第4章 第2次米墨戦争編-17 陸の決戦2
応援投稿2回目
メキシコ軍司令部 2月20日AM3:00
「古典的な作戦だ。作戦に関して問題点は時間だ。時間さえ解決すればいい。だが時間をかければいいということではない。時間をかけすぎれば太平洋艦隊は再建され我が国の勝機はなくなる。現時点ではまともに作戦を実施しようとするには時間的余裕がなさすぎる。」
「ではどうすればいいのでしょうか大統領」
「作戦の準備を敵陣に赴いてやるのではなく、準備のできている地点に敵をおびき寄せるそのほうが速い。そもそもその準備は敵陣に向かうこと自体にリスクと時間がかかる。だがそれを自陣でやってそこに敵をおびき寄せるならいい。」
1908年4月10日 メキシコ軍陣地
「突撃用意。坑道点火用意」
「点火用意完了しています。」
「よし。爆発時間を考慮に入れ、突撃開始。坑道爆破爆破ののち突撃せよ。」
歩兵は歩く。進撃する走りはしない。明かりもつけない。それをすれば米軍にばれる。そのうえ、疲労は戦力を低下させる。音をたてないようにゆっくりと進む。兵士によっては音をたてぬように靴すら脱いでいる者もいる。
「起爆予定時間です。」
「点火。」
直後、轟音が戦場に鳴り響いた。
坑道戦術だ。すなわち敵陣の下まで穴を掘って爆弾を大量に仕掛けてドカンとやる。というのが最も一般的であるが、古代より敵拠点に向かって穴を掘って様々なことをしてきた。城攻めなどでは城壁化にある木製の基礎を燃やし、城壁を崩したり、地下水脈を変え井戸の水を枯らす。これは日本の戦国時代などでも行われてきた。
だがこの戦術には弱点がある。時間だ。掘る時間は距離、爆破予定面積を考慮に入れれば塹壕戦に対する坑道戦術は極めて時間がかかる。自陣から敵陣地下まで穴を掘り爆弾を仕掛けるということはそれだけ時間がかかるのだ。
だが大統領はその考えを逆用した。坑道を敵陣まで掘るのではなく、自陣に掘り、そこに敵をおびき寄せてまとめて吹き飛ばすのだ。
火薬に吹き飛ばされた米軍兵士たちは蒸発するかの如く消滅する。
「総攻撃開始。このまま敵防衛線を突破突撃せよ!!」
「工兵隊は応急架橋を始めろ。強度は強くなくていい。急げ!!」
爆発によってかつてメキシコ軍の陣地があった地帯には大きな穴が開いている。そこに橋をかけ、ベラクルスに向けて進撃するのだ。
「伐採部隊は森に道を切り開け。できたところから進撃する。一番にできたところには特別報酬だぞ!!」
作戦自体は成功した。だが問題は爆発した範囲に関して行動が困難になる点だった。
付近山中 米軍残置部隊
「最悪の予想が当たるとはな。連中には悪いが最悪の事態を考慮に入れないと思うかメキシコ軍め。第1次目標座標を送れ。終わったら2次目標に向かう。」
米軍後方砲兵陣地
「残置部隊から入電座標です!!」
「1番主砲基準砲撃。打て!!」
メキシコ軍陣地
「敵砲弾が爆破地点に命中!!効力射来ます」
「なんだと射程外のはずありえない。先行偵察隊からの情報も砲兵陣地などなかったはずだ!!」
「大統領!!あれは戦艦の主砲です!!主砲の砲身を列車砲に転用したものです。仰角を上げればかなりの距離間接砲撃ができます!!」
「どのくらいの射程なんだ。」
「海の上では10㎞は有効射程です。」
その実は20㎞近く射程がある。それは砲塔に載せた場合である。砲塔は重量などの関係上仰角に限界がある。そのため射程に限界がある。しかし陸上にはそんな制約は少ない。応急設計とはいえ急造した列車砲には射程を延伸させるだけの仰角があった。結果的に陸軍砲を圧倒する射程を手に入れたのだ。
「工兵隊が狙われています!!架橋が妨害されています!!」
「まずい敵があの向こうに塹壕を作る。実質、谷間を挟んで膠着戦になる。」
「さらに川が決壊しています。水がたまれば河川防御陣より水深が深い以上厄介なものになります。」
「戦後復興を考えればより厄介です。あの地帯は使えない以上橋梁で鉄道を」
「鉄道は迂回させればいい。奴の砲の射程はどの程度届くかが問題だ。」
「どうゆうことですか!!大統領!!」
「工兵隊壊滅!!」
「ここが!!狙われる!!」
直後、一発の砲弾がメキシコ軍司令部を襲った。




