疑わしき自転車乗り 名探偵の先生と助手のハチ
【主要登場人物】
名探偵・文月三十
「犯人は、高打率で私。」
助手・ハチ
「先生、人聞きが悪いです!」
【ここまでのあらすじ】
どうも、助手のハチです。
今回の依頼人は、学校の教師をなさっている、名探偵文月先生のご友人だそうです。
その縁で、学生寮内で起きた、落書き事件の調査をすることになりました。
落書きが発見されたのは、今日の午前中です。
今は、春休みで、残っている寮生は四人のみ。
当然、犯人は、その中にいると思われるのですが、彼らは、ずっと全員一緒に自転車で外出していたと、アリバイを主張しているそうです。
その他の情報として、昨日も自転車を使って出かけており、全員帰りが遅かったこともわかっています。
私と先生は、まず自転車を調べるべく、駐輪場へと向かったのでした。
「見ろハチ。」
先生は、自転車の前輪を指さして
「今時ダイナモだ。」
ガクッ
「これは、ライトだけに証明…」
「それよりも先生、これを。」
駄洒落を中断されて、不満げな先生も、ほうと唸ります。
「駐輪禁止の警告札か、日時もバッチリだ。」
「結び直した形跡も無し、この自転車の子はシロですね。」
「…カマをかけるか。」
「どの子にですか?」
「ダイナモ君。」
「君が帰りに自転車を使った時の事を再現してくれないかな。」
彼は、自信ありげに
「まず駐輪禁止の警告札を外して…」
あっ!
驚く私…と、彼。
こぐと共にライトが灯ります。
「素直に謝るのが一番…、だよなっ、ハチ?、ところでライトだけに」
「私の不明です。」
タイトルは、ホームズのパロディです。
もとにしたタイトルは、『美しき自転車乗り』ですが、『孤独な自転車乗り』という方が一般的みたいですね。
次回は、『三人のアルバイト学生 名探偵の先生と助手のハチ』です。




