化≫!』

「えっ? わっ!?」

「あっ!?」


 どうして狐になっていたのかは分からないが、このまま狐の姿でかわいがられていれば姪のペットという地位が盤石たるものになってしまう。そう思った僕は急いで元のロリ巨乳狐娘の姿に戻ったのだが……しかしその判断は焦りすぎていた。なにしろ今僕は、姪の胸に抱えられているのだ。そんな状態で急に人の姿になればどうなるかと言えば。


「っとと……セーフ! あぶないあぶない、もーっ急に変身するから落としちゃうとこだったよ!」

「ご、ごめん……あと降ろして」


 一瞬にして質量を増した僕の身体を、まだ幼い姪の細腕では支えきれず……とはならなかったものの、結構危ないところだった。ゲームのステータス補正が無ければ無理だったことだろう。

 いや、それはまだいい。無理だったら無理だったで僕が地面に叩きつけられていただけである。むしろ支えられてしまった今の状況の方が、僕にとっては問題なのであった。


「んー、でもさ。これってアレじゃん、お姫様抱っこ」

「うん、だからこそ降ろして?」


 そう。僕は今、姪にお姫様抱っこをされているのである。


「えへへー。前にあたしが居間で寝ちゃった時とか、あんちゃんがベッドまで運んでくれたこともあったけど。今は逆だね」

「うん……まぁ、そうだね」


 今は逆だというその姪の言葉に、僕は歯切れの悪い言葉で返した。逆だということはつまり、今は僕が20歳年下の姪に小さい子供として扱われているということなのだ。これは大人の男として結構、精神的に来るものがあった。


 ……あとそれと、本来の歳の差を考えれば姪にお姫様抱っこされるようなこの状況は介護か何かの時まで無いだろうと思っていたので。

 僕としては気恥ずかしさもあるのだがどちらかといえばその辺りを連想してしまい、なんとも複雑な心境なのであった。


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