6章 → 7章
―― インテクルース王国 王都 王城 国王執務室
「なんだと、おいリン、今なんて言った?」
「はい国王陛下。大森林内で大規模な遺跡を発見いたしましたが、遺跡の扉は非常に堅固、開けることかなわず引き返しました」
「そうじゃねえよ。なんであっさり諦めてんだよ。必ず中の物持ち帰れっていっただろうが! なんのためにお前を送ったんだよ。遺跡の扉くらい自慢の槍でブチ壊せんだろ!」
「無論試みました。騎士全員の力をあわせてスキルを撃ち込みましたが、残念ながら扉の破壊には至りませんでした」
「お前、それでも騎士団長かよ! そんな遺跡の扉一つも破壊できねえで王国最強の騎士とか、なんだっけ、ああそう『レンコンの姫騎士』とか、そんな名前もらってんのか? クソが、ふざけんなよ役立たずがよ!」
「面目ございません。もし陛下があの遺跡の中のものをお求めになるのであれば、十分な準備が必要と思います」
「涼しい顔でふざけたこと言いやがって。ゲントロノフ、なんとかなんねえのか? あの遺跡には強い武器があるんだろ?」
「ふほほ、古文書には間違いなくそうありますな。ラエルザ殿の国にもそのような物があるという記録もあるそうですから、間違いなく古代の超兵器は存在するかと思いますぞ」
「ならどうやって手に入れる? 扉をぶち壊せればいいんだろ?」
「ならば宮廷魔導師団長を派遣するのはいかがですかな? かのレギル殿の魔法ならば破れるのではありませんかな」
「レギルか……。そういやなんかすげえ魔法編み出したとか言ってたな。人間の魔力を暴走させて爆発させるとかなんとか。それで行けるか?」
「そういえばそのような研究をなさっていると聞いておりますな。よいのではないですか? 彼も研究成果が活かせることを喜びましょう」
「お待ちください。人間の魔力を暴走させて爆発させるというのはどのような業なのですか? 言葉だけ聞くと相当に非人道的なものに聞こえますが」
「お前は黙ってろリン。よしゲントロノフ、レギルを派遣しろ。何人犠牲にしてもいいから必ず古代の超兵器とやらを持ってくるように言え」
「わかりましたぞ、儂から伝えておきましょう。ラエルザ殿、例の道具、もう一度貸していただけますかな?」
「ええ、構いません。どうぞお使いください」
「お待ちくださいゲントロノフ公。いくらなんでもそのような非道な命令は……!」
「黙れと言ってるだろリン。それとも今夜オレのベッドに来るか? そしたら少しだけ話を聞いてやってもいいぜ? ああん?」
「く……っ、失礼します!」
「ったく気位ばかり高くて役に立たねえ女だ。さっさと騎士団長から下ろしてオレのペットにでもするか。ラエルザ、お前の魔法でなんとかなんねえかあの女」
「さすがにラシュアル団長ほど強い方には私の魔法も効果がありません。それにここでまた私の魔法を使うと、裁判での騒ぎが再浮上してしまうかと思いますが」
「チッ、たしかにな……。クソ、ラエルザ、新しい女を連れてこい。今の二人はもう飽きた」
「かしこまりました。美しい女性を連れて参りましょう」
「本当ならお前に相手をしてもらいたいんだがなあ?」
「それは契約違反となりますので」
「ったく、マリアンロッテもどっかでくたばっちまったみたいだし、ホントについてねえ。ああそうか、あのフォルシーナとかいう生意気な女を呼ぶか。それとヴァミリオラの妹も可愛いって話だったな。あいつら三大公とかいってふざけたことを言ってるから、ここいらで国王が誰なのか教えてやらねえとな」




