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90話:ルリさんの配信が大変な事になっている!?

 カケルさん達とのコラボ配信を初めてからしばらくして。


「おっ、スパチャありがとう! ユウ君に質問だってさ! えぇっと、火属性魔法を極めようと思った理由を教えてください! との事なんだけど、そういえばユウ君ってどうして火属性を極めようとしたの?」

「あぁ、確かにそれめっちゃ気になるなー! ユウ君が火属性を一番推してる理由って何でなの?」

「あ、は、はい。まぁその……ちょっと恥ずかしいんですけど……僕、小学生の頃は毎週土曜日にやってる戦隊ヒーローの番組が好きだったんです。毎週録画してもう毎日のように何度も見てたんです」

「おー、特撮テレビ番組か! 俺もめっちゃ好きだよ! 戦隊ヒーローってやっぱり男のロマンだよなー!」

「はは、ユウ君って見た目がめっちゃ女の子っぽいからちょくちょく忘れそうになるけど、やっぱりユウ君も俺達と同じ男だってのがわかると嬉しくなるなー! でもその戦隊ヒーローが好きっていう話が何で火属性を極めようって話になるんだ?」

「は、はい。その……やっぱり戦隊ヒーロー作品って主人公は赤色がメインカラーで熱血っていうのが王道じゃないですか? それでその……何だか僕もそういう主人公のヒーローに憧れていたので……気が付いたら無意識のうちに熱くて赤色の火属性の魔法ばっかり使うようになったという感じです……」


 僕はスパチャを貰ったので、火属性ばっかり使っている理由をしっかりと語っていった。うぅ、でもこんな子供っぽい理由を語るのはちょっと恥ずかしいよ……。


「へぇ、そういう理由だったんだ! あはは、めっちゃ良い理由じゃん! 俺も戦隊ヒーロー作品は子供の時めっちゃ見てたし赤色が一番好きだってなるその気持ちはめっちゃわかるわ!」

「俺も戦隊ヒーロー作品を見てた時はいつも赤色の主人公が大好きだったなー! それにユウ君ってよく考えたら主人公属性めっちゃ強いよな! だからユウ君が火属性魔法を極めているのは解釈一致過ぎるな!」

「え? そ、そうですかね?」

「そうだよ。だってユウ君ってヤングワイバーンからルリちゃんを助けて行ったり、ヒュドラから俺達を助けて行ったりとか、困ってる人達をいつも颯爽と助けていってくれるじゃん! はは、それってまさに主人公って感じだろ!」

「あぁ、確かに確かに! そう考えるとユウ君は戦隊ヒーロー物だったら主人公の赤色決定だな!」

「そ、そうですかね? は、はい、そう言って貰えると何だか嬉しいです! それじゃあこれからも困ってる人を助ける主人公目指して頑張ります! ……って、あ、あれ?」


 そんなスパチャの読み上げをしながら楽しくカケルさん達と雑談をしていってると……急にチャット欄が賑わってきた。


atagi:た、大変!! ユウ君せんせー助けて!!

枢木:ユウ君ガチで大変!!

ぺこ:お願いユウ君! 助けて!!

gori:ユウ君助けて!!

もる:ユウ君お願いだよ!! 助けて!!

……

……

……


「な、何だこのチャット? いきなり脈略の無いコメントが沢山流れて来たな? それにユウ君に助けを求めていってるチャットばっかりだな? な、何だこれ?」

「そ、そうですね。でも確かここに書かれてるチャットの名前って……ルリさんの配信を良く見てるリスナーさんばっかりな気がします」

「え? そうなの? それじゃあルリちゃんの配信からこっちに流れて来たって事か?」

「ふぅん? でもなんで急にルリちゃん配信のリスナーが俺達のチャンネルに沢山のコメントを打ち込んでるんだ?」

「そ、そうですね、ルリさんの配信で何かトラブルでもあったのかな? あ、ちょっと浅香さ、ルリさんの配信を一旦覗いていってみてくれないかな?」

「うん、わかった。それじゃあちょっとスマホでルリさんの配信見てくるねー」

「うん、お願いー」


 そう言って浅香にルリさんの配信を確認しにいって貰う事にした。すると……。


「え……って、えっ!? お、お兄ちゃん!!」


 すると浅香は一瞬でかなり驚愕とした表情を浮かべながら僕の方に顔を向けて来た。


「うん? どうしたの浅香?」

「た、大変だよお兄ちゃん!! る、ルリさんが……ルリさんが!!」

「え? ルリさんが……ど、どうしたの?」

「ルリさんが……ルリさんが……ルリさんが大変なんだよ! お兄ちゃん!! こ、これ見てっ!!」

「え……えっ!?」


 そう言って浅香はルリさんの配信が映っているスマホを僕の方に渡してきた。そしてその画面には……。


『ぐ……がっ……う……』

『グルルルッ、グルギャアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』


「なっ!? こ、コイツ……キングワイバーンじゃないか!?」

「え、この画面に映ってるのってキングワイバーンなのか!? って、それ最上級モンスターじゃねぇか!?」

「は、はぁ!? なんでルリちゃんがキングワイバーンと対峙してんだよ!?」


 そのスマホ画面にはダンジョン内でボロボロになって倒れ込んでいるルリさんと、そのボロボロのルリさんをじっと睨みつけて咆哮をあげているキングワイバーンが映し出されていた。

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