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UMA
「私達、雑誌の記者をしています。」
雪深い山の一軒家で、主である老人に、UMA特集と書かれた表紙を見せる。
「ゆーま?、何ですかなそれは。」
「ご存じありませんか、未確認動物の事です。噂や伝承では語られるものの、学術的には未発見とされる動物で、ビックフットなどが有名です。」
「ほう。」
「この辺りで、翼もないのに空を飛ぶ獣の姿が目撃されていて、子供を助けたという伝承も残っています。お心当たり、ありませんか?」
「自由に空を飛び、子供たちの味方、知っておるとも。」
「本当ですか!」
「ガメラじゃ。」
「もーおじいちゃん!」
「ホーッホッホッホ。」
豊かなひげと太鼓腹を振るわせて、笑うおじいちゃんは、優しげでも一筋縄ではいかなそう。
帰りの車中で、先輩に、強く訴えた。
「先輩、あのおじいちゃん、絶対に何か隠してます!」
「まあ、確実に一つ嘘をついていたな。」
「えっ!」
「何も知らないのに、ユーマと読めるわけないだろ。」
次回は『クリスマスの贈り物』です。




