表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/70

21.ヴァイス

ログアウトした後は固まった身体をストレッチで解しながら一息つく。

そして机に置いてあったスマホを手に取り、双子と私3人のトークルームを開いた。


夏樹:こんばんは

   二人はもう騎獣って手に入れた?



二人ともメッセージに気が付いたらその内返信してくれるでしょ、とスマホを置こうとするとすぐにポコンッと返信が返ってきた。


冬李:こんばんは、俺は手に入れたよ

   冬華はまだじゃない?何も聞いてないし


夏樹:そうなんだ。今日騎獣の話聞いたから気になってさ

   ちなみに冬李兄は何の騎獣にしたの?


冬李:フフフ、何だと思う?


夏樹:絶対鳥系でしょ


冬李:バレてるw


夏樹:冬李兄なら絶対最高難易度のやつ狙うと思った


冬李:さすが我が妹、お兄ちゃんのことをよくわかってらっしゃる


夏樹:というか、それをいつも平然と達成できちゃうあたり変態だなって思ってる


冬李:ひどくない????



そんな会話をしていると、姉の冬華も仕事が終わったのかトークに入ってきた。


冬華:ただいまー!

   なになにナッちゃん騎獣ゲットするの?いいな~!


夏樹:おかえり

   てことは冬華姉もまだなんだ?


冬華:まだだね~。そもそも私お店あるからあんまり他の街って行かないからねえ


冬李:あー、生産職はまあそうなるよなぁ


冬華:でも仕入れとかで別の街に行ったりはしたいからね

   ゲットしたいとは思ってるんだよ?思ってはいるんだけど……ね


冬李:あー……


夏樹:あー……



冬華姉が渋っている理由。

そこには隠された大きな秘密が…なんてこともなく、単純に冬華姉は運動神経が壊滅的なのである。


たぶんだけれど、まず騎獣に跨がる時点でアウトな気がする。


まずは乗る為の踏台或いは階段を用意し、騎獣には鞍とバランスをとるための取っ手、というか掴まる部分をつけないと無理だと思う。野生はほぼ100%無理なので、大人しく購入する方向で行った方が無難だと勧めておこう。


夏樹:冬華姉は素直に購入する方がいいと思うよ?


冬李:え?


冬華:え?


夏樹:え?まさか野生のやつ捕まえるの?絶対無理だよ…やめときなよ…


冬華:ナッちゃんひどい!

   えってそうじゃなくて!騎獣って買えるの?


夏樹:?フュントって街で売ってるらしいよ

   野生と違って種類は少ないけど、繁殖させたやつだから大人しいんだって


冬華:えっ絶対そっちがいい…


冬李:ちょ、待って待って!それどこ情報?


夏樹:ヤヌルカの司書のおじ様からだけど


冬李:え、あの図書館の人だよね?そんなこと教えてくれるの?


夏樹:うん、街間の移動のことで聞いたら普通に教えてくれたよ?


冬李:ええ?あの人本の場所以外の話って大体スルーしてくるのに…


冬華:あいかわらずナッちゃんは謎の人脈を築いてるねw


夏樹:そうかな…?


冬李:まあナツだしね

   ところでフュントってどの辺にあるかわかる?


夏樹:えっと、騎獣がいる辺りから南に下った草原地帯にあるらしいよ

   畜産が盛んな街だって


冬華:おっ新たな素材がありそうな予感!


冬李:その辺りなら6番目の街ってことになるのかな?

   うちで初到達目指してもいい?


夏樹:いいんじゃない?

   私は騎獣捕まえに行きたいし


冬李:さすがナツ、情報ありがとな!

   早速行ってみるよ!


夏樹:行ってらっしゃい



冬華:私も騎獣ゲット(購入)しに行こうかな~




再びのログイン。

さて騎獣を手に入れると決めたはいいものの、どんなルートで行くべきか…


騎獣がいるのはアインスベルから東へ行った先、川・森・平野と場所によって現れる種族は異なるらしい。

真っ直ぐ向かおうとするとセーフゾーンはいくつかあるけれど、数が少なく村もないらしい。さらに騎獣と戦闘することはないけれど、道中に出てくる敵は強さはそれほどだそうだけれど数が多いらしく、冬李兄からも「面倒臭かった」との感想が出るくらいには大変らしい。


うーむ。

まあ騎獣は別に早い者勝ちというわけでもないし、ここは安全策を取って北東にある〈ヴァイス〉の街を経由して行こうかな。


ヴァイスは鉱業の盛んな街らしく、近辺の街の建物の建材や魔道具に使われる魔石なんかも産出しているらしい。

魔道具なんかは高価過ぎて一般人は手を出しにくい代物な上に、職人の街というよりは工業の街というイメージの方が強いらしくそこまで人気はないらしい。


しかし中には知る人ぞ知る名職人みたいな人もいるらしく、弟子入りを目指すプレイヤーや、プレイヤーが勝手に掘ってもいい坑道もあるそうなのでそれを目当てに入り浸っているプレイヤー何かもチラホラとはいるそうな。そういえばキャロさんもたまに通ってるって言っていたかもしれない。


まあそんなこんなで早速アインスベルへと転移して、目指すはヴァイスである!



と意気込んだはいいものの、道中は何もなかった。

まあ鉱山に囲まれた街に向かうとあって石系の魔物が増えていたけれど、土魔法がどうやら魔法(物理)なタイプだったらしく、打撃系に弱かったらしい彼らには特に苦戦することもなく終わりましたね。


土魔法と言えば石礫とか石の塊をぶつけてる感じだったからね、確かにあれは魔法と見せかけた完全なる物理だったね。

 

そんなこんなであっさりとヴァイスに到着し、転送装置も無事に登録完了である。



(さてこのまま先へ……っていうのも味気ないか。折角だしちょっと観光して行こうかな)


どうやら門から続くメイン通りは建築関係や土木関係の店が並んでいるらしく、気軽に買い物をするような雰囲気ではなさそう。そのまま街の中央にある広場まで来ると、メイン通りから少し外れた通りに市場や露店が並んでいるのが見えた。


(お、あっちの方には何かありそうかも…)


早速露店を冷やかしながら歩いていると、武器や防具なんかはあまり見掛けなかったけれど工芸品や日用雑貨なんかを多く扱っているのが目に入る。

思わず途中で見掛けたチタン製のマグカップをつい買ってしまった。いや本当にチタン製なのかはわからないのだけれど。てもキャンプ(野営)にはチタン製のマグカップは必需品(個人の感想)だし、それに直火でも大丈夫だって店のおじちゃんが言っていたのでこれはきっとチタン製、うん。


今度釣りしたときに、横で焚き火しながらこれでコーヒー飲むんだ…!


あとは魔石を加工したアクセサリーなんかも売っている。

そもそも魔石とは何か?というと、要は魔力のこもった石(鉱石)である。


地中に溜まっていた魔力が結晶化することで出来るのが魔石であり、見た目は水晶みたいな感じ。魔石に含まれている魔力が多いほど硬度が高くなり、少ないほど脆くなるらしい。


じゃあ魔力含有量の少ない魔石には需要がないのかと言うと、そうでもないんだとか。

魔道具を作るときなんかは砕いた魔石を専用のインクに混ぜて魔法陣を描いたりするらしく、むしろ魔力含有量の少ない脆い魔石の方が需要があるんだそうな。まあ含有量の高い魔石は、それはそれで目玉の飛び出るような値段で取引されているみたいだけれどね。


あとは火山地帯や海の洞窟なんかで採れる魔石は始めからその地の属性を持っているらしく、火の魔石やら水の魔石として採掘できるらしい。

普通の魔石は属性を持っていないけれど、後からその属性の魔力を込めることで魔石に属性を持たせることは可能らしい。でもやっぱり天然物と比べると効果は落ちてしまうとか。


そんな話を露店のおばさまから仕入れつつ通りを歩く。


(ん?あれは……)


目に入ったのは一つのアームレット。

手首ではなく二の腕につけるタイプの腕輪ね。


頭と尻尾の先両方が蛇の頭となって腕に巻き付いているデザイン。そして蛇の目の部分に小さな魔石が計4つ嵌められている。


へぇ、悪くないんじゃない?



[アクセサリー]身代わりの腕輪(4/4) 品質:普通 レア:No

[備考]HPの4分の1を使って身代わりを作成する。攻撃を一回だけ防いでくれるが、攻撃が当たると身代わりは壊れてしまう。使用回数は4回。



ほお~結構いいのでは?

ちょっと某携帯獣のみがわり技を彷彿とさせるけれど。


使用回数が4回っていうのも、まあ一気に4回使ったらHP失くなって死んじゃうからね、ということかな。

これはどちらかと言うと戦闘中よりも逃走するときに便利な道具な気がする。攻撃を受けると壊れてしまうとはいえ、その身代わりが攻撃されてる間に逃げればいいじゃない!みたいな。




んーーー……買いで。


いやあ、なんだかんだで街に行く度に買い物しちゃってるから全然お金が貯まらない…。

でもまだ装備を新調する予定はないし、大きな買い物をする予定もないからいいのだけれど、流石に常にカツカツの生活というのは避けたいところ。



 



どっかの遺跡にお宝とか埋まってたりしませんかね?

学者系の称号は一部のNPCからの好感度が上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ