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改史 大戦  作者: BT/H
42/83

第5章 第1次世界戦争編 C-0005ダンツィヒ沖海戦決戦

 ロシア第2バルト海艦隊 旗艦

「第2巡洋戦隊3番艦ヴァリャーグ被雷」

「ヴァリャーグの戦線離脱を援護しろ。狙われるぞ。」

「もう少し耐えてくれ!!もう少しで敵艦隊阻止線に到着する。到着次第信号弾が上がるからそれを合図に戦艦は左一斉回頭被害のひどい巡洋艦は回頭を利用して離脱しろ。」

「とはいっても敵の兵器は魚雷が主。被弾すれば大損害。被弾しなければ無事。ここで離脱するのは敵前逃亡に近いな。」

「第3艦隊から入電。第2防壁があったとこのと。」

「巡洋艦部隊の残存は第3艦隊の援護に回れ。敵軽巡洋艦を撃破せよ。」

「了解。」


ロシア第3艦隊 前衛決死隊 

「本隊がやってくれました。」

「われらもやるぞ。」

 士気は上がり、彼らは敵艦隊にたった5隻で突っ込む。無謀と思われるだろうが、白燐弾で砲撃を乱されている敵艦隊はまぐれ当たりを期待するしかない。

「敵前ド級戦艦回頭中止。左回頭。本艦隊の固定魚雷の回避行動に移っております。」

「旋回式発射管目標左。敵前ド級戦艦群。射撃ののち右回頭。目標敵装甲巡洋艦」

 直後、敵艦周辺に水柱が上がる。

「味方だ!!味方の装甲巡洋艦からの砲撃だ!!」

 ついに到着したのは先ほど誘い込みのために逃走中だった部隊のうち装甲巡洋艦4隻で編成されている第4戦隊だ。

「奴らには本体の支援をやってもらわねばならん。急いで敵を撃破する。」


 ロシア第1艦隊 第4戦隊旗艦 装甲巡洋艦リューリク

「敵装甲巡洋艦3隻と前ド級戦艦1隻に水柱を確認。」

「あの5隻は戦線離脱だな。わが戦隊は直ちに敵軽巡洋艦部隊を撃破。水雷艇部隊の突撃を援護する。後方3隻に隊列をずらし、主砲による攻撃を敢行させろ。」

「了解。」


 ドイツ主力艦隊。旗艦

「左翼を攻撃した水雷艇部隊はロシア艦隊に撃退され、右翼を攻撃した水雷艇部隊はあの隊列を突破し、今は軽巡洋戦隊と遊んでいる…。」

「右翼部隊ドイッチュラント級2大破航行不能。すでに沈没しつつあります。1隻大破、ブラウンシュヴァイク級3大破。装甲巡洋艦部隊はいずれも水線下に被弾しており、防水処置はしていますが、今現在、陸側に向けて撤退中。擱座させる模様。装甲巡洋艦部隊はローン以外被弾。2隻は航行不能。1隻は弾薬庫に誘爆もう持ちません。もう1隻は陸に向かっています。陣形もめちゃくちゃになっており、現在、陣形を再編中。」

「敵水雷戦隊を後背から襲わせろ。陣形はどうでもいい。支援に入る敵の装甲巡洋艦の対処も忘れるな。それと早くあの邪魔な艦隊をたたけ」

 目の前にはド級戦艦4、前ド級戦艦5の艦隊とその奥からド級戦艦4隻が砲撃を続けていた。


 ロシア第2艦隊

「戦艦ポルタワ被弾。主砲塔を貫徹された模様。戦線を離脱します。」

 戦艦ポルタワはおよそ15年前に完成した艦隊の中では最も旧式な戦艦である。日本に鹵獲、修理されたのちにロシア帝国に売却。復帰の際に史実とは違い、鹵獲前の艦名を与えられている。

 そして最も足の遅い船であり、一斉回頭後、最後尾に付いたがために艦隊から遅れ孤立。集中砲火を浴びてしまったのだ。

「まだ打撃を与えられんのか。」

「第1艦隊の連中は何をしているんだ!!素人じゃないんだろ。」

「敵隊列を変更。ナッサウ級きます。」

「陣形に突っ込ませて乱戦に持ち込む敵を・全砲門を使用しつつ後退。確実にナッサウ級を仕留めろ。」


 ドイツ艦隊主力

「敵は隙を見せたぞ。接近戦だ。接近戦に持ち込めば間接砲撃はできなくなる。敵の旧式艦隊に肉薄せよ。」

 ロシア第2艦隊は失策にドイツ主力艦隊はつけこむ。T字戦法…確かにそれは有効だ。しかしそれは相手の砲撃が当たらなければの話だ。T字戦は日本海海戦で有名だがもとは戦列艦時代の戦法である。前後への砲撃能力が低く、側面の砲撃能力が極めて強かったため敵の前後に対し砲撃を行う戦術だ。

 しかし、その戦術には弱点があった。敵が耐え、艦列中央を分断した場合、逆に砲の死角に入り、一方、分断した側は死角が完全になくなる。

 しかもドイツ艦隊の狙いはロシアの第2艦隊のみ。第1艦隊からの砲撃は距離が急速に変化するこの状況下では第1艦隊からの長距離砲撃の命中率は低下する。だから第1艦隊を無視する。

 砲撃角度を現時点で考慮に入れればロシア12インチ砲44門、ドイツ11インチ砲24門以上、12インチ砲20門以上を向けられた。すなわち互角以上に戦える。

「統一諸元で打てない主砲塔は自由射撃。各個に任意の敵を打て。」

 ドイツ艦隊の先頭は陣形変更の結果、最も旧式なド級戦艦ナッサウ級。11インチ連装砲6基。史実では新設計の新型砲を採用していたが、改史では建造を急ぐあまりドイッチュラント級と同一の旧式砲を採用している。うち2基を中心線上に。他を舷側配置している。舷側配置している主砲塔は艦上部構造物が射界を狭めている。どの方向に向かって戦闘をしても必ず2基以上の砲塔が死角となり、効率が悪いという弱点があるがこの配置には乱戦に強いという特徴がある。第2艦隊へ向かう再前衛になったのはそれが原因であろう。


「敵艦が固い!!主砲弾を何発命中させればいいんだ」

 ドイツ軍艦は他の列強と比較し、火力よりも防御力を優先する。排水量25000tあるドイツカイザー及びケーニヒ級は12インチ連装砲5基10門。同等の排水量を持つ英国アイアン・デューク級は13.5インチ連装砲5基10門、フランスの計画戦艦ノルマンディー級は25250t、13.38インチ4連奏3基12門と圧倒的に火力偏重である。これは合金技術が優秀で砲身を延長することが可能だったことが関係している。砲身に使われる技術を応用すれば装甲版も他国よりも薄く、強力にすることができた。11インチ砲は近距離での威力は12インチ砲に相当した。

 つまりは基礎技術力の差だ。まともに造船技術もない。数だけのロシアと自前で船の作れる国との差だ。各国ともに最新技術を輸出することは例外を除きない。(例外はイギリス。あの国は輸出軍艦で新技術を試す)

「戦艦ポルタワ敵の死角砲塔・副砲群からの攻撃が集中沈没します。」

 戦線を離脱しようにももともと速力が遅く、被弾により速力、抵抗力を失った戦艦ポルタワは片手間に狙われ、致命傷になる。集中したのは11インチ砲8門、12インチ砲30門が最大だった。角度の関係で死角になっていない砲の増減があったためだ。だが、それで十分だ。狙われているとわかった時点で戦艦ポルタワは弾薬庫に注水。被弾による誘爆を抑えようとしたが、被弾による衝撃が原因で隔壁が破れ、艦の重要区画まで浸水。浮力が維持できなくなった。弾薬庫に注水していなければ浮力は保たれただろうが、弾薬庫に注水していなければ爆沈していた。

「戦艦ヤポーニア被弾速力低下します。」

「敵ナッサウ級主砲塔被弾を確認」

 接近すれば直接照準でも砲弾は当たる。そして命中率も上がる。2隻はさらなる損害を出さぬために隊列を離脱。戦闘力をほぼ喪失(攻撃能力はあるが攻撃すれば見逃されない、多感よりも容易に撃沈されかねない。) したため両軍ともにほかの船の戦闘力を奪うことを優先。互いの思考から外れる。

「まずいヤポーニアの空いた位置に敵艦隊が突っ込んでくるぞ隊列を詰めろ!!」

「前のコウダとアンドレイの速力を一時低下させろ!!」

 しかしそのような時間はなく、艦列はそこにつけこまれる。


「陣形を斜陣から単縦陣に変更。回頭右角度は各艦の判断に任せる。主力戦隊は敵右翼。ナッサウ級は陣形を突破し、敵左翼から敵後方艦列を殲滅せよ。」


「両舷全砲門撃ち方初め」

 敵単縦陣への突入を成功したナッサウ級はようやく全力を出せた。右舷砲の計2基4門が分断された艦列前方の2隻。左舷と首尾線上の計4基8門を指向した

「各門自由射撃。テェ!!」

 この時代、日露戦争での戦訓から統一諸元での射撃が主流であるが、このような接近戦になれば自由に打ったほうがいい。しかも、乱戦に強いナッサウ級ならばなおのことだ。

「死角になった砲は各個に目標を指定して撃て。遊ぶほど勿体無いことはないぞ。」

 この12門の主砲と敵艦隊主力に向けられる時間は短い。ドイツ軍の目的は敵艦列の分断、そして敵後列を一撃の下で粉砕することだ。できないことはない。戦力はド級戦艦2、前ド級戦艦2ドイツ艦隊はド級戦艦8だ。

 集中砲火を受けたヤポーニア級ポベータは瞬く間に炎上した。黒い煙が上がり、周りの視界を遮る。

「被弾した敵艦艦列の隙間から離脱します。」

 機関にはあまり損害がないようだ。速力そのままに艦隊両翼に向かう間に割り込む。そこ以外に逃げ場はない。

「撃沈確実とせよ。後列の艦にあれを打たせろ。」

「後列は敵前衛を打つはずでは?」

「あの煙で打てるか?あの煙で遮られて敵がどこかわからん。」

 ロシア前衛の2隻はこれで事実上命拾いした形になる。


 第3艦隊交戦領域

 ドイツ艦隊の突撃により、ロシア第3艦隊は標的を失った形になる。ドイツ軽巡洋艦は事実上、時間稼ぎに使われた形になる。しかも彼らは機動性が高く、魚雷の命中率が低い上に砲撃の威力は十分水雷艇部隊を撃破することができる。

 今巡洋艦を撃破しても戦艦部隊に追いつけない。魚雷を使えば敵戦艦の撃沈用の魚雷を射耗する恐れがある。しかも後方には突破した前ド級戦艦部隊の残存艦彼らが陣形を取り戻し、こう水雷戦隊への攻撃を始めようとしている。これは装甲巡洋艦部隊が何とか食い止めている。

「水雷艇の何隻かを前ド級戦艦に当てろ。装甲巡洋艦を早く敵戦艦から解放して巡洋艦をたたいてもらわないとこっちが全滅する。」


 第1巡洋戦隊

「敵戦艦部隊の迂回に成功。どの敵をたたかれますか?」

 第1第2巡洋戦隊は第2艦隊戦闘艦部隊の護衛ののち、ドイツ戦艦部隊副砲の射程外を迂回、第3艦隊方面に進出した。この時、ナッサウ級4隻の主砲塔各1基8門に狙われ、砲撃を受けるがそんな少ない砲門数では正確な射撃はされなかった。この時は戦艦ポルタワに助けられた形であった。ポルタワが狙われていなければ他の戦艦の砲にも狙われ、主砲射程外を大きく迂回しなければならなかった。この判断はポルタワからの救援要請を受けてコース変更をした第1巡洋戦隊司令官の判断だった。ここまで急いだのには理由があった。正面からは軽巡洋艦の隊列が存在することを確認していたからだ。むろん無電を飛ばしたが、第3艦隊にはそれを見ている余裕がなかったようだ。

「馬鹿者。我々に戦艦とやりあう力はない。敵巡洋艦部隊を撃破する。第2の連中にも我に続けと言ってやれ。どうせ救援要請も出ているんだろうからな。」

「了解。」


 ドイツ旧式戦艦部隊

「敵2番艦戦列を離脱します。」

 ドイツの前ド級戦艦部隊と比較してロシア課の相乗巡洋艦部隊はぜい弱だ。

 ドイツの前ド級戦艦はブラウンシュヴァイク級2、ドイッチュラント級2そして装甲巡洋艦部隊の生き残りローン級1番艦ローンだ。

 ロシアはリューリクを旗艦にバーヤン級3隻。後者は基本設計が日露戦争前の旧式艦であるが日露戦争で大量に軍艦を失ったことで急遽建造された船である。

 ロシアにとって救いなのはドイッチュラント級2隻が戦列後方にいたために合流に手間取っている点で、まだいまだに戦線に到達していない。

「ローン被弾!!戦列を離れます。」

「まずい…ローンが敵艦の前衛を抑えていたからこそ被害が少なかったのに…」

 ローン以外の戦艦は速力が遅い。敵艦隊に前面に回り込まれた場合、先頭艦は集中砲火を受け、1隻ずつ撃破されていくことになる。

「左舷から水雷艇接近数5~8隻程度!!」

「左舷副砲群迎撃射撃警告した通りだ。敵に魚雷を放たせるな!!かわそうとすればドイッチュラントとポンメルンのようにやられるぞ!!奴らをかわし切るなんてできない!!必ず迎撃を成功させろ!!」


 ドイツ軍 巡洋戦隊

 ドイツ軍の防護巡洋艦及び軽巡洋艦の隊列は速力が速い船を先頭に単縦陣を編成している。

 先頭艦はマウデブルク。マウデブルク級小型巡洋艦ドイツ初の軽巡洋艦とされている。最大速力27.6ノット火力は10.5㎝速射砲12門この砲は当時の防護巡洋艦の主力艦砲であり、火力的には防護巡洋艦と変わりない。さらに列強国の軽巡洋艦と比較して非力である。

 2・3番艦はピラウ級防護巡洋艦エルビンク、ピラウ。もとはロシアがドイツに発注した船であったが開戦に際し、ドイツ軍に編入された。速力は27.5ノット。15cm速射砲8 5.2㎝速射砲4。速力、火力ともには他国の軽巡洋艦とほぼ同等の性能を有している。

 4番艦アウグスブルク コルベルク級小型巡洋艦の1隻速力26.7ノット10.5㎝速射砲12,3.7㎝機砲10 マウデブルクと比較し、舷側装甲がなく防御力が低い。

 5番艦シュツットガルト ケーニヒスベルク級小型巡洋艦速力24.1ノット10.5㎝速射砲10 3.7㎝機砲10

 6・7番艦はブレーメン級小型巡洋艦リューベック、ブレーメン速力22.3ノット10.5㎝速射砲10

8・9・10・11番艦はガゼル級ウンディーネ、アマゾン、テティス、ガゼル(この船のみ19.5ノット) 速力21.5ノット、10.5㎝速射砲10

12・13番艦はヴィクトリア・ルイーゼ級のヘルタ、ウィチタ速力19.2ノット21㎝砲2 15㎝速射砲8 8.8㎝速射砲10 3.7㎝機砲10

 ドイツ小型巡洋艦の主力艦砲は10.5㎝速射砲。これは巡洋艦同士の打ち合いには威力が低く不向きだしかし軽い分手数には優れ、小型艦艇には有効である。この状況下では圧倒的に有利だ。

 そのため次々とロシアの水雷艇は撃たれている。

「敵の防護巡洋艦接近数5!!戦闘は不死身の第1巡洋戦隊の3隻です。」

「敵の主砲は15.2㎝級だ。命中すれば…ただでは済まない。集中砲火を浴びる事態を避ける。回頭左45度。敵の速力が遅い。頭を抑えるぞ。」

「敵水雷艇部隊艦列中央に突入開始。巡洋艦部隊に呼応する模様。」

「魚雷を使ってくるぞ!!対水雷戦闘用意撃って撃って撃ちまくれ」


 ドイツ旧式戦艦群

「敵装甲巡洋艦部隊離れてゆきます。」

 ドイツ旧式戦艦部隊はついに壊滅した。水雷艇部隊の襲撃は各戦艦を戦線離脱級の損害を与えた。航行能力のない船も航行能力がある船(それも被雷している)が陸に向けて曳航を開始している。ロシア艦隊はそれにかまっている暇はない。水雷艇部隊が天敵ともいえる防護巡洋艦部隊に徹底的にたたかれている。防護巡洋艦をたたかねばならない。

 とはいってもロシアも装甲巡洋艦2隻が戦線離脱している。速力を考慮すれば十分な活躍ができるとは思えない。

「ドイッチュラント級2隻も被雷。沈没には至りませんでしたが、交戦旗を下した模様。」

「ロシア艦隊に鹵獲している暇はなさそうです。魚雷を発射した水雷艇部隊は被弾艦艇の曳航準備をしています。敵である我らの目の前で。これは…」

「その領域だけで一時休戦状態にあるといいたいようだな。まあいい。新たに水雷艇が来れば曳航作業中の船も沈めてやればいい。将兵を生きて祖国に帰すことを考えろ。被雷艦艇はすぐに陸地に向かい、擱座させろ。修理、現役復帰の可能性もあるからな。」


 ドイツ軍防護巡洋艦 アウグスブルク

「糞!‼マウデブルク、エルピンクがやられた!!」

「ピラウも戦列を離れる」

 ロシアの防護巡洋艦の参戦はドイツ軍の巡洋艦部隊には危機をもたらしたロシア艦隊はドイツ軍が速力を生かしたT字戦法に打って出ることを予想し、進行方向に位置するという状況を利用して逆にドイツ軍に対しT字戦法に打って出た。結果的に前衛の最新鋭巡洋艦は多数の敵艦に集中砲火を浴び、1隻ずつすりつぶされている。先頭艦マウデブルクに至っては主砲の違いを利用したアウトレンジ砲撃に倒れ、エルピンクは数に敗北した。

「後方ブレーメンとウンディーネが被雷沈没しつつあります。敵は戦列にできた穴から脱出しつつあります。」

 後方ではすり減らされるよりは魚雷を使って状況を打破するロシアの水雷戦隊に2隻が沈められ、そこから次々と水雷艇が隊列の突破に成功している。だが水雷艇部隊の損害も大きい。開戦時点で駆逐艦4、水雷艇22、水雷巡洋艦20を数えた艦隊は戦没、被弾による戦線離脱、弾薬欠乏による離脱含め駆逐艦3、水雷艇5、水雷巡洋艦4にまで打ち減らされている。

「装甲巡洋艦部隊右舷方向から接近」

「…前方はいい。敵の防護巡洋艦部隊もただではすんでいない。5隻中2隻が沈没。1隻が戦線離脱している。これ以上の交戦はできないだろう。だが後方に援護に行くとなると減速するしかない…そうするとロシアの装甲巡洋艦が防護巡洋艦と合流…戦力比が絶望的になる…」

 先頭艦が次々失われた今、指揮艦はアウグスブルクだ。判断はこの艦長に任されている。

「艦隊を二分する。前衛の残存艦は水雷戦隊及び防護巡洋艦と交戦しつつ主力艦隊に合流。後方の艦列は装甲巡洋艦と交戦せぬように離脱。足手まといだ。もしとらえられたら…隊列を解いて逃げろ。やられても1・2隻だ。「了解。」

「あと左翼の残存に救援要請をしてくれ。奴ら…戦線を離脱して再編しているだろうからな。」



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