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77話:久々に冒険者ギルドに行くと急に支部長室に連行された(スザク視点)

 俺は数週間前に配信チャンネルが永久banを食らってしまった。その結果俺は配信による広告収入が一切得られなくなってしまった。


「くそ、今までは配信関係だけで毎月500万近く稼いでたはずなのに……なんでこんな事になっちまったんだ……」


 今までは配信だけで簡単に大金を稼いでいたのに、そんな配信関係の仕事が一つも出来なくなってしまったので今の俺は完全なる無収入状態となってしまっていた……。


 そして俺には貯金なんてものも一切無いので、このままだと俺は近い内に生活出来なくなって死んでしまう事になるぞ……。


「はぁ、仕方ない……こうなったら久々にダンジョン探索で金を稼ぐしかないか……」


 俺はため息を付きながらそんな事を呟いていった。俺はここしばらくはダンジョン探索を全くやってなかったんだ。


 その理由はちょっと前に大炎上したせいで、ダンジョンに行ったら周りの冒険者達に毎回笑われる状態になってしまっていたからだ。


 周りのよく知らん奴らに笑われるなんてマジでムカつくし、そんな生き恥みたいなのを晒したくないと思って、俺はここしばらくダンジョンには行かないようにしていたんだ。


 だけど今はもうそんな事を言ってる場合じゃねぇ。俺は金を稼ぐためにもダンジョンに行かなきゃならねぇんだ……。


 という事でそう思った俺は久々にダンジョンに入るための許可証を貰いに冒険者ギルドに行ってみたんだけど……。


◇◇◇◇


 それからしばらくして。


「さて、それではもう一度スザク君に聞くんだけど……アストルフォにて君が召喚魔法を発動したという痕跡が検出されたんだ。それについて君は何か心当たりはあるかい?」

「うぐっ……い、いや、それは……」


 久々に地元の冒険者ギルドに訪れてみると、俺はすぐにギルド支部長室に連行されていき、そこで支部長からアストルフォの件について何度も尋ねられていた。


(お、俺の召喚魔法がバレたのか? い、いや、でも……調査は終わったって言ってたのに……ど、どうしてだよ……?)


 こんな事が世間にバレたらまたSNSが大炎上すると思ったので、俺はずっと狼狽えながらも黙秘を続けていった。すると支部長はそんな俺の狼狽えた様子を見ながらこんな事を言ってきた。


「ふむ。ちなみなんだけど今回は現場の残っていた魔力残滓から君を特定する事が出来たんだ。現代科学の進歩は凄いよね。という事で今回は証拠もしっかりと出ちゃってるから素直に認めた方が良いと思うよ。それに今だったら素直に認めればお咎め無しになる可能性が凄く高いからね?」

「え? ほ、本当かっ!? え、えっと、それならまぁ……あ、あぁ、確かに少し前にアストルフォで召喚魔法を使ったよ」

「ふむ。そうか。それでは次の質問なのだが、何故君は召喚魔法を解除せずに帰ったんだ? 何か召喚魔法を解除したくなかった理由でもあったのかい?」

「うっ……そ、それは……」


 それはもちろん如月ルリを痛めつけるためだった。アイツがアストルフォで遊んでるってのを事前に知ってたから、俺はアイツを痛めつけるためだけにアストルフォでヤングワイバーンを召喚したんだ。


 でもそんな事を真面目に答える訳にはいかない。だってそんな事を言ったら100%警察に捕まっちまうからな……。


 だから俺は支部長が尋ねて来たその事を全力で誤魔化していく事にしていった。


「い、いや、それはその……実は闇魔法の修行の一環でアストルフォで召喚魔法の練習をしてたんだ。冒険者の少ないアストルフォなら召喚魔法が失敗しても被害は出ないだろうと思ってさ……」

「ふむ。なるほど。魔法の練習は良い心掛けだな。しかし、今の君の言葉は私の尋ねた疑問の回答にはなってないようだが?」

「あ、あぁ。それで何というか……その闇魔法の練習に一生懸命になり過ぎちまったせいで……帰る時に召喚魔法の解除をうっかりと忘れちゃったというか……」

「なるほど? それではスザク君はアストルフォで召喚魔法を解除しなかったのはわざとではなく、うっかりと忘れてしまっただけという事なのかい?」

「あ、あぁ、そうなんだよ! いやもうマジですっごく反省しているよ! だから本当にもうすいません!」


 という事で俺はそんな嘘を付きまくりながら支部長に全力で許しを乞うていった。


「ふむ。まぁそこは本人の言葉を信じる事にしよう。それに今回は幸運にも死者は誰一人としていなかったわけだからね」

「そ、そうだよな! まぁ今回は俺の不注意のせいだけど、でも誰も命を落とさなくて本当に良かったよな! あはは! それじゃあ、まぁこれからはマジでもっと気を付けて冒険するんで今回は色々とすいませんでした! あはは!」

「ん? いや、もうこれからスザク君は気を付ける必要はないよ?」

「あはは……って、は、はぁ? き、気を付ける必要はないって……ど、どういう事だよ?」


 俺は笑いながらそう言っていくと支部長はピシャリとそう言ってきた。俺は意味がわからなくてそう聞き返していってみた。すると……。


「まぁ君には残念だと思うけど召喚魔法は“危険魔法”の一つに指定されているからね。だからその召喚魔法を解除しないで帰ってしまうなんて危険行為はわざとでは無かったとしても重罪に当たるんだ。なので冒険者規則に従って、スザク君の冒険者ライセンスは本日を持って失効する事となり、さらに今日からスザク君は全ての冒険者活動も一切禁止となるよ」

「は、はぁ!? 俺の冒険者ライセンスが失効!? い、いや、何でだよっ!!」


 支部長は淡々とした表情のまま俺に冒険者ライセンスの失効を言い渡してきた。俺はそんな事を言われるなんて思いもしなかったので大きな声を出しながら不服を申し立てていった。

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