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65.隠密ミッション

さて、隠密ミッションを開始したのはいいのだけれど、現状どこから探し始めたらいいのかはサッパリである。


まず第一に帝国連中がどの部屋に泊まっているのかすらわからないのだけれど。


何せこの宮殿に着いてからは、呑気にお風呂に入ってまったりしてご飯を食べたたけなので、まだ探索のたの字も行えていません。なので取り敢えずは適当に近くの部屋から調べてみることにします。


「どうやらこの区画は客室や食堂がメインのようですね。」

「みたいだな。その割に帝国の連中はいないみてェだが」

「一体何部屋あるんだろう…」


空いている部屋は意匠こそ多少の変化はあるものの、家具の配置やらはほぼ同じ作りになっていた。宮殿内は区画ごとにある程度役割が決まっているらしく、それを一先ずは虱潰しに確認していく。こういうときってマップは全部埋めたくなりません?探索漏れがあったりすると、めちゃくちゃ気になっちゃうんですよね。


そんな感じで探索を続けていると、とある部屋にたどり着いた。


「この部屋は…」

「わあ…!すごい、緑だらけ」

「植物の研究…。品種改良か?」


近くにあった本をパラパラと捲ると、どうやら優れた品種の植物を掛け合わせることで、より強い品種の植物を生み出そうとしていたらしい。あのザリムの力があれば特に必要はなさそうにも思えるけれど、ちゃんと自分たちでも研究はしているようです。


研究室でもこれといった収穫はなくさらに別の部屋を探索していると、今度は小規模なホールのような部屋に出た。この部屋は部屋というよりはガゼボのようになっており、ここから直接中庭へと出られるらしい。


「この部屋には何も置いてないね」

「ここから中庭に出られンのか」

「ジュカ様、天井を…」


ハインツに言われて天井を見上げると、ドーム状になった天井には見事な星空が描かれていた。中庭から見える本物の星空と比較しても引けを取らないくらいには見事な星空である。


しかし何と言うか、どことなく違和感を覚える。


「中庭からも星空は見えてンのに、わざわざ天井に描く必要あンのか」

「ええ。まあ星空が見えない夜でもここで見ることができるように…という可能性もなくはないですが…」

「……………。」


確かにお金持ちの思想だとそういう事もありそうな気はする。でもそれならこんな半分外みたいな場所じゃなくて、普通に室内の天井に描いた方が良くない?という話である。だって天気が悪いときに見たいんでしょう?


ハインツと二人ではて?となっていると、一人黙り込んでいたウルドがハッ!としたように話し出した。


「わかった!これ空が違うんだよ!」

「空が違う?」

「うんっ!この星空何か違和感があるなあ~って思ってたら、これ外に見える星空とは星の位置が違うんだ。かと言って適当に描かれたものでもなさそうだし…。たぶんこれ、何かの地図になってるんじゃないかなぁ?」


何ですと!?ここでまさかのウルドである。お、置いてこなくて良かったぁ…(汗)


「……場所は分かるか?」

「やってみる!ちょっと待ってて!」


何やら計算を始めたウルドはそのままにしておき、他には何かないか探索を続けてみる。中庭に降りてみると、そこには噴水とそれを囲むように像が設置されている。うん、怪しい。


大抵こういう場合は像を回転させるなりなんなりするのがセオリーかと思うのですが、どうですかね?


取り敢えず像を調べてみると、一つ一つの像には紋章らしきものが彫られているのがわかった。そしてよく見てみると同じ紋章は一つもないようで、判りにくいけれど少しずつ意匠が変わっているね。ということはどこかに正解の紋章が描かれているとは思うのだけれど…。


再び部屋に戻ってみると、ドーム状の柱を支える柱のレリーフが正にそれでした。成る程、上手いこと隠されていらっしゃる。そしてウルドが導き出した数字と正解の紋章を着けた像を探しだし、早速動かしてみる。



ゴゴゴゴゴゴゴ……───



音のした方へと振り返ると、どうやら正解だったらしい。

ちょうど背後にあった噴水の水が抜け、そこに地下へと続く階段が現れていた。


「へェ、流石優秀な船乗り様だな」

「お見事です。」

「え?いやあ、まあこれくらいはね?海の男としては出来て当然っていうか…まぁ他の人にはちょっと難しいかもしれないけどね?あ、だけど──」

「行くぞ」

「はい」

「僕はぁ……ってちょっと待ってよ!一人で置いてかないでぇっ!」


茶番はさておき先へ進む。

暫く階段を降って行くと、目の前に一つの扉が現れた。幸い鍵は掛かっておらず、そのまま部屋へと入る。


「ここは…」

「見事に本ばっかりだねえ…」

「ここでも何か研究していたようですね。」


入った部屋の壁は全て本棚で埋まり、作業用なのか机の上にも本が山となって積まれている。そこにあった一冊を手に取るも、中身を読むことは出来なかった。


「うわっなんだコレ。全然見たことない文字だ」

「ジュカ様もご存知ありませんか?」

「あァ、ダメだな」


く、悔しい……っ!読めないとわかると余計に読みたいっ!

何冊か読めばスキルが生えてこないかな?と思い何冊か手に取るも、成果はゼロ。それでも諦めきれずに別の本を手に取ってみると、なんと今度の本は読むことができた。とはいえそれも現在使われている文字ではなく、〈リューヒカイト語〉だったのだけれど。


しかし読めるのであれば読まない手はない。

早速読み進めようとしたそのとき、何かが尻尾の毛を擽るのに気が付いた。


「ン?」

「ジュカ様どうかされましたか?」

「いや…風か?」

「風ですか?」


背後を見ると、そこにあるのは一本の柱のみ。ちなみに入り口は正面なので、入り口から入ってきた風ではない。

柱をよく観察してみると、一見柱の装飾のような形で別の彫刻がついている。試しにそれを押し込んでみると、ガコンッという音と共に柱が回転した。


どうやら柱の側面がくり貫かれていて人一人が通れるくらいの隙間があるらしく、奥へとさらに道が続いている。


いいねいいね!謎解きしてる感があってとても楽しいです!

勿論ここの資料も気になるのだけれど、それよりもこれがどこまで続いているのかの方が気になっちゃいますね!

それに多分ここの本を読み始めたら読み終わるまで梃子でも動かなくなると思うので、まずは先にこっちの探索を進めて行こうと思います。読書はたっぷりと時間をとってからのお楽しみにしよう。


逸る気持ちのままズンズンと進んで行くと、二股に別れた道に出てしまった。片方は上に、片方は下へと続いている。


「ジュカ様どちらへ進まれますか?」

「そ、そろそろ戻らない?もう十分なんじゃないかな?」

「そうだなァ…」


こういう時、大抵何かあるのは地下だと思う。上は何か部屋があるか別ルートの脱出経路なんかになっていることが多い気がする。うん、ということはまず外れルートである上から潰していくのが正解かな。


「上から行くぞ」

「了解しました。」

「ひぃん……」


上方向への道を進んで行くと、今度は小さな小部屋へと出た。パッと見は物置っぽいけれど、何やら上の方から声が聞こえてくる。


天井を注意深く観察してみると、一部の天井が動かせるようになっているらしい。そのまま慎重に動かしてみると、そのまま天井が外れて上の部屋の様子が聞こえてきた。どうやら上に絨毯が置いてあるらしく多少声がくぐもって聞こえるけれど、この程度ならば問題はなさそうですね。


「────、────だ。」

「だからっ、それは出来ないってさっきから言っているだろうっ!」

「ザリム様っ!」


……………。

どうやら上はザリムの部屋だったらしい。もしやここはいざという時のための脱出経路か何かだったのだろうか。残念ながらザリムはあの従者のおじさんと共に捕まってしまったようです。相手の声はここからでは上手く聞き取れないけれど、おそらくは帝国の連中で間違いないでしょう。



「チッ、やっぱり外れだったか」

「そうですね、下の探索を続けますか?」

「いやいやいや!むしろ大正解だよねえっ!?これ助けてあげなきゃダメな場面だよねえっ!?」





え~ーーそうですかねぇ???頑張れば自分たちでなんとかできるんじゃないですかね?

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