89話:アストルフォを探索していると……(ルリ視点)
アストルフォのダンジョン配信を開始してから数十分後。
私はアストルフォの一階層をグルグルと探索しながらモンスターをどんどんと倒していってた。
増殖期と言う事でモンスター達は多少は凶暴化しているけど、でも下級モンスターなので特に対応に困る事もなく普通に倒す事が出来ていっていた。
そして私はモンスターと戦っている時にとある事にすぐに気が付いた。それは……。
「いやー、ここしばらくトレーニングをずっとしてきた甲斐もあって、モンスターとの戦闘が凄く楽になってるよ! まぁ今は下級モンスターとしか戦ってないけど、でもトレーニングの成果がバッチリと出てるよ!」
ぺこ:今までのルリちゃんと比べても目に見えて俊敏な動きしてるよ!
枢木:しかもモンスターを倒す速度も凄く上がってる!
atagi:やはり筋肉は裏切らないという事か!
冴木:ルリちゃんの配信を見ていると、俺も頑張ってトレーニングした方が良さそうだなー
という事で私がすぐに気が付いた事というのは、何とモンスターを倒す速度が圧倒的に早くなっていたんだ。
もちろん今倒しているのは下級モンスターではあるけど、こんなにも簡単にモンスターを討伐出来るようになっているなんて私は凄くビックリとしていった。そして……。
(ここまで毎日トレーニングをしてきた成果がちゃんと出てきてるなんて……こんなの凄く嬉しいな!!)
そして私はこの二ヵ月近く頑張ってトレーニングをしていった成果を感じる事が出来てとても嬉しい気持ちになりながらもダンジョン配信を続けていった。
「うんうん、本当にトレーニングオススメだよー! 私が今から初心者冒険者のコーチングをする事になるんだったら迷わずトレーニングをオススメするよ! という事で皆も私のトレーニング配信見ながら一緒にトレーニングしていこうね!」
ぺこ:うん、私もトレーニング頑張る!
gori:同じくトレーニング頑張る! ルリちゃんと一緒に頑張っていく!
枢木:俺も頑張ってトレーニングしていってC級冒険者に昇格目指すぞ!
「よし、その意気だよ皆! それじゃあ皆で一緒にトレーニングを積み重ねていって一流の冒険者を目指して頑張っていこうね! って、あ……いつの間にかもう次の階層に行く階段に到着しちゃったね」
atagi:えっ!? もう第一階層終わったの!?
枢木:第一階層探索終わるの早すぎ!!
gori:めっちゃ早く探索出来たね! ルリちゃんが強くなっている証拠だ!
「いやー本当に物凄い短時間で第一階層を周り終えちゃったね。こんなに早くに終わるなんて思ってなかったなー」
冴木:確か前までは一人で第一階層を探索するのに一時間以上かかってたよね? 凄い成長してて尊敬するよ!
gori:どんどんとルリちゃんが冒険者として強くなっていっててワイも鼻が高いよ(後方彼氏面
ぺこ:こんなに早く第一階層が終わるなんて凄い! それじゃあ今日はこのまま第二階層も探索していくのかな?
「あ、ううん。今日はこの一階層を探索するだけで終わりにする予定だよ。まぁ繫殖期だし、深い階層まで潜り込むのは危険も多いだろうからね。それに私は安全に気を使って攻略するのに定評が冒険者だからね! だから今日の冒険はこれで終わりにする予定だよー!」
くろ:それが良さそうだね、冒険者たるもの安全第一で過ごすのが一番大事だしさ!
冴木:確かにそうなんだけど、それじゃあ今日のダンジョン配信はこれで終わりな感じかー。もっと見たかったなー……
もる:私ももっとルリちゃんのダンジョン配信が見たかったなー……
「あはは、もっと見たかったって言って貰えるのは凄く嬉しいなー! でもまぁあと少しで繫殖期も終わるし、それが終わったらまたガンガンとダンジョン配信をしていくから皆期待していってよ! もちろんユウ君とのコラボ配信も沢山していくからさ!」
ぺこ:おー、ガンガンとダンジョン配信してくれるのは嬉しい!
atagi:ユウ君とのコラボ配信を沢山してくれるのも凄く楽しみだー!
くろ:¥5.000 ユウ君せんせーとのコラボ配信に期待を込めてスパチャ!
「くろさんスパチャありがとう! うんうん、ユウ君せんせーとのコラボ配信期待しててー! リスナーの皆が凄く楽しめるように色々と企画も作っておくからさ!」
くろ:色々な企画!? 何それすっごくワクワクする!
atagi:これからもルリちゃんの配信には期待大だね!
ぺこ:今日のダンジョン配信は短くて残念だけど、でも今後の配信の事を考えると凄い楽しみになってきたよ!
枢木:これからもルリちゃんの配信活動を応援してるよー! これからも頑張ってね!
「あはは、皆そう言ってくれて本当にありがとう! それじゃあリスナーの皆にこれからも楽しんでもらえるように全力で頑張っていくよー! という事でこの後は戻り石を使ってアストルフォの入口に帰還するだけだから今日の配信はこれで終わりにするね! それじゃあ皆、おつルリー……って、あれ?」
ぺこ:おつルリー!
枢木:おつルリー!
atagi:おつルリー! って、どうしたの? ルリちゃん?
ぺこ:どうしたのルリちゃん? 何か気になる事でもあったのかな?
「いや、何だか今……すぐそこの岩場の陰に誰かいたような気がしたんだけど……って、えっ!?」
すぐ近くの岩場付近に誰かがいるような気配を感じた私は一旦そっちの岩場の方をチラっと見ていってみた。
するとその瞬間……何とその岩場の裏から一人の男性が姿を表してきた。そしてその男性は私にとって物凄く馴染みのある人物だった。その男性とは……。
「よぉ……元気してたかぁ……?」
「え……す、スザク……さん?」
その岩場の裏に隠れていた人物とは……なんと元ダンジョン配信者のスザクさんだった。




