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使いたくて仕方ないんだろうなあ
閉店間際のお総菜コーナーには、得物を狙うハンター達が、半額シールに群がります。
おっ、今日はあたりの日です。
お寿司、フライドポテト、からあげ、たくさん残ってます。
心密かにガッツポーズをしていると、とててーっと男の子がかけてきました。
ケースに身を乗り出して、並ぶお寿司を見渡してから、入口の方を振り返って声をあげます。
「おかーさん、お寿司は、どれでもいいの?」
こちらの方に、カートを押して来ながら、お母さんは声をかけます。
「お寿司は、わさび抜きのだよ。」
すると男の子がうれしそうに。
「うん、わかった。大人の事情ってやつで、そうなるんだね。」
うわっ、楽しすぎ!
次回は、『二人称の小説に挑戦してみた』です。




