みかん物語
『新年の抱負』
「下から支える、そんな、かがみになるようなミカンになりたいです。」
『ミカンの願い』
「ボクだって、こたつに入りたい・・・」
『マジックカット』
「こちら側のどこからでもむけます。」
「ちょっと汁が飛び出すけどね。」
『七味唐辛子』
「一皮むけば、奴らの一味だってことは、わかっているんだからな!」
※えっと、陳皮です。
『お約束』
「これで、冒険者ギルドへの登録完了です。」
「ありがとうございます。」
「続いて、依頼を受ける際の注意事項を説明しますね。」
「はい。」
「モンスターは、その危険度に応じて、ランク分けされていて、依頼を受ける際の目安になります。」
「なるほど。」
「例えば、ゴブリンなどは、【ゆで卵の薄皮級】ですね。」
「へ?」
「慎重に対処してくださいね、油断すると失敗してしまうこともあるんですよ。」
「あ、はい。」
「スライムは、【たまごの中に落としてしまった小さな殻級】です。」
「思いの外、困難な敵なのですね。」
「そうなんです、わかっていただけますか。」
「ええ。」
「オークの【ご飯の前のおやつ級】、オーガーの【こたつ級】と危険度が増して、手強くなっていきます。」
「むしろ、どうなっていくのか、だんだん楽しみになってきました。」
「【冬の朝の二度寝級】では、軍隊の出動が必要、【8月31日の宿題級】ともなると、もはやあきらめるしか有りません。」
「そこであきらめちゃダメな奴です!」
「【お風呂上がりの牛乳級】などは、上級者になると、装備をつけなくても平気になります。」
「なんの上級者ですか!」
「まあ、今日、登録したばかりですからね、【ミカンの白い筋級】から始めて、むいているか見極めるのがおすすめですね。」
『それで、最後の落ちは?』
「エタる、ミカンだけに。」
「オイっ!」




