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娘に断罪される悪役公爵(37)に転生してました ~悪役ムーブをやめたのになぜか娘が『氷の令嬢』化する件~  作者: 次佐 駆人
第4章 悪役公爵マークスチュアート、戦場で奮戦す

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4章 → 5章

―― インテクルース王国 王都 王城 国王執務室


「はははははははッ! ようやくこの時が来たか! 本当に随分と待たされたぜ!」


「おめでとうございますロークス王太子殿下。王都奪還のご活躍もお見事でしたな。まさかたった1日で魔族を退けるとは、さすがに私もそこまでは考えておりませんでしたぞ」


「くくくっ、お前もよくやったぞゲントロノフ。しかし今回の策は本当に上手くいったな。魔族もまさかあそこまで狙い通りに攻めてくるとは、間抜けもいいところだ」


「あちらから見れば王都を襲ういい機会であったのは間違いありませんからな。それが作られた隙であるとまで考えつかなったのは愚かではありましょうが」


「どうせ罠でもなんとかなるとこっちを見下してたんだろ。能無しの考えそうなことだ」


「なるほど、御慧眼ごけいがんにございます。確かにその通りでしょうな」


「ところで親父はどうなったんだ? 見つかったのか?」


「はい。王妃様と共にご存命で、隠し部屋にいたところを確保いたしました」


「ん? ゲントロノフ、今の言葉、少し聞き取れなかったぞ」


「国王陛下は王妃様とともにご存命で……」


「国王と王妃は残念ながら侵入してきた魔族にやられていた、そう言ったか?」


「……これは申し訳ありません、年寄りゆえ声が小さかったようですな。国王陛下と王妃殿下は隠し部屋にお隠れになっていらっしゃったようですが、我らが駆け付けた時にはすでに魔族の手にかかって亡くなられていらっしゃいました」


「ああ、それは残念だったな。ならば俺が国王ってことで間違いないな」


「新王即位については三大公での合議が必要ですが、緊急の場合は必要ないことになっております。現在は緊急の時ですし、そもそも――」


「ブラウモントのところもメチャクチャにやられてるはずなんだろ?」


「ええ。魔王軍の上位幹部の中でも腕利きが向かっているそうですので間違いはございますまい。魔族軍3万となれば、公爵領の軍で抑えきれるものではございませんしな」


「だよな。王都だってかなりやられたからな。あのスカしたブラウモントが叩きのめされるのは笑えるぜ。ただあのフォルシーナだけはもったいなかったな。そういやマリアンロッテのやつは見つからないのか?」


「申し訳ございません、そちらの方はまったく。恐らくは野盗に捕まったか、モンスターに襲われたかでしょうな」


「ったく、まだ味見もしてなかったのによ。ああクソ、とりあえず女が欲しいな。用意しろよ、できるだろ?」


「ええ、ラエルザに用意させましょう」


「ラエルザ? ああ、あの美人か。しかしあれが魔族ってのは本当なのか?」


「そうですな、魔族もいろいろと複雑なようでして。ですが最後にロークス殿下、いえロークス国王陛下が魔族を蹴散らせば、あの者の願いも叶いますゆえ、それまではせいぜい使ってやるとよいでしょう」


「はっ! しかし魔王軍の幹部に裏切者がいるとは思わないだろうな。魔族も大概間抜けだぜ」


「ほほっ、まったくですな。それでは早速女を用意をさせましょう」


「おう、頼むぜ」




「くくくっ、しかしこうも上手くいくとはな。あとは適当に政治はゲントロノフに任せて、俺は女と酒とで楽しくやらせてもらいながら大陸統一といくか。そういやこの間お楽しみを邪魔されたことがあったな。どこかであれをやってみるか? 王都には人間が腐るほどいるし、多少減っても大して問題はないよな、くくく、はははっ!」

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