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恋バナなんだが?

 ――女性陣の部屋――


 今この部屋には、ちゃんと七人全員が揃っている。

 シャルロットたちが部屋に戻ると、そこには赤城と加賀がいた。その後、二十一時ちょうどくらいには途中でいなくなった美沙も部屋に戻った。

 二十一時も過ぎ、廊下の電気は消え、旅館内は就寝時間となる。一堂は各自布団を敷き、トランプで遊んだり、おしゃべりをしたりしていた。


 そんな中、上条からの電話。そこからはシャルロットが少し離れたところにある窓辺付近の椅子に座り、一人、RISEで隆とやりとりをしていた。

 他の六人はこのことを知っているが、シャルロットは「気にせず楽しんでください!」と言ってくれたため、ここはシャルロットに任せることにした。


「上がりー!」


「加賀ちゃん強い! じゃあ私も……上がりー!」


「うわっ!」


 加賀、美沙、赤城の三人はトランプで遊んでいた。王道のババ抜き。美沙は最後の一枚を赤城から取り、上がった。

 そこそこ動けるようになった加賀。三人は楽しそうにしている。


「ねえねえ、恋バナしよーぜ! こういうの定番だろ!?」


「恋バ――!?」


「私から話せることなんてないぞ」


 一方、その横では昇龍、可憐、天空城が今から恋バナをしようとしていた。ギャルに局長に風紀委員。

 この三人の恋バナなんて、全くどうなるのかが予測が付かない。


「二人は彼氏とかいねえの?」


「いないわよ。忙しい上、男性との出会いなんて全くないし」


「私もだ。格闘家同士で話すことはあるが、なぜかいつも怯えられる。そういう昇龍さんは?」


「一番いそうね」


「あーし? いねえよ。女友達は多いけど、男はどいつもこいつもあーしに話しかけようとすらしねえ」


 彼氏がいるかいないかチェックだが、三人ともいなかった。

 それもそのはず、ちゃんと三人にはそれぞれの理由がある。


 可憐は局長として忙しく、男性と話すことなんてほぼない。

 天空城は男性格闘家をも上回る圧倒的な力ゆえ、誰も気軽に話そうとはしない。

 昇龍もあまりに性格がギャルすぎるかつ、いつもは女友達としか固まって行動していない。

 三人とも顔もスタイルもいいはずなのに、全くそう言った経験がないのだ。


「じゃあよお……気になってる人……とかは?」


「「……っ!?」」


 二人はほぼ同時に動揺し、顔を赤らめる。

 この反応は……


「その反応、さてはいるなあ〜」


 ニヤニヤと揶揄(からか)う昇龍。


「い、いないっしっ!」


「ば、馬鹿馬鹿しい!」


 それを戸惑いながら首を振る可憐と、目を(つむ)りながら口角がガタガタになる天空城。


「いるんだろお〜」


「い、い、いるわけっ!」


「あ、あ、ありえんっ!」


「いるんだろって〜」


「「そういう昇龍さんはっ!?」」


 顔を赤らめ、二人同時に問いただす。聞かれてばかりで自分はどうなのか。

 返事は――


「い、いねえ……し……」


 顔を赤らめて目を(そら)らした。


「「絶対いるっ!!」」


「いねえっつってんだろうがあっ!!」


 そんなこんなで恋バナは繰り広げられていた。

 そんな中、集中して隆からのRISEを見てやりとりをしているシャルロット。その眼差しは真剣そのもの。隆を生かす気持ちは、上条と同じくらい。

 何としてでも隆を生かす。それゆえ、シャルロットも頑張って考えていた。



「何話してるの?」


 美沙が隣にいる三人のグループに声をかける。


「昇龍さんが気になる人がいるという話」


「「うんうん」」


 天空城と可憐は立場的に珍しくも、昇龍を揶揄い始めた。それだけみんな、心を許している。

 それを聞き、テンションが上がる美沙。


「え!? そうなの!?」


「ちげえよっ! まあ、ただの恋バナだ」


「じゃあそうなんじゃん」


「だからちげえってっ!」


 もはや何を否定しているのかが見ていてわからなくなってくる。


「恋バナ……よし、混ざろう!」


「混ざろー!」


「混ざろー」


 加賀の一言で他二人もまざると言い出した。加賀は思いっきり手を挙げると、それに続いて二人もグーで拳を上に上げる。


「お前らテンションたけえな……」


 こうして、六人の女子による恋バナが始まる。

 そして、こういう場面で大体初めに話題を切り出すのは決まって加賀。当の本人は百合属性だが。


「じゃあ、どういう人が好みか! まず私から! 可愛ければ誰でもオッケー!!」


「……」


 全員の冷たい視線が突き刺さる。


「そんな目で私を見ないでよっ!」


「どしょっぱつからあんた決めすぎなのよ」


「可愛ければって、じゃあその人がとてつもない極悪人だったらどうするんだ?」


「どうせ私よりは強くないんだし、わからせちゃう!」


 もしも相手がめちゃくちゃ顔がいいが、とてつもない極悪人だとする。それを捕まえるのが、正義執行管理局。

 可憐には多少劣る(おと)ものの、加賀の力ならば、大体の犯罪者を捕まえることが可能。

 そして捕まえたあと、顔のいい極悪人かっこ女性かっことじは、圧倒的な力を持つ、加賀にされるがまま……


「わからせって何?」


「知らなくても生きていけるから気にしないで!」


「わかった!」


 あえて説明しないのもまた、加賀クオリティ。


「指名制でいこう! じゃあ次は赤城!」


「ええっ!? 私!?」


 加賀はすぐ隣にいる赤城を指名。赤城は……


「私を好きになってくれれば誰でもいいです」


「……」


 全員の冷たい視線が突き刺さる。


「私は加賀と違いますので、とりあえず皆さんはその目はやめてください。悪の場合は正義執行管理局の名に掛けて断罪するのみです」


 赤城の好みは、自分を好きになってくれる人。

 自分から好意を向けることはあまりなく、アプローチをされれば簡単に了承してしまう。

 もちろん、誠実な人限定。しかし、もしその人物が悪に染まるようなことがあれば、彼女の愛剣エレメンタルソードが……!


「まあ、私には加賀がいますので、席はすでに埋まっていますが」


「赤城いっ!」


 加賀は赤城に思いっきり飛びつき、もみくちゃになる。


「ちょ、引っ付かないでくださいっ!」


「ほんっと二人仲良いよなあ」


「まあ、バディ……ですかっらっ!」


「ふぎゃっ!」


 めちゃくちゃくっつきたがりの加賀の顔を手で押し退()けた。


「では、昇龍さんお願いします」


「まあそうなるよな」


 赤城は昇龍を指名。可憐にしようかと悩んだが、管理局が続けて三人ということにもなるため、ズッ友こと昇龍を選んだ。

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