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誓いのキスなんだが?

 あれ、ここは……?

 綺麗なシャンデリアに赤く長いカーペット。

 左には神父。

 右には会場を埋め尽くすほどの民たち。

 もしやここは……!


「ロジカルファンタジーの結婚式上ではないか!?」


 ロジカルファンタジーには結婚システムというのが存在し、結婚した相手とダンジョンに行くと、普段よりも火力が出たり、エリアボーナスを受け取ることができるのでござる!

 正面には白いレースを被ったシャルロットたんがいた。


「おおっ……!!おおおおおっ……!!」


 感動のあまり、声が漏れる。

 いかんいかん!

 今日がシャルロットたんとの大切な記念日となるでござる。

 しっかりせねば……!


「隆様……」


 シャルロットたんがか細い声で僕の名前を呼ぶ。


「な、なんだい……!?」


「私、綺麗ですか……?」


 今のシャルロットたんは綺麗という言葉で片付けられるものではなかった。

 とても美しく、見惚れてしまうほどに。


「すごく……綺麗だよ……」


 僕は一言そう言った。


「そうですか。それはとても嬉しいです」


 シャルロットたんはにっこりと微笑んだ。

 その微笑みに僕もつられて笑顔になる。


 いやあ、とうとう拙者たちも結婚でござるか。

 ここまで長かったでござる。

 今までがとても幸せに感じる。

 沢山の敵と戦ったり、たくさんの服を買ってあげたり、とにかく幸せだった。


 だが、まだまだ拙者たちの恋物語は始まったばかり!

 これからも拙者はシャルロットたんを幸せにすると誓うでござるよ!


「それでは新郎、花嫁に誓いのキスを」


「はい」


 シャルロットたんは目を(つむ)る。

 僕はシャルロットたんの肩を両手で掴み、目を瞑り、口を尖らせて顔を近づかせる。


 シャルロットたんと口づけ……

 シャルロットたんと口づけ……


 ムヒッ!

 ムヒヒヒヒヒッ!


 その距離、わずか5センチ。


 はぁ……


 はぁ……


 はぁ……


 はぁ……


 シャルロットたん……


 シャルロットたーーーーーん……!!




「あの、団長……そういうのは……困ります……」


「え?」


 図太い男の声。

 あれ?

 シャルロットたん?

 その声は可愛らしさ溢れ出すシャルロットたんの声とはかけ離れていた。


 僕は恐る恐る目を開けた。


「いやあああああ!!」


 そこには顔を赤らめ、目を逸らしているムキムキがいた。

 僕は絶叫してその場で失神した。


「団長……!!団長……!!」


 ていうか、もう少しでシャルロットたんと愛のちっすができたというのに……!!

 夢でもいいから奪いたかったぜ、その唇。


「お前ら、さっさと支度しろ。この後、すぐにバスで移動するからな」


 伊集院の声で再び目覚める。

 そういえば、今日は奈良に行くんだったな。


「ふぁ〜あ。おはよう、みんな……」


「ううっ……なんか、長いこと寝ていたような……」


 上条と山田も目を覚ます。

 ていうか、伊集院が僕らを起こすなんて意外だな。

 ただの合理主義者だと思っていたがそうでもないのか?

 いや、僕らが起きなかったら連帯責任で自分まで怒られると思っただけか。

 まだこいつの考えが読めない。

 この修学旅行でこいつのことを理解できる時が来るのだろうか。

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