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続・兄妹物
『雨どい』
「ちょっと屋根に登って雨どいのつまりを見てきて」
「落ちたらどうするんだよ」
「大丈夫、お兄ちゃんなら落ちても痛くないから」
「いや、普通に痛いよ?」
「言い方が悪かったね、お兄ちゃんなら落ちても惜しくないから」
『悪戯』
お兄ちゃんの部屋の物の位置をちょっとだけずらしておくの楽しー♪
『秋の夕日に照る山もみじ』
「兄の背中に手形の♪」
「やめろ!」
『戸締まり』
「お兄ちゃん、まだこの窓があいてるよ」
「自分でしめろよ」
「お兄ちゃん、が、まだ生きてるよ」
「自分でしめようとするんじゃないよ!」
『母の日のお出かけ』
「ただいまー」
「おかえり、お土産は?」
「母の日だからお母さんとご飯に出かけたのに、なんでお兄ちゃんにお土産を買ってこなくちゃいけないの?、まあ、兄の日があったとしたらご飯に出かけるくらいしてあげてもいいけどね」
「ほう、殊勝な心がけじゃないか」
「うん、その時は、お兄ちゃんにお土産を買ってきてあげる」
『母娘の会話』
「全く、あの子はどこに逃げたものか、ねえ、お兄ちゃんは見つかった?」
「いや、探してもいないよ」
「えっ、何それ、怖い」




