第5章 第1次世界戦争編 E-0010 追撃の結末
1914年8月5日 イースター島 独東洋艦隊
「問題は日本艦隊が補給中に来た場合、我らの敗北は決定的になる。」
1914年8月6日 日本艦隊
「水上機から入電。イースター島に敵艦隊発見。」
「補給中なら敵は動けん。勝ったぞ!!機関最大!!機関に負担をかけて構わん!!」
同時 独東洋艦隊
「日本の水上機です!!」
「緊急出港して間に合うか?」
「奴らが1隻だったら2隻中1隻は生き残れるでしょう。しかし2隻以上ならば…」
「奴らの主力艦は1隻でもわが艦隊以上の戦力になる。」
「降伏すべきでしょう。その場合は。」
「ドイツ海軍の栄光を汚す気か!!」
「無駄に死ぬよりはいい。」
「敵に戦力を渡す気か!!」
「自沈すればよい。」
「自沈するのならば戦って沈んだほうがマシだ!!」
「軍艦は作ればよい。しかし、兵を死なせてはなりません。彼らにも家族がいる。死にたいのならば勝手に死んだらよい。しかし、戦後この戦争は双方が大損害を受ける可能性がある。勝っても負けてもまともなことにはなりません。戦後、それこそ我らの戦いであるでしょう。」
「わかった。場合によっては降伏しよう。」
1914年8月5日 AM11:00 独東洋艦隊旗艦シャルンホルスト
双方は戦わなかった。ドイツと日本は結果的に交渉をすることになった。
「提督。交渉に来る士官とは誰でしょうか」
ドイツ艦隊は交渉のために日本の海軍軍人を艦に迎えることになった。内火艇が接近してくる。接近した内火艇はタラップ前で停船する。日本軍人は歩き出す。
「日本国追撃部隊副司令官第10戦隊指揮官の秋山真之少将である。マクシミリアン・フォン・シュペー中将閣下に申し上げる。降伏を勧告しに参った。」
通訳が秋山の耳打ちに対し、叫んだ。
数刻後 旗艦シャルンホルスト
「この敗戦の責任はわれにあり。我のみが悪。我に続く者は許さん。」
直後、司令室から銃声が聞こえた。
ドイツ東洋艦隊が降伏した。ドイツ艦隊の犠牲者はシュペー提督のみ。自決だった。ドイツ艦隊は今回鹵獲した艦艇を戦中に使用しないことを条件に機関を損傷させたうえで引き渡された。艦隊随伴の給炭船とメキシコからの補給船は日本艦隊に随伴燃料を補給する。
日本艦隊は一時マルキース島に戻る。若干の燃料を残した給炭船はピトケアン島に向かう。燃料がなくて動けず遊兵化している第1南洋艦隊本隊と貴重な情報を届けてくれた防護巡洋艦矢矧を助けなければならない。それにイースター島には長期的な停泊能力はない。だがマルキース島ならそれができる。機関損傷で動けない装甲巡洋艦2隻をここまで曳航してに放棄さえすれば艦隊は自由になる。あとは工作艦に任せればいい。捕虜たちもここにおいてゆく。
そしてそれは戦艦2、巡洋戦艦4の大西洋への回航に障害がなくなった瞬間だった。
なお東洋艦隊残存のエムデン追撃に関してはほとんど史実と変わりないので本編には記載しない。
史実と違いかなりあっけない最期ですね。




