今回は流石に死んだかもしれないんだが?
僕は震えていた。
今からこいつらを倒すだ?
なーに、馬鹿なこと言っちゃってるんですか、この携帯は……
だが、僕に選択肢はない。
ここで倒すしか……!!
「おい、そこの五匹のプランクトン。ちょっと面貸せや」
プランクトンとは、水中や水面に浮遊して水の動きのままに生活する水生生物のことで、ケイ藻などの植物プランクトンとミジンコのような動物プランクトンとがあり、大きさはミクロン単位のものからクラゲのようなものまであるらしい。
なぜ僕がこの五人をプランクトンと言ったかというと、髪型のリーゼントをプランクトンと一種だと勘違いしてしまったからだ。
いやあ……かっこよく決まったねえ〜、僕。
はい、じゃあ皆さんもご一緒に〜。
さん、はい!
隆様かっこい――
「ああぁん!?」
「あ、すみません……」
五人は思いっきりこちらを睨みつけ、威嚇を始める。
やばい……拙者、大ピンチでござる……
「おい、リーダー!こいつからぼこしちまおうぜ!」
「俺らを侮辱した罪、償わせてもらおうか!爺さんもこい!」
一番柄の悪そうなの男は、爺さんを喧嘩の観覧をさせようとしていた。
「え、わしも……?」
あ、やべ。
ボコされる。
だが、これは何処かで見守っているシャルロットたんにかっこいい姿を見せられるのではないだろうか。
もちろん、こいつらに勝てればの話だが。
とはいえ、僕はロジカルファンタジーランキング1位の男!
こんなところで負けていたら、ロジカルファンタジートップの恥だ。
「上等だ。表に出な」
僕はかっこよくそういい、僕とヤンキー五人組、そしてお爺さんはコンビニを出て、外の駐車場へと足を運んだ。
あれから10分が経過した。
「おらおら!強いのは威勢だけかよ!!」
「いいサンドバックじゃねえか!!」
「こいつ、よく見たらいいケツしてんなあ!!」
案の定、ヤンキー五人組にボコボコにされた。
体からは血を流しており、傷だらけだ。
今回ばかりは流石に死んだか。
「少年……!?」
爺さんはこちらを心配そうに見つめる。
だが、今までだってなんとかしてきた。
なんとか?
それは全部、僕の力だったか?
天空城の下着の匂いを嗅げたのも、鉦蓄を倒せたのも、全部、他の人の力を借りたからじゃないか。
情けない。
だが、今はそれでもいい……
誰か、助けてくれ……
僕はまだ死にたくないんだ……
救世主……
救世主……
救世――
「隆さん!?何処にもいないと思ったら、何してるんですか!?」
救世主ーーー!?
そこには、片手でレジ袋を持ったもどきがいた。
いや、こいつじゃ無理だ。
男五人に女一人が叶うわけがない。
「あいつ、お前の知り合いか?」
ヤンキーの一人が僕に聞く。
やめろ……
それだけは……
「もどきにだけには……手を……出すな……」
口からは吐血もしている中で、かすれた声で言う。
「出すなって言われて出さねえ馬鹿はいねえんだよ!!」
僕は今、横たわっている。
目の前には靴が近づいているようにも感じた。
「うはっ!!」
その靴――いや、その蹴りが僕の顔に直撃した。
意識が朦朧とする中、もどきが近づいてくるのが見えた。
「おい、姉ちゃん。よく見たらいい体してんじゃねえか!俺と今夜ヤんね?」
「隆さんに……何するんですかーーー!!アクセルエフェクト!!」
もどきは謎の技名を叫び、男たちに向かっていった。
アクセルエフェクトって、ロジカルファンタジーの技……いや、今はそんなことはどうでもいい!
なんなんだ、あの速さは……!
人間とは思えない速さで一人の男の目の前にいき、肘で攻撃した。
その男は一瞬にして白目を向き、その場で倒れた。
「な、なんだあの女……!?」
「女だからって構うな……!!野郎ども、やっちまえええ!!」
残りの四人は、もどきに向かって走り出した。
なんかもう、あいつらがやられる未来しか見えないんだが。
「ブレイクダンス!!グリントフォード!!ギガントストライク!!バーストアサルト!!」
次々と技名を言って、華麗なる踊りで倒したり、連続で相手を殴りにかかったり、力一杯殴ったり……
それも、どれもロジカルファンタジーの技ばかりだ。
こいつって、こんなに強かったっけ……
「うっ……」
僕は立ち上がり、男たちの顔を確認した。
男たちは全員、気を失っていた。
なんか、こいつらがかわいそうになってきたな。
なんか……ごめん!
かっこ笑かっこ閉じ。
スマホからは副業達成を知らせるアラームが鳴った。
開いてみると、やはり(副業達成)と書かれていた。
なんか、疲れたな……
「もどき、助かった。お前がいなかったら死んでただろう」
「い、いえ……隆さんのため……ですから……」
もどきは顔を赤く染め、目を逸らした。
なんだ、こいつ。
熱でもあるのか?
あ、そういえば爺さんのことを忘れていた。
爺さんのいた方向を向く。
「爺さん、片付い――って、あれ?」
爺さんはおらず、どこかへ消えていた。
礼の一つぐらい言えよ。
僕は何もしてないが。
「帰ろう」
一言そう言い、家に帰ることにした。
まさか、もどきにあんな力があったとは思わなかった。
それも、人技ではない。
後から聞いた話だが、武術を習っていた経験はなく、ロジカルファンタジーで力をつけたとか、魔法はこの世界では使えないが、体術なら使えるだとか訳のわからないことを言っていた。
あれ?
そういえば、何かを忘れているような……
――自宅――
「ロジカルファンタジー特集買い忘れてたあああああ!!」




