表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/70

8.野犬リベンジ

トンッと着地した感覚に目を開ければ、初めて降り立ったあの広場だった。



どうやら死に戻ってきたらしい。

野犬め複数で囲んでくるとは卑怯なりっ…!と歯噛みするも、よく考えてみれば当然だった。何故自分はソロの魔法使いである癖に、堂々と真正面から敵に突っ込んでいたのであろうか。

魔法使いと言えば後衛職、そもそもソロには向いていない。

なのに、なまじ獣人で身体能力が高かったが故に戦えてしまっていたのが原因か。


ため息を吐きつつ、現在のステータスを確認してみる。


─────────

〈プレイヤー名〉ジュカ Lv.5

〈種族〉猫人族  特性:《忍び足*Lv.3》

〈スキル〉

 ⬛戦闘系

《風魔法Lv.4》《土魔法Lv.3》《杖術Lv.4》《蹴りLv.2》

 ⬛補助系

《知力強化》《気配感知Lv.3》《回避Lv.3》《集中Lv.2》《魔法学Lv.3》

 ⬛生産系

《釣りLv.1》

 ⬛生活系

《鑑定Lv.4》《言語Lv.3》《速読Lv.2》


〈スキルポイント〉8

────────────


最後に一匹倒せたことで、レベルが上がっていたらしい。


ちなみに猫人族の特性である〈忍び足〉は、スキルリストにある〈忍び足〉と違って常時発動するパッシブ型である。なのでただ移動しているだけでもスキルレベルは上がるけれど、意識して使うアクティブタイプの〈忍び足〉よりも必要経験値が多いのか、レベルの上がり方は遅いらしい。実際他の魔法や杖術の方がレベルが高くなっている。


しかしパッシブスキルでも意識して使えばレベルが上がるのは早くなる、というのは1陣のプレイヤーたちの間では常識となっているらしく。


つまり何が言いたいのかというと、ジュカは全然スキルを活かせていなかったね!とそういうことである。

何のための猫人族だと思ってるんだ!その隠密性を活かせよ!もっと不意打ちとか狙っていけよ!

──これにつきる。


………ふぅ。

どうやら久々のゲームに大分テンションが上がっていたらしい。でもまぁジュカだって面倒臭がりではあるけれど、好きなことにはまっしぐらな猫ちゃんでもあるのだ。

こんなことだってあるかもしれない。そうに違いない、うん。


気を取り直して新たなスキルでも取ってみようか。


ちなみにデスペナルティーは、ゲーム開始から3日間は免除されているらしい。

これが通常だとゲーム内時間で3時間のステータス低下と、所持金か戦利品の中からランダムでいくつかをロストする。


それはさておき新しいスキルか。


特定の行動によって習得出来るスキルもあれば、スキルポイントを使って取得できるスキルもある。

これも戦闘や生産など、何かしら行動することで新しいリストが増えていく。


うぅん。まず実際戦闘をやってみて感じたことといえば、魔法一発では敵を仕留められないということ。これはまあ知力が低いので仕方ない部分が大きい。しかし相手の喉元や後頭部など、急所を狙ったときはダメージが大きくなる。基本急所攻撃はクリティカルになるので、〈集中〉のスキル効果も上乗せされているんだと思う。


なのでまず最初の一撃は極力不意打ちを狙っていきたい。

その為に必要なスキルは……


《スキル〈気配希釈〉〈不意打ち〉〈MP自動回復〉〈HP自動回復〉を取得しました。残りのスキルポイントは『0』です──》


こんなもんかな。

まずは一撃目を確実に決められるようにして、一匹の処理スピードを上げていきたい。そしてソロでやるなら、複数相手には各個撃破を狙っていくべきだろう。そして自動回復だけれど、これは正直効果は微々たるものらしい。でもまあ成長すればそれなりにはなるだろうし、回復手段を持つことは大事ということで。


正直肉弾戦もかなり楽しいのだけれど、最終的には自分は動かずとも敵を倒せるようになるのが目標である。そのためにはもっと魔法を使ってスキルのレベルを上げていかなければならない。

早く遠くから魔法を打つだけの簡単なお仕事に切り替えたいものである。まぁ先はまだまだ長そうではあるけれど。




所代わり再び林の中にやってきました。

そうです。あの犬っころ共に正義の鉄槌を下してやるためです、はい。


前方に見えるは3匹のワイルドドッグ。


さっき手に入れた〈気配稀釈〉と〈忍び足〉をフル活用しているため、まだ気づかれてはいない模様。


3匹いるとはいっても固まっている訳ではなく、近くで戦っていたらリンクするだろうな、という距離感である。

なのでまずは一番近い一匹の近くに、その辺に落ちていた石を投げてみる。


すると音に反応したのか、石の方に近づいてきた。


この辺は本当によく出来ているなと思う。

そして他の2頭から十分距離を離した所で魔法を打ち込む。


ギャンッと叫ぶも、まだ倒れる様子はない。

しかしまだこっちの位置がバレた様子もないので、頭を狙ってもう一撃。目眩でも起こしているのか、フラついているところに更にもう一発当てることで無事討伐完了である。


ふむ。

正直2発くらいで倒れて欲しい所ではあるけれど、贅沢は言うまい。あ、あと折角林の中にいるので、どうせなら木の上から狙ってみたいな。敵にバレたとしてもリス以外なら問題なさそうだし。


という訳で早速登ってみる。

おお、けっこうサクサク登れる!これも猫人族の特性だったりするのだろうか。


安定感のありそうな太めの枝に座り、魔法を準備する。


「……………」


いや、届かないんかーい!

ボール系魔法射程距離短すぎ問題。


仕方ないので再び石を投げてみる。

勢い余って犬の顔面にクリーンヒットしてしまったが問題ないだろう。その声に反応して残りの一匹も反応してしまったけれど、とりあえず問題はない。

残念ながら彼らは木を登れないので。


「ハッざまあねえなァ、クソ犬共が」


鼻で嗤いながら魔法を打ち込んでやる。

馬鹿にされているのがわかるのか、歯を剥き出し目を血走らせながら木に爪を立てているも意味はない。


敵の攻撃が届かない場所から高笑いを上げて魔法を打ち込むこの姿。

完全に悪役です、ありがとうございました。


ま、まぁとりあえず複数相手でも無傷で倒せたし、ワイルドドッグは木に登ってしまえば手も足も出ないということが分かったのでよしとしよう。うん。


周りに他の敵がいないことを確認して、枝から飛び降りる。

その後も何度か複数相手に戦闘を試みてみたけれど、木に登ってしまえば特に問題もなく倒すことが出来た。


その成果か、スキルリストに〈木登り〉〈投石〉〈跳躍〉が増えていた。

〈跳躍〉はあれか、枝から毎回飛び降りていたから出たのかな。〈木登り〉は正直なくても登れるけど、〈投石〉〈跳躍〉はちょっと欲しいかもしれない。

またスキルポイントが貯まったら考えよう。


そんな感じで戦闘を続けていると、岩場の影に洞窟のようなものを発見した。


中を覗いて見ると、ポツポツと松明の明かりがあり何者かがここを使っていることが分かる。


(果たして人か魔物か…)


このRFOの世界には勿論ボスと呼ばれる魔物は存在する。

しかしこの魔物を倒さないと次のエリアに行けない、というようなエリアボスではなく、その辺を彷徨いているフィールドボスに近いらしい。

なので次の街に行くために○○のボスを倒そう!ということはなく、○○にバカ強いボスがいるから戦いたくなかったら避けて通ってね。といった感じだそうな。


戦いたきゃ好きに挑んで好きに死んでくれ、なスタンスなのだとか。

まあそれなら生産職でも好きに旅が出来るし、戦闘職も満足できていいシステムだと思います。

たまに橋のど真ん中に鎮座してたり、門番の如く立ち塞がったりしてるボスもいるにはいるんだそうだけれど。


まあそういうボスは主要な場所というよりも、隠された秘密要素みたいな所に居るそうなので、気になるなら頑張って倒してね!ということらしい。

ちなみにそういった場所にいるボスは大抵バカ強い、というのがこの世界の常識である。

そんな場所が気になってしまうソロの私は一体どうすればいいのか…。


とそんな感じなので、RFOでは強さはピンキリだけど普通のフィールドにボスが突如現れる、何てこともちょこちょこあるらしい。

なのでこの洞窟の先にも、もしかしたらボスがいるのかもしれない。もしくは世捨て人とか。


どちらにせよ気になるので、ここは進む一択である。




上がる口角はそのままに、私は洞窟の中へと足を踏み入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ