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86話:とても長い一日の始まり

 それから数日後の土曜日。


 今日は東京にあるカケルさんとシュウジさんの事務所に行ってコラボ配信をする日だ。


「よし、荷物も全部持ったし、それじゃあそろそろ出かけようか、浅香」

「うん、わかった。お兄ちゃん」


 という事で僕達は機材や着替えやお土産などを詰め込んだバッグを担いでいきながら一緒に家から出て行った。そしてそのままノンビリと雑談をしながら駅まで歩いて行く事にした。


「それじゃあ改めてこの二日間の流れについてなんだけど、今日は午後から夕方までカケルさん達とのコラボ配信をしていくからね。それが終わったら今日はホテルに泊まって、そして明日は朝からルリさんと病院で待ち合わせをして雪人君のお見舞いに行ってから帰宅するって流れだよ」

「うん、了解だよ、お兄ちゃん。ふふ、東京に一泊出来るなんて楽しみだなー!」

「はは、確かにそうだね。あ、そうだ。そういえば昨日の夜にルリさんから連絡が来たんだけどさ、良かったら今日の晩御飯は三人で集まって食べないかって誘われたんだけどどうかな? 浅香的にルリさんと一緒に晩御飯ってどう?」

「えっ? ルリさんと東京で晩御飯を食べれるの!? うん、それは是非とも行きたいよ!」

「はは、だよね。わかった。それじゃあすぐにルリさんに連絡しておくね」

「うん、ありがとう、お兄ちゃん!」


 という事で今日の晩御飯はルリさんと合流して一緒に食べる事が決まった。それも凄く楽しみだな。


「あ、そういえばルリさんの話で思い出したんだけどさ、今日はルリさんもダンジョン配信をする日なんだよね? ちょうどお兄ちゃんがカケルさん達の配信にお邪魔してる頃にやる感じなのかな?」

「うん、そうだね。ルリさんも今日は日中~夕方くらいまで配信をするって言ってたから、多分僕達と同じくらいの時間帯に配信をするんじゃないかな?」

「なるほどー。それじゃあ今日のルリさんの配信は私達は生で視聴は出来ないね」

「うん、そうだね。ちょっと残念だけどルリさんなら絶対に面白い配信をしてくれると思うし、アーカイブを楽しみにしておこうか」

「はは、そうだよね。ルリさんなら絶対に楽しい配信をしてくれるって確信出来るよね。あ、それじゃあ今日の夜は一緒にホテルでルリさんのアーカイブを見ようよ!」

「おー、それは良いアイデアだね! うん、そうしようか!」


 という事で僕達は今晩の予定も決めていった。浅香と一緒に夜更かしをするのも何だか久々だから楽しみだなー。


 そしてそれからも僕達はルリさんについてや冒険者についてなどの他愛無い話をしていきながら東京へと向かって行った。


◇◇◇◇


 それから数時間後。


 僕達は新幹線や在来線を乗り継いでいき、東京にあるカケルさん達に教えて貰った事務所へとやって来た。


「おっすおっすー! 久しぶりだねユウ君!」

「わざわざ東京まで来てくれてありがとう! 今日は一日よろしく頼むよ!」

「はい、お久しぶりです、カケルさんにシュウジさん! 今日は事務所に招いて頂きありがとうございます! あ、それとこっちが僕のチャンネルのサポートを担当してくれてる妹の……」

「妹の浅香です。今日は兄の撮影スタッフとして参加させて頂きます。今日は一日よろしくお願いします」

「おぉ、この子がユウ君の妹さんなんだ! ご丁寧にありがとう! それじゃあ今日一日よろしくね!」


 という事で事務所にやって来た僕は早速カケルさん達と久々の挨拶を交わしていき、妹の浅香の事も紹介していった。


 そしてやっぱり以前の印象通りカケルさんもシュウジさんも凄く優しいお兄さんって感じの二人組だった。


「よし、それじゃあ今日の流れなんだけど、以前に言ったように前半戦は俺達のチャンネルで配信を始めていって、後半戦はユウ君のチャンネルで配信をしていくって流れで大丈夫かな?」

「はい、それで問題ないです!」

「うん、わかった、ありがとう! それとモニターとか照明とか配信で使うと思う機材は一通り揃えてあるからユウ君達も好きに使って良いからね。よし、それじゃあ早速配信の準備をしていこうか! えっと、それじゃあユウ君の立ち位置はこっち側にして貰って……」


 それからすぐに僕達はカケルさん達と一緒に配信の準備と軽い打ち合わせを始めていった。


 そしてこの後カケルさん達とのコラボ配信がいよいよ始まるんだ。凄く楽しみだな!

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