7. ユニークスキル
僕たちとチンピラの釣り場所を賭けた決闘3本勝負、第1回戦。
相手はトゲトゲがついた肩パッドを身に着けた、厳ついマッチョなチンピラ大男ことクッズ。対するは猫耳と2本の尻尾を持ち、白いスク水に身を包んだ海仕様の猫又ミィ。
これからの流れを決める大事な初戦が、今まさに始まった。
「先手はオマエにくれてやるにゃ! かかってくるのにゃ!」
「グェヘヘヘ……慌てんなよ嬢ちゃん、まだ決闘の申請を承認してねぇじゃねぇか。まずはメニュー画面を開いて、俺様からの申請を受理してもらわねーことには戦えないぜ。こういう街中での決闘なんてのは、ちゃんとした手続きと双方の合意があってこそのものだからな。いきなり暴れ出したら他のプレイヤーの迷惑にもなるし、キチンと決闘エリアを展開して周囲に告知することは大切なことなんだぜ。よく覚えときな」
いやまだ始まってなかったわ。
ていうかなんだよこのチンピラ、メチャクチャ丁寧にルールとマナーのこと教えてくれるじゃん。市役所の職員とかよりよっぽど親切だぞ。絶対こいつゴミクズ三人衆なんて呼び方似合わないだろ、見た目以外。
「うにゃ、その辺の手順はすっかり忘れてたのにゃ。この『承認』ってボタン押せばいいんだったかにゃ?」
「その通りだが……おっと、もう押しちまったのかァ? グェヘヘっ、ダメだぜェこういうのはちゃんと内容に目を通さないとよぉ! このゲームの決闘は、ハンデを付けたり一方に有利なルールだって設定できちまうんだからなァ!!」
「にゃっ!? まさかハメられたのにゃ!?」
「いや、決闘のルールは俺様が無難でフェアなものを選んではおいたんだがな。一応確認してもらいたかったってだけだ」
そこは罠にハメるとこじゃないのかよ。あからさまに悪人な見た目と態度から、たまに真面目な良いヤツになるのマジでやめろ。認識がブレまくって脳がバグるだろうが。
……いや、むしろここまでくると善人なのがデフォなのでは? 僕が勝手に見た目からチンピラだと判定してるだけで、実はただ決闘を挑んできただけの善良な市民だったりする? 人は見た目で判断しちゃダメって言うもんな。僕だってロリ巨乳狐娘なのは見た目だけだし。
「あ、見てあんちゃん。なんかバリアみたいなの出てきたよ」
「あれが決闘エリアってやつなのかな?」
そんなこんなでクッズの言動に翻弄されていると、ミィが承諾したからなのか半透明な円柱状のバリアが現れた。
その範囲は直径10メートルほどで、周りを取り巻く野次馬がちょうど入るか入らないかといったところ。何人か巻き込まれてしまっていたが、すみやかにエリア外に移動していた。通り抜けは自由なのだろうか。
「なんだぁガキ共、決闘を見るのは初めてかァ!? そのエリアは決闘の舞台でなァ、参加者以外の退避が済んだら誰も出入り出来なくなくなるわけよォ! 今みてーに通り抜けることは出来なくなるわけだから、自分の出番の時には気を付けるんだなァ! ギャハハハァッ!!」
「クフフ……流れ弾や外野の妨害があっては大変ですからねぇ」
「へぇー。そうなんだぁ!」
と、僕たちが初めて見る決闘エリアを眺めていたら、ちょうどモヒカンとロン毛がさりげなく解説してくれた。
やっぱりお前ら、ガラの悪さに対して良いヤツすぎない? チンピラにしては親切すぎるんだが。姪も完全に警戒心ゼロだし、僕ももう気を張るだけ無駄な気がしてきた。
『3、2、1……ファイッ!!』
「あ、始まった」
それはさておき、どこからともなく響き渡るレフェリーの声が決闘の開始を告げた。今度こそ間違いなく始まったようなので、エリアの中心付近で向かい合うミィたちの方へと意識を向ける。
「いくぜぇ! ≪ウォークライ≫!」
「かかってこいにゃ!」
勝負が始まったと同時、最初に動いたのはクッズだった。まず自己強化スキルの≪ウォークライ≫を使い、そしてミィが相変わらず待ちの姿勢だったので両手のメリケンサックを振りかざしながらそのまま襲い掛かる。
このLROはリアルでの実生活の中での行動によっても多少の経験値が入るという仕様上、ああいう見るからに普段から身体を鍛えてる感じのプレイヤーは『筋力』のステータスも高い傾向にあるのだ。それを戦士系のジョブで鍛えた能力値に上乗せして、更にスキルで強化した今。もしかするとあの屈強そうな見た目の通り、素手のミィでは勝負にすらならない可能性も――
「オラにゃあッ!!」
「ぐほぁあっ!?」
あ、全然そんなことなかったわ。むしろミィがカウンターで殴りつけ、クッズのHPをワンパンで4割ほど消し飛ばしていた。え、無理ゲーじゃねこれ?
やはりというかなんというか、ミィは強かった。武器すら使わず、実質的な消費MPも無しでこれなのだから≪剛体≫のチートスキルっぷりである。僕だと流石にあそこまで強くならないのだが、そこは慣れなのだろうか。
「す、すげぇ……」
「え? なんだ今の」
「猫又ちゃん強っ!」
「攻撃モーション全然見えなかったんだが?」
「ダメージがえげつねぇ」
「チンピラの方も動きは悪くなかったのに……見切って一方的に殴れる猫又ちゃん何者だよ」
「うわ、ようじょつよい」
これにはギャラリーもドン引きであった。まぁ気持ちは分かる。子供相手と油断して喧嘩を売ったらこんな化け物が相手だったとか、当人にすれば理不尽すぎるからな。とはいえ見た目で油断する方が悪いというか、そもそも子供相手に喧嘩を売るなって話ではあるが。
「おぉーミィちゃんつよい!」
「ミィちゃんが強いのは知ってたけど、ここまで飛び抜けてたんやね……」
「うん。これなら問題なさそうだね」
「クフフ……それはどうでしょうねぇ」
「なにっ」
と、ミィのワンサイドゲームを予想してすっかり安心しきっていた僕たちだったが、しかしチンピラチームのロン毛が口を挟んできたことで緊張を強めた。
仲間がここまで力の差を見せつけられていてもなお、この自信満々の様子。間違いなく敵は何か、僕たちが予想もしていないような隠し玉を持っているに違いない。
そんな僕たちの様子を見てから、不敵に笑いながらロン毛は言葉を続けた。
「クフフフフ……このゲームはオリジナルスキルの習得などが評価されている一方で、一部の客層からはクソゲーと評されている部分も多少なりともありましてねぇ」
「……いきなりなんの話だ?」
急にゲームの評価の話をし始めてどうしたんだ? 僕としては姪と一緒に遊べるってだけで神ゲーだから、他人の評価なんて関係ないのだが。
などと思いながら聞いていれば、だんだんと話が妙な方向に進んでいく。
「オンラインゲームだというのに、全てのプレイヤーに対して平等ではないのですよ。全くの無条件ということはないにせよ、現実世界からスキルを持ち込めてしまう……それはすなわち、リアルでの強者がゲームでも強者になりやすいということ。ならば――リアルでもゲームでも身体を鍛えているクッズが、あの程度で終わるわけが無いんですよねぇ!」
「まさか……!」
「ギャァハハハァッ! やっちまえクッズ、テメェの真の力を見せてやりなァ!!」
そしてロン毛の不穏な前置きからモヒカンのセリフで確信へと繋がり、慌てて戦闘中の2人の様子に視線を戻せば――そこには全身に闘気を滾らせて、ただでさえ巨体の大男が更に筋肉を膨張させて重圧を放っている姿があった。
「コイツは俺様のユニークスキル≪鋼の肉体≫。グェヘヘヘ、悪いがこっからは本気で行かせてもらおうか」
「何にゃ……?」
なっ……あいつ、手加減してたっていうのか? 一気に変わった雰囲気に、思わずミィも警戒して気を引き締める。
その筋肉が放っている気配は、魔力や妖力ではなく純粋な筋力。だがしかし、それだけで超常の力をも打ち砕けるとでもいうような圧倒的な存在感がそこにはあった。まさに鋼の肉体。鍛え上げた身体こそが最強という、シンプルな極致。
「ねぇあんちゃん、ユニークスキルってなに?」
「それは……えーと」
そんな場の緊張感などお構いなしに、気になった言葉について質問してくる姪。知的好奇心の塊かよ、勉強熱心でえらい。
しかし問題なのは、僕がその答えを持ち合わせていないということ。
ぶっちゃけこのゲームに関しては、僕も姪に合わせて攻略情報とかほとんど見ずにやってるわけだからな。実はそれほど知識に差はなかったりするのだ。
ただまぁ長年のゲーマーとしての知識と経験の蓄積から、言葉のニュアンスで判断することは出来るが……どうしよう、姪に適当なことを言うわけにもいかないし。あくまでも推測という前提から話すべきだろうか?
などと一瞬考え込んだ僕の様子を見てか、モヒカンが得意気な表情で下品な笑い声を上げた。
「オイオイ、『ユニークスキル』も知らねェのかァ!? ユニークスキルは通常の武器スキルや職業スキルとは別分類の特別なスキルでなァ! 主に専用のクエストや特殊な隠し条件の達成で習得できて、強力な効果を持つものがそう呼ばれてるわけよォ! これの有無で強さの格が一段階変わってくるから気を付けるんだなァ、ギャハハハハハッ!!」
「ええっ!? そうなの!?」
うん、丁寧な解説ありがとう。相変わらず雰囲気以外はただの気が利く良いヤツなんだよなぁ。
概ね言葉の響きからの予想通りではあったが、単なる自分の中での推測と他人から教えてもらったキチンとした情報では雲泥の差があるからな。今すぐ正確な情報を調べる時間もなかったし、この解説は素直に助かる。
しかしその意味から察するに、ミィの≪剛体≫もまたユニークスキルではあるのだろうけど……だとすれば少々マズいかもしれない。
なにしろ相手もユニークスキル持ちだということは、これで条件が互角ということ。既に一撃入れたというアドバンテージはあるが、全力を出した敵の本来の強さによってはこのまま逆転負けすらしかねない。こんなチンピラみたいな登場の仕方で、まさかそんな強力なスキルを持ってる猛者だったとは。完全に油断していた。
「俺様がゲーム内でも死ぬほどキツイ徹底的な筋トレを毎日続けることによって習得できたこのユニークスキル、こいつは相当なモンだぜぇ……!」
「そんなのただのハッタリにゃ。筋肉に力を込めたぐらいで、一体どれほど変わるっていうのにゃ?」
「グェヘヘヘ……俺様はこう見えてダメージ計算が得意でな。この≪鋼の肉体≫によって俺様の物理攻撃力と物理防御力は大幅に上昇! テメェみたいな子猫の猫パンチ如きじゃあ、さっきの半分程度しかダメージは通らねぇと思いなァ!」
「なっ……ダメージを半減だって!?」
「それってつよくない?」
「かなりのもんやね」
そして得意気に自分の能力を語るクッズの言葉に、僕たち観戦組にも驚きが走る。
物理ダメージが半減されるとなれば、他の攻撃手段を持たない純物理職にとっては非常にやりづらいはずだ。
僕なら≪狐火≫での魔法戦に切り替えれば良いだけの話だが、大抵のプレイヤーは物理か魔法どちらかしか鍛えていないことが多い。しかも防御だけでなく攻撃力も上がるとなれば、手強いことこの上ないだろう。
「ただし問題があるとすれば! 殴られた時のダメージがデカすぎて、半減したところで俺様に勝ち目が無さ過ぎることだがなァ!! うおおおおおおお!!」
「オラにゃっ、くらえにゃっ! これでっ、トドメだにゃあっ!」
「グェヘヘボァアッッ!?」
『大竹ミィ Win!』
しかしながら当然のようにあっさりと勝負はつき、レフェリーの天の声が高らかに勝者のキャラクター名を宣言した。
まぁそうなるわな。知ってた。
なにしろ未強化状態では、実にHPの4割ものダメージを受けたのだ。それを半減したところで一撃あたりのダメージは約2割。倍の回数の攻撃が必要になることや当たり所を考慮しても、ミィが4、5発ほど殴ればそれで終わりである。
ましてや強化しても速度差を覆せていなかったようなので、結局のところクッズの攻撃は1発たりとも掠りもしなかった。≪剛体≫の仕様上、攻撃を受ければ受けるほど出力が落ちて弱体化していくのだが……ミィの回避力が相手だと、最初の一撃がまず無理ゲーでは?
まぁミィ自身もその辺は分かってるからこそ全部避けてるんだろうけど。いやその弱点が分かってたとしても、実際に全部避けれてしまうのはどうかと思うが。身体強化のスキル持ちなのに、素の速度でさえ速すぎなんだよ。
「にゃははははっ! ミィの勝ちだにゃあ!!」
「おぉー! ミィちゃんすごい!」
「完全勝利やね」
ともあれ、これは団体戦。幸先のいいスタートということに変わりは無いし、味方が強すぎる分には問題ないだろう。これが敵だったら文句言うけど。
「す、すげぇ……」
「猫又ちゃん強すぎない?」
「ユニークスキル持ちをあんなにあっさりと……」
「なぁいま大竹って」
「ノーダメ勝利ってマジかよ」
「なにアレそこらのボス敵より強くね?」
「かわいい上に強いとか弱点なしかよ」
「大竹……?」
外野もドン引いているあたり、やはり誰が見てもミィは強いらしい。よかった……これで相手が弱すぎるだけでミィは普通とか言われてたら、ミィほど強くない僕の立場が無いところだった。
ていうかちらほらと気にしてる観客もいるし、やっぱり本名をキャラ名に使うのはどうかと思う。公衆の面前で思いっきり叫ばれてるじゃねーか。そもそもキャラ名って、設定で表示をONにしたら頭上に出て来るやつだし。
いや実際に聞いて確かめたわけじゃないから本当に本名なのかどうかは分からないけど、まぁミィのキャラ名の話題を出した時のケントさんが「察してくれ」みたいな表情だったから、つまりそういうことなのだろう。
とはいえ最近じゃ無許可の身辺調査とかって普通に犯罪扱いだし、リスクを考えれば流石に特定まではされないと思うけどさ。決闘相手のチンピラ3人組も、そういうことはしなさそうな奴らだし。
「ギャハハハハッ! 派手にやられちまったなァ、クッズ!」
「面目ねぇや、これ以上ないくらい強敵だったぜ」
「クフフフ……面白くなってきましたねぇ。次は私が行かせてもらいましょうか」
「おう、行ってこいカース! くれぐれもコイツみたいに無様に惨敗すんじゃねェぞ? ギャハハハッ!」
「グェヘヘ、そりゃないぜゲドー」
「ギャハ……あ、悪ィ流石に言い過ぎたわ。ゴメンな」
「気にすんなよ、その辺は冗談って分かってるからよ。それよりカースの応援しようぜ」
「ギャハハハハァッ! やっちまいなカースゥ! 1勝1敗に持ち込んで良い感じの試合展開にしちまえェ!!」
「グェヘヘヘヘェッ! 相手は子供だ、怖い目に遭わせないよう一瞬で決めちまいなァ!!」
やっぱ基本的に良いヤツなんだよコイツら。試合展開や相手への気遣いなんて、こっちは一切考えてなかったぐらいだぞ。
なんならこれって下手したら、こっちが負けてもなんだかんだ理由をつけて釣り場所譲ってもらえるやつでは? まぁやるからには勝つけど。
あと一瞬だけ素に戻るのやめろ。お前らチンピラじゃなくなったら、ただの仲良しトリオになっちゃうから。
「よーし、次あたし!」
「頑張って、るぅちゃん。応援してるよ」
「無理せんでええからね」
さて、第2試合はいよいよ姪の出番である。
すなわち本日のメインイベント。実質大将戦。凛々しくも可憐に決戦場に立ったのは、花柄の水着にマントや麦わら帽子などを装着した自慢の姪。かわいい。もう一度言う。かわいい。
「クフフフフ……かわいいお嬢さんですねぇ。ですがこちらは既に1敗してるのでねぇ、残念ながら手加減はできませんよ?」
「ん、大丈夫! あたし負けないから!」
対戦相手となる目付きが悪い長身のロン毛を前にしても、自信満々に言い放つ勇敢な姪。かわいい。
しかも麦わら帽子の穴から飛び出た狼耳をピンと立て、がおーとかわいく威嚇したではないか。なんだこのかわいい生物。あまりにかわいすぎて、戦う前から僕の呼吸が荒くなってしまいそうだ。最高かよ。
「次はるぅが出るのにゃ? あ、アンもこれ食べるにゃ?」
「ごめん今はるぅちゃんの応援に集中したいから後で……ちょっと待って、今お菓子感覚でくれようとしたやつ何?」
「アジだにゃ。勝ったお祝いにって、観客の釣り人から貰ったのにゃ。いま要らないならミィが全部食べるけどいいのにゃ?」
「要らないが?」
……いや、そんな横からスッと生魚を差し出されても食べないが?
ていうか姪の方に集中しすぎてて、危うく確認せずに一口だけ貰ったりするとこだったわ。断ってよかった。何らかの棒状のお菓子だと思って食べたら生魚とか、ビックリしすぎて姪の応援に支障が出るレベルじゃん。
なんて巧妙な嫌がらせ……ってわけでもないのか。ミィ自身は普通に食べ始めたしな。なんだろう、この価値観の違い。生魚じゃなくて刺身スティックとかそういうノリで食べてるんだろうか。まぁミィだしな。あんまり何でもミィだからで片付けるのもどうかとは思うが。
ともあれ、そんなことはどうでもいいことである。
今はとにかく、姪の戦いを応援することが最重要任務なのだ。僕は再び姪の方へと全ての意識を向けながら、録画アプリと静止画撮影機能を起動する。かわいい姪の勇姿を、直接目に焼き付けつつも記録に残すのだ。
「あ、そうだ」
「んん? どうしました?」
と、今にも戦いが始まりそうな状況であったが、不意に姪が振り向いてこちらへと近付いてきた。
いや、始まる寸前ってわけではないか。まだ決闘フィールドが展開されてないわけだし。しかし姪はどうしたんだろう。何か忘れ物だろうか。
「あんちゃんパワーチャージ! ぎゅーっ!」
「おっ……おおぉっ!?」
すると姪は何を思ったのか、突然僕に抱き着いてきたではないか。なんという幸福。こんなこと許されていいのか? いいのだ。僕は叔父なので。
「よしっ、これでおっけー! じゃあ行ってくるねー!」
「う、うん! 頑張って!」
大好きな姪に抱き着かれた僕は、あまりの興奮から思わず尻尾がブンブンと左右に振られてしまう。おそらく確実にパーカーの裾が捲れて水着が見えてしまっているだろうが、そんなこと全く気にならないほどに僕は高揚していた。僕の方にも姪パワーが満ちているのを感じる。今なら誰にも負けないだろう。
なお、抱き着きながら明らかに左右の手でそれぞれ僕の狐耳と尻尾を撫でていたので、正確には僕自身ではなくモフモフこそがあんちゃんパワーの正体ではあるのだろうけど。
細かいことは気にしないことにして、周りの目など気にせずに大興奮で姪にエールを送ったのであった。




