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74話:今後のコーチングの方針を決めていく

 あれから数日後の夜。今はルリさんと通話をしていっている所だ。


『……なるほどー。そういえば確かにこの時期って増殖期だったね。それじゃあしばらくはコーチングの方針も変えていった方が良いよね?』

「そうですね。なので僕からの提案としてはしばらくの間はダンジョン探索ではなく、自宅やジムなどでも出来る魔法の修行を重点的にやっていく感じにした方が良いと思うんですけど、どうですかね?」

『うん、わかった! 私もそっちの方が良いと思うしね! それじゃあしばらくの間はコーチングはお休みって感じかな?』

「そうですね。増殖期が終わったらまたダンジョン探索をしながらコーチングを再開するって感じが良いかなと思います」

『うん、わかった! それじゃあ増殖期が終わったらまたコーチングよろしくね!』

「はい、了解です!」


 僕はルリさんに増殖期の事をしっかりと伝えていき、これからしばらくの間は魔法の修行を自主的に行って貰う事を提案していった。


(それにルリさんには魔法の才能もあるし、この増殖期が終わる頃にはまた上級魔法を一つくらいは覚えられるだろうなー)


 という事で僕はこれからのルリさんの成長に期待しながらも、とりあえず厄介な増殖期がさっさと終わってくれるのを祈っていく事にしていった。


『あ、そうだ。ちなみになんだけど増殖期の間にもしもダンジョンに入る事があるとしたら何か気を付ける事ってあるかな? 私は去年までは低階層でしか探索してなかったから、今まで増殖期に関してはそこまで影響は受けてなかったんだよね」

「あぁ、なるほど。確かに増殖期になっても低階層の下級モンスターに関してはあまり問題はないですもんね。ですけど中級以上のモンスターはかなり強くなっているので、この増殖期に中階層まで行く場合は基本的にはパーティを組んで探索するのが良いと思います。ソロで中階層以降に行くのは絶対にオススメしません!」

『ふむふむ。なるほどね。ちなみにユウ君はこの増殖期の時に中階層とか最深層まで行った事はあったりするのかな?』

「あ、あぁ、はい。まぁ一度だけありますね。増殖期を甘く見ていつも通りソロで地元のダンジョンの最深部まで行っちゃった事があるんですけど……そこでは最上級モンスター達による縄張り大戦争が起きてましたね。もう大慌てて急いで逃げ帰りましたよ……」

『ひ、ひえぇっ……そ、それはかなり怖いね。と、というかそんな超絶危険なだけで何のメリットもない時期はダンジョンの最深部には行っちゃ駄目、みたいな入場制限をギルドでもやった方が良いんじゃないいのかな? 何でギルドはそういう事をしないんだろうね?』

「あー、いや、確かに超絶危険ではあるんですけど……でも一応増殖期に最深部まで行くメリットはあるんですよ」

『え? メリットなんてあるの? それは一体何なのかな?』


 僕がそう言うとルリさんはキョトンとした声でそう尋ねて来た。なので僕はその質問に答えていった。


「まぁ簡単な話なんですけど、この増殖期だけはモンスター同士で争う期間になっているんです。だから最上級モンスター同士で争っている場合は、片方の最上級モンスターが倒れたら、生き残ったもう片方の最上級モンスターも瀕死の状態になっている事が多いんです。という事はつまり……」

『あっ、なるほど! つまり増殖期には最上級モンスターを漁夫る事が出来るってわけだ! 最上級モンスターは瀕死状態になってるからいつもよりも倒しやすくなってるって事だね!』

「はい、そうなんです。だから昔の冒険者達は増殖期になると実力者同士でパーティを組んで積極的に最深部まで行ってたそうです。それで最上級の魔石やレア装備品、レアアイテムなどを乱獲してた歴戦の冒険者達も沢山いたそうです。まぁもちろんその最上級モンスターとの戦いで敗れて亡くなった冒険者も非常に多いと聞きますが……」

『な、なるほど。それはちょっと怖い話でもあるね……って、レアアイテム? そ、それってもしかして……?』

「……はい、そうですね。最上級モンスターからドロップするアイテムにはエリクサーが含まれてますよ」

『っ!?』


 今の所エリクサーがドロップするのは最上級モンスターだけだ。


 最強の飛竜種であるキングワイバーン、最強の獣種であるキングベヒーモス、最強の海龍種であるキングリヴァイアサンなどなど……各種族の最上級モンスターからエリクサーがドロップするんだ。


 という事はつまり……エリクサーが欲しいのなら、モンスター同士で争う事が起きるこの増殖期がある意味一番入手しやすい期間にはなっているんだけど……。


「えっと、まぁそんなわけで増殖期にはそういうメリットがあるんですけど、でも今はあまりそんな事は気にせず自分のレベルアップを頑張っていく事に力を注いだ方が良いと思います!」

『うん、そうだね。確かにそれは物凄いメリットだけど……でも流石にそれは命を無くすデメリットの方が圧倒的に高いし、この時期はダンジョンに行くとしても低階層以外は絶対に近寄らないようにするよ! だからこれからも私の訓練に付き合ってね! ユウ君!』

「はい、もちろんです! それじゃあしばらくの間は魔法の修行を頑張っていってくださいね! ルリさんならきっと近い内に上級の風魔法をまた取得出来ると思いますよ!」

『あはは、うん、わかったよ! それじゃあ頑張って新しい魔法を取得してユウ君をビックリとさせちゃうね!』

「はい、楽しみにしてます!」


 という事で増殖期が終わるまではコーチング活動を一旦中断して、ルリさんには魔法の修行に力を注いで貰うという方針で決まっていった。

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