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十題ばなし『夢みる文鳥』(お題:税・花が散る・家・将棋・就職活動・冬季オリンピック・鏡・誕生日・文鳥・夢)
誕生日に贈られた文鳥は、成長し文章が書けるようになった。
夢の様な事実なのだから仕方ない。
「花ちゃん何を見て・・・ああ冬季オリンピック、好きな競技でもあるの?」
器用にキーボードを操作して文字を打っていく文鳥。
”飛び込み”
「冬だよ!」
”マンガチックな穴を残すと高得点”
「雪にか!」
ツッコミに満足したのか、ようやく主人に興味を持つ。
”ネクタイ?”
「男前だろ。」
卓上鏡を翼で二度叩く。
そっかあ、花が散る気かあ。
「就活に行くんだよ。」
”自ら籠の鳥になるとは”
「月並み!」
パタパタと将棋盤に降り金将を裏返し、次に時計をつつく。
「ああ、時は金なりね、じゃ行くよ、家に入ってて。」
カゴの中、翼を広げ、はばたく。
「ありがと、頑張るよ。」
花は思う。
あ、器の水を替えてって意味なのに。
もおー、何よりも花のお世話を一番大事にすべきなの!
だって花のが絶対稼げるから養うもの。
君は税金の心配でもすれば良いの。




