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第45話

 オレ達はとりあえず、パーティメンバー募集の札を掲げたテーブルに座り込む。

 ん、さっき表で喧嘩してた人達が来たな。

 シュマお嬢様がダメダメって断っていらっしゃる。まあ、当然か。

 中々しつこいようで、最終的にはギルドの怖い人達に連れられて行った。合唱。


「禄なのが来ませんわね」


 その後はパッタリと人が来ない。どうしたものか。

 オレ達は魔法使い2人。どこからもひっぱりだこだと高をくくっていたのだが……

 どうやら王都では魔法使いは過剰気味らしい。


 魔法を使える人間はみな大きな街に行く。そしてその大きな街の代表である王都では、当然魔法使いが集まってくるわけデ~。


 尚且つ、


「子供じゃなあ」


 ということらしい。

 仕方ないので、こちらからパーティに入れてもらおうとあちこち回ってみたが、子供はイラネっていうとこばかり。

 ……あいつらオレのこと見て言ってなかったか? ああん? オレはもう大人だぞ! ちくしう。


「兄ちゃん、もう俺達だけで行ったほうがいいんじゃねえか」

「そうかもしれませんわね」


 どうかなあ、さすがに前衛がいないと厳しいのではないだろうか。

 いや、それを知るためにも行ってみるという価値はあるか?

 初級ダンジョンなら脱出も容易だろうし。


 この王都ではいくつかのダンジョンがあり、初級から上級まで選り取り好みである。

 尚、すべて踏破済みなので、王都のダンジョン攻略したからといって英雄とは呼ばれない。

 シュマお嬢様には内緒である。まずは近場で力をつけてからがいいので。


 あと、こっそりラルズさんがオレ達の後をつけている。

 すっかりラルズさんはシュマお嬢様の護衛となって候。

 本来守るべきハルシアお嬢様が若旦那の護衛をしている状況だからなあ。

 護衛に護衛をつける訳にはいくめえ。


 と、気軽に向かった初級ダンジョン。


『装填・焼夷弾!』


「兄ちゃん、あっちからもくるぜ!」

「くっ、なんなのこの大量のモンスターは!?」『ブレストハリケーン!』


 最初の広場に入ったとたん、大量のモンスターが突進してきた。


「セイジ、お前、確か魔界に行ったって言ってたよな」

「うす」

「その所為かもしれねえ。モンスターにとっては魔界は天国のような場所だと言われているからな」


 ラルズさんが必死に剣を振るいながらそう言ってくる。もはやこっそりしている状況ではない。

 どうやらオレの体に魔界の匂いが染み込んでいた模様。

 で、その匂いに釣られてモンスターがじゃんじゃんと。

 オレはモンスターホイホイかよっ!? やべぇ、この先オレ、この世界で暮らしていけるのだろうか?


『装填・ホローポイント!』


 オレ達は壁を背にして魔法をモンスターの集団に叩き込む。

 もはや狙いをつける必要も無い。撃てばどいつかに当たる。

 漏れた奴をラルズさんが斬り捨てていく。

 ほんと初級ダンジョンで良かったよ。下手にパーティ組んで、ちょっと危険なダンジョンとかだったら、とっくの昔にお陀仏だっただろう。


「セイジ、あの炎の奴で壁を作れないか?」


 なるほど、


『装填・焼夷弾!』


 オレ達を囲むように焼夷弾で炎の壁を作り出す。

 それを突っ切ろうとする奴もいるが、足元から炎が燃え上がりあっという間に全身に燃え広がる。

 焼夷弾は燃える油のようなものを撒き、そこに火をつける。

 その場所を通れば足の裏に油がつき、しかもそれに着いた火は消えることが無い。なかなか優秀だな焼夷弾。


 とはいえ、洞窟の中で長時間、火を焚いておくと困った事にもなるわけで。


『ブレストハリケーン!』


 シュマお嬢様が風の魔法で空気の入れ替えを行う。


「もうあまり火も使えないな。って何やってんだセイジ?」


 お嬢様にチョコバーを食わしているオレに目を見張るラルズさん。

 あっ、ラルズさんも一個どうですか?

 うんめぇえと感嘆の声をあげてござる。


「兄ちゃん、俺にもくれよ」

「お前、食いすぎ」


 虫歯になるぞ。

 フォルテはほんと食い意地が張っていて、バナナやらチョコバーやら常にモグモグしている。


「ふむ、お前……太った?」

「ええっ!?」


 フォルテは慌ててお腹のお肉を掴む。

 そして泣きそうな目でオレを見てくる。オレにはどうしようも出来ない、それは自業自得だからな。


「そろそろ火が消えそうだな。オレとお前で血路を開くぞ、もう相手してらんねえ」

「うすっ」


 多いとはいえ、しょせんは最下級の雑魚。突っ切ればなんとかならないこともない。

 と、突然その雑魚共が散り散りになって一目散に逃げていく。

 なんだ? あっ、なんか奥からドスンドスンと足音が……

 そこに居たのは、身の丈数メートルはあろうかという巨大なゴーレムであった。

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