三人のアルバイト学生 名探偵の先生と助手のハチ
依頼人は、先生が常連の喫茶店の店長だそうです。
忘れ物の定期入れから写真が抜き取られたという話でした。
開店前で客はおらず、バイトの子が三人いただけだったのだけれど、ずっと全員一緒に控室にいたとアリバイを主張しているとか。
「状況を整理しますね、最初に厨房担当のケンジ君、その後、フロア担当のアキラ君とマコト君が連れだって来たのと入れ替わりで、店長は入口前を掃除しに出て、そして、戻ったら写真が無くなっていたのですね。」
「ええ。」
「どんな写真ですか?」
「ポイントを貯めた方に贈る従業員の写真でした。」
ほっほう。
「裏口など、間取りを教えてください。」
「厨房の奥の廊下左側が控室、右が倉庫、突き当りが裏口ですが施錠されてました。」
さてと。
「最後は、先生に質問です。」
「さぞ、かわいい制服なのでしょうね?」
「どうしました、先生、ずっとだまって、おや、汗が酷いですよ。」
「先生には、もう誰をかばっての偽証だったのか、わかってますよね?」
反抗の動機は、言わぬが仏ですね。
タイトルは、ホームズのパロディです。
主人公の名探偵が、一言も話さないという、他に類を見ない画期的な小説となっております。
次回は、『パンダ』です。




