表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/103

78話:何とか抗議していこうとしたんだけど……(スザク視点)

「何故だと言われても、規則違反をされたら冒険者ギルド側としては厳重に処罰をしなければならないからね。ただそれだけの話だよ」

「は、はぁ!? い、いや、でもさっきアンタ言ってたじゃねぇか! 素直に認めたらお咎めなしになるってよ! それは嘘だったのかよ!?」

「もちろん嘘ではないよ。君のライセンスを剝奪するだけでそれ以上のお咎めは無しなんだからね。こんなの破格過ぎると思って欲しいものだよ?」

「は、はぁ!? 何いってんだよ? こっちは金を稼がなきゃなんないってのに……冒険者ライセンスを失ったらどうやって生きていけばいいんだよ!!」

「どうやってと言われても、君は未成年じゃなくて立派な大人だろ。別にダンジョンに入って金稼ぎなんかせずとも普通の会社で働けば良いじゃないのか?」

「なっ……そ、そんな事出来るかよ!!」


 だって俺はB級冒険者なんだぞ! だからダンジョンの冒険での収入も毎月100万以上は簡単に稼いでたんだぞ? 配信業も合わせたら毎月1000万以上は軽く稼いでたんだぞ!?


 そんな超優秀な冒険者かつ配信者だった俺が……これから普通の会社で毎月たったの数十万円を稼ぐために身を粉にして働けっていうのか!? 


(じょ、冗談じゃねぇよ!! そんな人生の負け組になんてなってたまるか!!)


「そんな事って君は言うが……しかし普通に考えて冒険者の人口よりも普通の会社で働いている人口の方が圧倒的に多いからね? だからこれから冒険者が出来なくなったとしても、別に生きれないなんて事はないだろ?」

「い、いや、それはそうだけど……で、でもやっぱりおかしいだろ! ダンジョン内で召喚魔法を解除し忘れただけでライセンスを剝奪するなんてそんなの横暴だ! そんな召喚魔法の解除し忘れる冒険者なんて俺の他にも沢山いるだろ!」

「まぁ召喚魔法を解除し忘れる冒険者は君の他にも少なからず存在しているのは確かだね。でもだからと言って君のライセンスを剝奪するのが横暴だとはいう事にはならないはずだよ。召喚魔法の解除し忘れは危険行為に変わりないのだからね」

「そんだけ沢山の奴らが召喚魔法の解除し忘れをする時点で俺達冒険者のせいじゃねぇよ! こんな欠陥魔法を完全に禁止にしてないお前らギルド職員が悪いんだろ!」

「なるほど。沢山の人達が召喚魔法の解除をうっかりと忘れてしまうのなら、それはちゃんと規制してない我々ギルドのせいと君は主張するのだね。ふむ、それじゃあそれを争点にして……我々ギルドを訴えてみるかい?」

「……え?」


 俺は厳重に抗議していると、支部長は至って冷静な表情のままそんな事を言い放ってきた。


「い、いや、べ、別に訴えるとかそういうつもりは……」

「君は我々の裁定に不服なんだろう? それならばもうここからは弁護士を挟んでしっかりと裁判所で話し合うしかないんじゃないのかい? まぁしかし、そうなると今回の件は表にしっかりと公表せざるを得なくなるんだが……それでも君は良いという事かな?」

「うぐっ……!」


 支部長は俺の目をしっかりと見ながらそんな事を言ってきた。今回の召喚魔法の件が全て公表されてしまったら確実に俺の人生が破滅に向かってしまう。SNSや匿名掲示板でまた俺の事を燃やされてしまう……!


「あぁ、それともしも君が我々ギルドを訴えるというのなら、こちら側も正式に君を訴えなければならなくなるんだが、それでも構わないかな?」

「え……って、は、はぁ!? な、何で俺が訴えられなきゃなんねぇんだよ!」

「君の召喚魔法の件で我々ギルドは全国のダンジョンに監視カメラを設置していったんだよ? その費用がどれほどかかったと思うんだ? その費用請求を全て君個人に訴えっても良いんだよ?」

「う、うぐっ……そ、それは……困る……」

「ふむ。だろうな。だが今回の件はこれ以上大事にするつもりは我々ギルドには一切ない。だから今回の件は君の冒険者ライセンスの剝奪する事で手打ちにすると言っているんだ。我々ギルドは君の事は刑事告発はしないし、君の冒険者ライセンスを停止する事になる件も世間に公表するつもりもないからね。だからこれからは人に迷惑をかけずに真面目に働くんだよ」

「ぐ……ぐぐっ……」


 支部長は俺に向かってそんな宣告をしてきやがった。俺は全く納得出来なかったけど……でもこれ以上反論して俺の事を正式に訴えて来られたら終わるので、俺はこれ以上は何も言えなかった。だけど……。


「という事で私からの話は以上だ。何か言い足りない事はあるかい?」

「……一つだけある。召喚魔法の解除忘れなんて……別に珍しい事じゃないだろ……? それじゃあこれからは……召喚魔法の解除を忘れた奴は全員とっつ構えるって事なんだよな……? なら俺以外の召喚魔法の解除し忘れた奴らも……ちゃんと過去まで遡って全員ちゃんとライセンスも剝奪しろよな! そ、そうじゃなきゃ許さねぇぞ!! 他の奴だって召喚魔法の解除しわすれてる奴なんか沢山いるのに……俺だけライセンス剝奪されるなんて絶対に許さないからな!!」


 俺はブチギレながらそんな事を支部長に言っていった。俺以外にも禁止行為をしてるヤツがいるのに……俺だけライセンスを剝奪なんて絶対に許せねぇからな!


「もしも俺のライセンスを剝奪するって言うんならちゃんと他の違反者も全員ライセンスを剝奪しなきゃ絶対に許せねぇからな! ちゃんと今までの違反者も徹底的に処罰しろよ!!」

「ふむ。それは確かに議論するに値する話だね。もちろん君が言うように今までに召喚魔法の解除をうっかりとし忘れた者が他にもいるのは事実だね。ギルド総出で調べて見たらもしかしたら数百件は出て来るかもしれないね。しかしそれを過去まで遡って全員処罰するなんてのは不可能だ」

「は、はぁ!? な、何でだよ!? それじゃあ何で俺だけライセンス剝奪なんだよ!?」

「それはもちろん今までは召喚魔法による被害者はいなかったからだよ。だから今までは厳重注意で住んでいたんだ。でも今回は被害者が出てしまった。如月ルリ氏という明確に怪我をしてしまった女性がいるんだからね」

「あ……そ、それは……!」


 急に支部長はそんなクソ女の名前を出してきやがった。如月ルリ……またお前の名前かよ……いつもいつもマジでアイツは忌々しいクソ女だな……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ