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幽世のリリン  作者: R09(あるク)
第一章 サバト編~その愛は、死を招く

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第58話 666の瞳

第58話



 ゴトリ。

 岩の山の上から、小さな石がひとつ転がり落ちた。

 金属とも土ともつかない乾いた音が、静まり返った結界の中に、やけに大きく響く。


 美優は、伸ばしていた手を宙に凍らせたまま、その音を聞いていた。


「……え?」


 頭が、顔が、骨が――形をやめる瞬間を、確かに見たはずなのに。

 目の奥で、映像だけが何度も巻き戻されては、途中で止まる。


「翔太くん……?」


 さっきまでそこにいた“未来”が、岩と肉と音だけになっている、ということを、頭が理解しようとしない。

 ようやく声になったそれは、悲鳴というより、喉からこぼれたひび割れた息だった。


「翔太くん……?」


 もう一度、呼びかける。

 だが、返ってくるのは、岩が少しずつ崩れていく、ゴトっという音だけ。


 ──胸の真ん中で、細い糸がぷつりと切れる音がした。

  それが何の糸なのか、いまはまだ、名前すらつけられない。


「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 翔太の頭が、顔が、骨が――形をやめ、赤と鈍い音だけになる映像が繰り返し脳内を流れる。

 今さら。

 そう今さらなのに、美優はまるでそれを、止めようとでもしているかのようだった。


「翔太くん! 翔太くん!」


 何度も叫ぶ。あがく。もがく。

 バタついた腕は、バフォメットの拳に万力のように締め上げられる。骨がきしむ。

 悪魔は笑う。彼女の涙が、さらに魂を甘くすると知っている。


「翔太くん! 翔太くん!」


 狂ったように両手を伸ばして、岩の山のどこかにいるはずの翔太を探ろうとする。届くはずもないのに、指先だけが必死に空を掻く。その指の先では──


 翔太を潰した岩山の足もとから、例の小人たちが群がっていた。

 何百……いや、何千という数。

 岩の隙間に潜り込み、肉の残り香を求めて奥へ奥へと入り込んでいく。

 蛆虫のようにたかり、骨の隙間まで指をねじ込もうとしているのが、ぬちゃり、と音で分かった。


 美優は、想像した瞬間に吐き気がこみ上げて、歯を食いしばった。


 バフォメットは、翔太の絶望に染まった魂を喰らうため、肉体から抜け出す瞬間をじっと待っていた。

 満足そうに笑う。新たなにえが手に入ったからだ。


 左手の中では、まだ美優が暴れている。


 だが――おかしい。


 いつまで経っても、翔太の魂が、その肉体を離れる気配がない。

 岩石の山から聞こえてくるのは、小人たちの甲高い歓声だけだった。


 小人たちは、必死に肉を貪りながら、何かを探している。

 けれど、その「肝心な何か」が見つからない――そんなざわめきに、バフォメットもようやく違和感を覚えた。


 ──いつもなら、もっと簡単に“抜けてくる”はずなのだ、魂は。


 さすがのバフォメットも、眉間にしわを寄せる。

 そしてハッと思い当たる。


(まさか……あの状態で、まだ、生きているというのか……あの少年は?)


 砕けた骨、潰れた頭蓋。普通の人間なら、とっくに魂だけになっているはずだ。


 胸の奥で、ひとつの答えが形を取りかける。


 あり得ないことではない。


(もしかして……ヤツも……)


 “人間”では、ない──?


 その懐疑で油断した。バフォメットの体に、あるアクシデントが起こったのだ。


『ぬ……!?』


 美優を握るバフォメットの左手が、ガタガタと小刻みに震え始めた。

 指の一本一本が勝手に痙攣し、握力がわずかに抜ける。


『な、なんだというのだ!』


 左腕のコントロールが効かない……!

 筋肉隆々の腕の肉が、ぼこぼこと内側から押し上げられ、奇妙な形に膨らんでは歪んでいく。


 これは──

 この身の内側で、何かが“反乱”を起こしている!?


『静まれーーーーーーーーーーーーーーーい!』


 バフォメットが再び気力を振り絞り、そう叫ぶ。左手の支配権がバフォメットに戻る。


 荒い息をするバフォメット。

 ちょっとした懐疑が、ちょっとした油断が、自身を形成する不完全な肉体のコントロール力を崩してしまった。魔力、体力ともに先ほどのベレスから逃げるので使ってしまい、すでにカラカラ。

 この大山羊の悪魔には今、“気力”しか残っていない。


(そうだ、魔力だ)


 バフォメットは左手の先で泣き叫んでいる美優に目をやった。


 こいつを喰らえば。


 その魂を我がものにすれば。


 我の魔力はかなり復活する──!


 バフォメットはニヤリと笑った。


「翔太くん! 翔太くん!」


 そう叫び続けるこの少女の魂は、あぶらならぬ“呪い”が程よく乗り、さぞかし美味であろう。


 大口を開けた。


 そして美優を掴んだ手を、その口へと近づけていった。


「助けて! 誰か、翔太くんを助けて!」


 自らが喰われようとする瞬間も、あの少年の身を案じる少女。自分ではなく、守りたい者を気遣う、純然たる想い。こいつは、当たりだ。この魂。これは最高クラスのご馳走だ。


 バフォメットは確信した。


『諦めよ。おとなしく食われよ』


 そして、美優を頭から喰らおうと口を大きく開き、舌を美優の頬へと伸ばした、その時だった。


『ムッ……!』


 バフォメットの左手――親指と人さし指のあいだの膜が、ぱっくりと裂けた。

 中から、ぬらり、と“人間の左腕”が押し出されるように生まれる。

 指先は震え、爪の先まで血の気がなく、それでも必死に外の空気を探ろうとしていた。


『ウガ……ア……ア……ア……!?』


 その腕は、バフォメットの上顎をガッシリと掴んだ。

 そして力を込めてつっかい棒のようになり、これ以上、美優に近づけないようにした。


『なん……だと……!?』


 突如、生えてきたその“腕”。


 美優は驚いた。


 いや。


 それと同時に。


 不確かながら、ある確信が、美優の脳裏を走った。


栗落花つゆり……くん……?)


 それは、“女の勘”と言っても差し支えない。


 そして。


 その通り。


 美優の確信は正しかった。


 それは、栗落花淳つゆりじゅんの左腕だった。


 ほとんど魔力が尽きかけたバフォメットの肉体の奥、その“核”として埋め込まれていた少年が、ただひとつだけ、本能で拒んでいる。

 海野美優が、この大山羊の悪魔のにえになることを。


『こしゃくな……!』


 ベレスを恐るあまり、自身の魔力を使い果たしてこの結界を作ったことが、バフォメットにとっては災禍に、美優にとっては幸運に働いていた。


 栗落花淳に、意識があるのかないかは分からない。

 ただ、バフォメットの口を押さえつけるその腕は、折れそうなほど細いのに、決して退こうとしなかった。

 その一本の腕に、「いやだ」が全部こもっている。

 “愛する人”を、ここだけは譲れない、という頑なさが。

 それは、理屈ではなく、本能の動きだった。


 美優を、口の中へ放り込まんとするバフォメット。


 それを阻止せんとする栗落花淳。


 たかが人間の左腕にそんな力があるとは思えなかった。

 だが、栗落花淳は、体内にある自らの母親の小指と、そのピンキーリングの“呪い”によって。

 そして、他ならぬバフォメット自身から、強大な力を授かっている。


 つまり、バフォメットの策略そのものが仇となっていた。


 栗落花淳の腕力はバフォメット並に増強されている。

 故に。その押し合いも拮抗してしまっているのだ。


 その時、美優は“聞いた”。


 確かに、聞いた。

 その少年の声を。


 耳ではない。

 胸の奥、心臓のすぐそばで、直接、言葉が響いた。


海野うみのさんを――)


(殺させてたまるか!)


「──栗落花くん!?」


 怒鳴り声なのに、不思議と泣きそうな色が混じっていた。


 何がどうなっているのか分からない。だが、翔太の同級生である栗落花淳が。自分の体を、いやらしく、なめるように触り、乳房を握り、はずかしめた、あの栗落花淳が。


 今、私を救おうとしている──!!!


 と、その時だった。


 カラン。


 さっきとよく似た、小石の転がる音。

 今度は、丘の下ではなく、岩の山の上から聞こえた。


 それは、バフォメットの耳にも、美優の耳にも、届いていた。


 そして次の瞬間、バフォメットは、驚愕する。


 その岩が丘のふもと辺りで跳ね、地面をえぐって静止した。


 岩山の山頂に、ぽっかりと空いた穴。

 その中心に――目を閉じたままの北藤翔太ほくとうしょうたが、静かに立っていた。


 目は閉じられたまま。

 胸元で、『カメア』が白金色の光を脈打たせている。

 岩より硬いはずの死の重さを、たったひとつの光で押し返してきたように。


『き、貴様、潰されたはずでは……』


 だがその肉体は、すでに人間の形を取り戻している。


 傷はすべて癒えていた。


 異様な瘴気しょうきまとわせて、目を閉じ。


 翔太が、確かに、そこに立っている。


 その翔太に、反射的に小人の群れが群がろうとする。

 さっきまで肉を貪っていた連中が、今度は“新しい獲物”へと足を向ける。


 ――その瞬間だった。


 翔太の足もとを中心に、輪を描くように。

 小人たちの群れが、一斉に弾け飛んだ。


 バシャッ、バシャバシャッ、バシャ――!


 肉がはじけ飛ぶ生々しい音が、連続して響く。

 小人たちは悲鳴を上げる暇もなく、血と骨と内臓の飛沫しぶきになって、あたり一面に降りそそいだ。

 音も、色も、悲鳴も、全部が“翔太以外の場所”へ押しやられていく。


 翔太は、一歩たりとも動いていない。

 ただ立っているだけで、世界の方が壊れていく。


 ──また、赤!


 その光景に、美優は思わず目を閉じた。

 さっきまで「守りたい」と手を伸ばしていた少年と、同じ人間だと思えなかった。


 一方のバフォメットは、翔太から放たれる、そのあまりにも強大すぎる魔力に戦慄していた。


 これまで味わったことがない感情。


 恐怖。


 怯え。


 震え。


 あるいは、それを超えたもの……


 北藤翔太のまぶたが、ゆっくりと持ち上がる。


 同時に、その額に一本の“筋”が走った。

 皮膚が内側から押し広げられ、縦に裂ける。


 それは、目だ。

 三つ目の、冷たい光を宿す“眼”だった。


 ゆっくり。


 ゆっくりと。


 時間をかけて。


 そしてその翔太の第三の目が開いていくのと同時に、大きな闇が天井に突如、出現した。


 その闇が、天井にあったあやかしの口を呑み込む。


 ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!


 闇に触れた天井の化け物の口は、その端からちりとなって消える。


「破壊の闇」


 すべてを呑み込む闇。


 そして。


 その不快で、絶望的で、暴力的な闇が。


 ゆっくり。


 ゆっくりと。


 時間をかけて。


 バフォメットを覆っていく。


 闇に覆われながらバフォメットは見た。


 見開かれた翔太の第三の目の。


 その瞳の奥には、はっきりと数字が刻まれていた。


 “666”。


 刻印のように、消えることのない紋様が、そこにある。


 ──それは、『新約聖書』のヨハネの黙示録に記された“獣”の数字。


 偽預言者であり、世界を滅亡に追い込む存在であり、悪魔を率いて天界をも滅ぼさんとする者。


 “反キリスト”。


 その者を現す数字“666”が、翔太の第三の目の瞳の中に刻まれている。


『こ……これは……』


 翔太は一度、すべての目を閉じた。


 “破壊の闇”は、そんな翔太をも覆い尽くしていく。


 そして再び。


 翔太は。


 ゆっくり。


 ゆっくりと。


 時間をかけて。


 “666”の目を開けた。


 “666”の瞳が、バフォメットをめつけた。


 それは預言されていた“獣”。『黙示録』の数字が、いま、こちらを見ている。


 その時、バフォメットは、天まで届くような巨大な“影”を、翔太に、見た気がした。


 その“影”が、世界を破壊し尽くす“幻想”。


 逃げ惑う人間たち。


 破壊されるビル群。


 空には、巨大な大天使たちの群れ。


 渦巻く黒雲。


 至る所で地上を打ついかずち


 そこでは。


 悪魔が。


 天使が。


 苦しみもがきながら滅んでいく──


 ――世界の終わり。


 ――『審判の日』。


『これは……、まさか……』


 その平凡な言葉が、バフォメットの最後の言葉となった。


 “666”の瞳が、一瞬だけ、光を増した。


 ただ、それだけで。


 ほんの、まばたき一回分の時間で。


 バフォメットの巨体は、輪郭ごとほどけるように崩れ、細かなちりになって四散した。


 悲鳴もない。

 痛みを感じる暇すら与えられない。


 存在していたという事実だけが、紙を破るようにこの世界から消された……


 途端に、美優は自らを支えていた支点を失う。

 落下する。


「キャアアアアアアアアアアアアアア!」


 その美優を、なにかの“見えない力”が支えた。


 翔太だ。


 それも翔太の力だ。


 そして美優の体は、ゆっくり、大地へと降ろされていった。


「翔太……くん……?」


 ようやく自分を支える地平線を得た美優は、そのすぐ傍に、栗落花淳が立っているのを見た。


 バフォメットの“呪い”から解放され、真っ青な顔でいる栗落花淳。


 フラ、フラと、栗落花淳の体が揺れた。


 今にも倒れそうだ。


 その揺れで、栗落花淳のポケットから、何かがハラハラと落ちた。


 美優は思わず、それを手に取った。


 見覚えのあるハンカチ……。


 確か、これは……。


 ◆   ◆   ◆


 中等部時代の自分。


 昼休みが終わり、校舎に戻ろうとしていた時。


 美優は、体育館横の陸上部の用具が置いてある場所で、棒高跳び用マットに倒れている人影を見た。


 その少年は、マットに仰向けで身を沈めたままで泣いていた。


 美優はその彼に近づく。


『泣いてるけど。何かあった?』


 そして自分が使っていたハンカチを取り出す。


『早くしないと、午後の授業が始まっちゃうわよ。そのハンカチ、あげるから使ってね』


 ◆   ◆   ◆


 そう。


 自分が中等部時代に使っていたハンカチ。


 そしてそのすぐ横には。


 一枚の写真が。


 そこに写っていたのは。


(私……!?)


 美優自身の姿だった。


 美優は、栗落花淳を見上げた。


 フラフラと体を揺らす栗落花淳は、今にも崩れ落ちそうだ。


(……ずっと、持っててくれた……?)


 美優の心に、自分でもよく分からない感情が浮かんできた。


 しっかりアイロンの跡が残ったハンカチ。

 端のほつれは、何度も撫で直されたように、ぴんと伸びている。


 そして、一枚の写真。

 バリバリに破られた痕があり、それを細いテープで、信じられないほど丁寧に繋ぎ直してある。

 角と角を合わせるのに、どれだけ時間がかかったのか、想像がつくくらいに……


 ――栗落花くん?


 胸の中で、何かが静かにほどけていく。

 理解したくなかったはずの線が、自然と一本につながってしまう。


 気づいたときには、視界が滲んでいた。

 涙がこぼれていることにさえ、しばらく気づけなかった。


 美優の体をまさぐった栗落花淳の行いは、決して許されるものではない。

 その事実が消えることはない。


 けれど――

 このハンカチと写真に刻まれた「見ていた時間」まで、嘘だと言い切ることはできなかった。


 そう。


 私は、中等部時代に、この子に会っていた。


 その頃から。


 その頃からずっと。


 きっと。


 この子は……


 ――私を、見て、くれていた──


「栗落花くん、あなた……」


 思わず声をかけた美優に、突如、翔太の声が刺さった。


『どけ。美優』


 美優は翔太に目を戻す。


 その翔太は、再び、第3の目を開こうとしていた。


 “666”の瞳。


 大山羊の悪魔を、一瞬で消し去った、あの、“悪魔の瞳”。


「ダメエエエエエエエエエエエエ!」


 美優の声が空間を震わせる。


「翔太くん! 待って!」


 どうして私は、こんなに泣いているんだろう。


 なぜ、あんな人の為に、私は、涙を流しているんだろう。


 いや、でも。


 このままじゃ、いけない気がする!


 栗落花くんは悪くなかった。


 あれもこれも、すべては悪魔のせい。


 美優の脳裏で栗落花淳が笑ったような気がした。


(ずっと、見ていました)


 そんな声が聞こえてた気がした。


 そんな美優の想いも。


 美優の叫びも。


 虚しく。


 第三の目が、ほんのわずかだけ光を増した。


 その瞬間。

 栗落花淳の肉体は、一言の悲鳴もあげないまま、輪郭から崩れ落ちた。

 服も、皮膚も、骨も、全部が細かなちりになって、空気の中へほどけていく。


 美優の頭上に、栗落花淳だったものが、ひらひらと舞い降りた。


 降ってきた。


 まるで天使の羽根のように。

 いや、むしろ――

 ひとりの少年の“最後の温度”が、粉になって落ちてくるみたいに。


 美優の肩に、

 髪に、

 まつげに、

 そっと触れては、すぐ消えていった。


 そのやわらかさが、

 かえって残酷で。


(……そんな風に……消えて、いい人じゃ……なかったのに……)


 胸の奥で、なにかがゆっくり沈んでいく。

 重さではなく、“空っぽになる”方の沈み方だった。


 栗落花淳の過ち。

 栗落花淳の罪。

 栗落花淳の弱さ。


 全部、ゆるす気なんてなかったはずなのに。


 それでも――

 それでも、美優の指先に触れた“ひとひら”は、あまりにも小さくて、

 あまりにも震えていて、

 まるで、


(助けて、って……)


 最期の最期に、

 やっと誰かに触れられた子どもの手みたいで――


 思わず、美優の口から声が漏れた。


 それが悲鳴なのか、悔しさなのか、

 それとも、もう届かない誰かの名なのか。

 自分でも分からない。


 ただ、声を出していないと――

 いま、降ってきた“かけら”と一緒に、自分まで消えてしまいそうで。


 だから叫んだ。

 胸の奥の、いちばん柔らかいところから。

 名前もつけられない感情を、全部まとめて。

 ちぎれそうな心ごと、美優の全魂が、その一声に込められていた――


「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ──!」

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