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改史 大戦  作者: BT/H
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第5章 第1次世界戦争編 E-0001 日本の参戦

ようやく日本編

1914年 7月26日深夜  東京 

「開戦です!!それにフランスからドイツ極東艦隊殲滅要請です。」

「先日の御前会議にて決まった通りに返答だ。『完全なる参戦を求む。』だ。それと艦隊に出撃命令を出せ。」


 1914年 7月27日 呉

 大日本帝国海軍は参戦前に出撃を開始した。ドイツ極東艦隊の大型艦が高速艦艇ばかりであることを考慮に入れ、優先的に出撃させた艦隊は高速艦艇ばかりだった。海軍は史実よりも若干速いペースでの建艦を進めているうえに旧式艦の改造・史実では存在しない船の建造をも実施ししており、そのためこの時点の海軍力は史実の3倍を超えていた。改史では軍用艦船の大半常時予備役にすることで平時の維持費低減を図っている。その代償に出撃に時間がかかる。しかし、高速艦艇は開戦を予期し準備が進められていたためにすぐに主激することができた。当時の日本海軍水上艦艇の編成は




 第1艦隊所属

 第1戦隊(超ド級戦艦群)

伊勢、日向、山城、扶桑

 第3戦隊(ド級戦艦群)

河内、摂津、薩摩、安芸

 第1巡洋戦隊

(建造・編成中)

天竜級軽巡洋艦3隻

第2巡洋戦隊

天竜、龍田、(1隻建造中)

  すべて2等駆逐艦

第11駆逐隊

桃、樫、檜、柳

 第12駆逐隊

桐、杉、松、柏

第13駆逐隊

楠、梅、桂、楓

第14駆逐隊

榊、蒲、桜、橘

水上機母艦  若宮、高崎

工作艦 壱岐、見島、沖島

(上記3隻は旧ロシア艦。砕氷艦

として運用後工作艦に改造)


 第2艦隊所属

 第2戦隊(超ド級巡洋戦艦群)

金剛、比叡、榛名、霧島

 第5戦隊(巡洋戦艦群)

鞍馬、伊吹、筑波、生駒

 第6戦隊(二等戦艦群)

金閣、銀閣、相模、周防

 第10戦隊(韋駄天戦隊)

御岳、恵那

第3巡洋戦隊

防護巡洋艦 筑摩、矢矧、平戸

  すべて1等駆逐艦

 第1駆逐隊

磯風、浜風、天津風、時津風

 第2駆逐隊

浦風、江風、山風、海風

艦上機・水上機母艦  大翔

(旧御岳級3番艦)

工作艦 厳島、橋立(旧防護巡洋艦)


第3艦隊所属

  旧称南清艦隊

 第7戦隊(旧ロシア艦)

肥前、阿蘇、幌登、伊皿

第4巡洋戦隊

防護巡洋艦 音羽、新高、対馬第5巡洋戦隊

防護巡洋艦 利根、笠置、千歳


   すべて三等駆逐艦 

第23駆逐隊

若葉、初春、白妙、響

第24駆逐隊

子日、潮、野分、三日月

第25駆逐隊

夕立、夕暮、夕凪、追風

第26駆逐隊

疾風、時雨、春風、霰

第27駆逐隊

朝風、松風、白雪、白露

第28駆逐隊

如月、弥生、初霜、神風

第29駆逐隊

村雨、朝霧、有明、吹雪

第30駆逐隊

白雲、朝潮、霞、叢雲

第31駆逐隊

夕霧、不知火、陽炎、薄雲

第32駆逐隊

山彦、文月、敷浪、巻雲

第33駆逐隊

皐月、曙、漣、朧

輸送艦 日昇丸(旧御岳級4番艦)

輸送艦 満州 (旧通報艦)

 訓練艦隊

 第4戦隊(前ド級戦艦群)

香取、鹿島、敷島、朝日

第11戦隊

春日、日進

 第12戦隊

六甲、三宝

 第13戦隊

出雲、磐手

 第14戦隊

吾妻、八雲

 第15戦隊

浅間、常盤

第6巡洋戦隊

秋津洲、須磨、明石

第7巡洋戦隊

千代田、浪花、高千穂

 すべて3等駆逐艦

第21駆逐隊

綾波、磯波、浦浪、菊月

第22駆逐隊

長月、水無月、卯月、初雪


 以上駆逐艦以上の主要艦艇


 第1艦隊は帝国海軍の主力。艦隊決戦の際し主力となる艦隊である。速力よりも火力を優先する。

 第2艦隊は帝国海軍の汎用戦力。主に速力を重視した船やバランスの良い船が所属している。所属艦艇総数は主力部隊である第1艦隊よりも多く、有力な艦艇も多い。第1艦隊と第2艦隊が単独交戦した場合、第2艦隊には大敗なし。速力が勝っている以上、負けそうになれば逃げればいい。

 その結果第1艦隊はプライドを刺激され、海軍上層部に圧力をかけた。次世代艦艇建造計画である88艦隊で建造される主力艦の建造順位は第1艦隊所属予定艦を優先している。

 この2つの艦隊は帝国最新鋭戦力である。日露戦争時代の鹵獲艦や建造中止艦を改造した水上偵察機母艦による索敵を取り入れ、旧来の旧式化した防護巡洋艦による偵察を廃したこともその先進性を示す。

 第3艦隊と練習艦隊は旧式化した艦艇を主力。前者を東、南シナ海での海上警備行動に動員される艦艇であり、後者は平時に予算の関係で予備役編入される艦艇の兵員を受け入れることと新兵を教育する艦隊である。戦時にはこの艦隊は一部解体されることになっている。練兵には第3艦隊も協力しており、この2艦隊の結びつきは強い。

 特徴のある艦艇は第10戦隊の2隻と及び固定翼機航空母艦試作艦大翔、大型輸送艦日昇丸の4隻である。この4隻はもともと国産巡洋戦艦(史実でいう金剛級の初期案) として計画された。船であるが、英国で初の超ド級戦艦オライオンをはじめとする新型戦艦の就役を受け、1,2番艦の設計変更及び3,4番艦の建造中止が決定された。これ建造中止によって余った予算と新規予算を加え、新しく巡洋戦艦を建造する計画に改変されたことの結果である。その改変された計画をもとに史実とほぼ同一設計の改史における金剛級が建造されたのだ。そのため元の国産巡洋戦艦の艦名は金剛級と同じであり、金剛級の建造が決定されると同時に改名されている。

 旧来の金剛級(御岳級) は設計的に火力の強化は困難であると判断され、1,2番艦は火力的な強化を断念し、火力の弱体化(主砲塔1基を廃止し、4基8門とする) を引き換えに計画中止になった3,4番間の基幹部品を流用。機関の強化を行い、この時代の戦艦としては最優速ともいえる30ノットをたたき出した。この速力こそ御岳級の特徴である。主砲塔を積載しなかったことによりできた上部構造物の余剰スペースには作適用の水上偵察機の積載区画を設けている。

 3番艦は1,2番艦改造に際し余った動力部品を使用し、高速輸送艦として就役させようとしたところに空軍と共同で固定翼機の艦上運用試験に運用されることになり、それに適する改造を行った船であるが、この時点で着艦に成功した例はない。すべての機体が着艦に失敗して海没している。しかし、高速輸送艦としての性能と水上機母艦としての性能は保持しており、航空機運用のために大規模な格納庫を兵員輸送用に転用することができた。

 4番艦は旧式化し、改造された船から機関を転用し就役させた低速輸送艦として就役している。輸送艦なので命名基準も民間船に準じている。第3艦隊に属し、外地師団への兵員輸送業務にあたっている。

 今回出撃した部隊は比較的優速艦で編成されている第2艦隊所属艦。予備役編入されていない艦艇と優先現役復帰に指定されていた艦艇。第2、10戦隊、第2巡洋戦隊、第1,2駆逐隊。戦艦2、巡洋戦艦4、防護巡洋艦3、駆逐艦8すべてが27.5ノット以上の最大速力を有する高速艦である。

 目標は独東洋艦隊主力。主力はたった2隻の装甲巡洋艦であった。


1914年7月27日 陸軍省

「動員規模を小規模から中規模動員に切り替える。」

 日本陸軍は日露戦争後、大規模な軍縮を強要された。改史では特に一部師団の解散や徴兵に関して規模の縮小などの影響が大きかった。

 改史ではこれに対して動員を行うことで対応することにした。動員とは徴兵期間が終わった人間を軍隊に召集することをいう。この時動員される対象を考慮に入れ、小、中、大、総の4つの規模に分かれている。

 区分によって集められる兵士に差があるのだ。

 史実において徴兵された兵士は下記のように軍務期間が存在した。しかし、改史では下記のように変更されている。そして動員レベルごとに動員する時期が存在する。



     史実

 常備兵

  現役兵   陸軍兵3年/海軍兵4年

  予備役兵  陸軍兵4年/海軍兵3年

 後備役    常備兵役後5年

 労役・動員役 存在しない

 国民役    17歳以上~40歳未満

     改史

 常備兵

  現役兵   陸軍兵2年/海軍兵3年

  予備役兵  陸軍兵5年/海軍兵4年

 後備役    常備兵役後5年

 労役     対象者4年

 動員役    労役後16年

 国民役    17歳以上~60歳未満

    改史動員レベル

 常備兵

  現役兵   平時招集

  予備役兵  小動員時 投入

 後備役    中動員時 投入

 労役     中規模時訓練開始→訓練完了後 投入

 動員役    大規模時訓練開始→訓練完了後 投入

 国民役    総動員時訓練開始→訓練完了後 投入


 このようになったのは軍縮の結果、常備兵役対象者のみで大規模有事の際に兵力を充填することが不可能になったことによる。そのため、即応兵力としてかつて戦場に赴いた老兵たちから何から何まで動員するしかなかったのだ。

 しかし中規模動員時には労役対象者まで軍事訓練を開始する。それは国家が行うインフラ投資などが中止することを意味する。これは経済的に大きな損失である。

 改史ではこの労役によって史実よりも多くの社会インフラが整備されており、それがある程度の経済成長の足元を支えていた。この労働力を失えば経済成長は鈍化する。

 欧州という離れた地域でも大国同士の戦争が発生した場合、即座に労役対象者も兵役対象になってしまう。それほど即応戦力が少ないのだ。むろん、自国が大国と主要戦闘国となった場合、消耗を考慮に入れ即座に大規模動員になる可能性があったという。

「中規模動員には経済的な問題がありますのでそう簡単には」

「日露戦争を思い出せ。大規模な損失が起こることが想定できる。だから必要なのだ。今すぐに。今すぐにやらなければ十分な訓練をやらずに彼らを戦場に送ることになる。」


1914年 7月27日 海軍省

「独東洋艦隊追撃艦隊出撃。」

「全面参戦を要請したらフランスから艦隊の派遣を求められたらしい。」

 史実において当時のフランス海軍はドイツ海軍と比較し、とても弱かった。第1次世界大戦中は損失艦を生むばかりでろくな活躍をしていない。これは共同交戦国のロシアも同様だ。史実では海上に関してすべてを英国に任せていたといってもよい。

 しかし、改史ではフランス、ロシアともに史実よりもはるかに強力な艦隊を整備した。これはドイツ、イギリスが旧式艦を売却、その利益を持って史実よりも多くの戦艦を建造していたことにつられた形である。

 しかし、それでもドイツ海軍には劣っている。数も個艦性能も。

「英国の参戦に関してはフランス内部で対立がある模様です。」

 海軍は上記の状態であるがために英国の参戦を望み、陸軍は戦果の独占を求め参戦を妨害する。

「それで我々か。でもそれでは到着時には英国は参戦しているのではないか?」

「口実があるんだ。出兵すべきだ。」

「近藤造船中将。各艦の状態はどうだ?」

「現状残っている艦艇はまともに出撃できる船はないですね。先日秋山殿からいろいろと伺った結果私はそう判断します。」

「どうゆうことだ?」

「秋山閣下の話では日本付近にあるドイツ植民地攻略と通商護衛に動員する艦艇についてお伺いしました。作戦完了後、派遣することはできますが、それでは戦局に間に合わないでしょう。」

「扶桑級と伊勢級は?」

「完成直後です。あと船の癖が強い。手直しが必要です。欧州派遣などまだ無理です。」

「そうか。」

「ですが一つだけ手があります。秋山殿の話ではドイツ東洋艦隊主力は南洋諸島のとある島にいるとお伺いしました。情報を適切に流してやれば彼らは南米方向に逃げる。そのまま追撃し、殲滅完了後そのまま欧州に派遣することは可能であると愚考いたします。」

「南米で燃料の補給ができれば可能ですな。」

「第1次派遣をその方向で進めるか。」


同日 陸軍省

「早急にドイツの保有する中国利権と太平洋諸島の利権を手に入れる。すでに海軍の協力は取り付けている。」

「太平洋植民地の占領は艦隊の支援さえあれば兵士だけあればいい。小規模ならば軍艦に乗船させるだけで十分と思われます。問題は青島です。」

「全面開戦に伴い、フランスからは兵力派遣を求められている。」

「全面開戦をするのであれば主戦場にも来いということだろうな。」

「青島占領に関しても海軍の支援が得られることになっています。しかし、動員速度の関係上、艦隊よりも陸軍の方が遅れることになります。」

「旅順・大連の常備師団を臨時転用することで第1陣は問題なくできると思われます。しかし第2陣は…」

「開戦に際してドイツが飲めない条件の最後通牒を出します。そして回答期限を長めにとることで動員時間を稼ぐことはできるでしょうが…」

「欧州派遣兵力はどうするのだろうか?」

「動員・輸送力の関係もある。形式参戦になるだろうが最精鋭を繰る必要がある。第1近衛師団しか第1陣はあり得まい。」


 次回クリスマスにつき連日に分けて連続更新予定。

ストックギリギリ執筆に苦しみます

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 ようやく日本視点か、長かった。話の流れから見ると改史世界では本格参戦するみたいですね。史実では大陸にあるドイツの植民地と南洋諸島のドイツ軍を撃破と地中海に艦隊を派遣するだ…
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