66話:ルリさんとコラボ配信をしていく②
『え、えぇっと……あ、そうだ! 話がガラっと変わるんだけど、それじゃあ今日のユウ君と一緒にやる事を発表していくねー!』
―― atagi:無理矢理話を変えていったw
―― gori林:力技過ぎてちょっと笑っちゃったw
―― わふー:ユウ君が可愛いって事実は一生覆らないしスルーで良いでしょw
―― ペコ:おっ、今日のやる事って何だろー?
―― 枢木:二人で何をするのか楽しみ!
『うん、皆楽しみにしてくれてありがとー! それじゃあ今日のコラボ配信はダンジョン探索をしながらユウ君せんせーに冒険者やモンスターなどについての色々と講義をしていって貰います! 私が生徒役でユウ君はもちろんせんせー役だよ! ふふ、それで大丈夫かな? ユウ君?』
『は、はい、もちろん大丈夫です! ちゃんと探索中に話す事も色々と考えて来たので大丈夫です!』
―― kuro:おぉっ、そうなんだ! ルリちゃんがパーティ探索するのは新鮮!
―― ぺこ:ルリちゃんの配信でユウ君せんせーの授業が見れるのは面白そう!
―― atagi:ルリちゃん×ユウ君せんせーは絶対に面白いよ!
―― 黒天:これは凄く期待感が膨らむコラボ配信だね!
『うんうん、私も今からすっごく期待で胸が膨らんでるよ! という事で早速冒険に出かけてみるよ! さ、それじゃあ行こうか、ユウ君!』
『はい! わかりました!』
こうして僕とルリさんによるコラボダンジョン探索配信が始まっていった。
◇◇◇◇
コラボ配信が始まってからしばらくして。
このダンジョンの低階層には基本的に下級モンスターしか出ない構造になっているので、僕達はそんな下級モンスターをサクっと倒しながらどんどんと先に突き進んでいっていた。
『いやー、ユウ君と一緒に探索してるからいつも以上にサクサクと探検が出来てる気がするよ! たった30分でもう第二階層までやった来たなんて本当に凄いよね!』
―― 枢木:確かに今日は物凄くサクサク進行だね! 見てて爽快感あって良い!
―― ぺこ:普通だったら一階層を巡るだけでも1時間以上はかかるもんね
―― 彩音:これだけサクサクとダンジョン探索出来たら楽しいだろうなー
―― atagi:確かに確かに!
『はい、そうですね、今の所はかなりサクサクと進行が出来てますね。でもこのダンジョンは第二階層からは中級以上のモンスターが現れるようになるので、ここからは注意しながらゆっくりと進んで行きましょう』
『うん、了解だよ。それじゃあここからは注意深く……って、ちょっと待って、ユウ君! あ、あれは……』
『グギャアアアアアッ!!』
そんな会話をしていると僕達の前に石の魔物が現れた。石の魔物は大きく雄たけびを上げながら僕達の事を凝視してきた。
『ふむふむ、あれはガーゴイルですね。やっぱりここら辺から中級モンスターが一気に増えて来る感じですね』
『わわっ! ガーゴイルって防御力がすっごく高いモンスターだよね! 私あのモンスターを倒すの凄く苦手なんだけど……何か良い攻略法とかってあるのかな?』
『ガーゴイルの良い攻略法ですか? ふむ、なるほど……』
―― atagi:ガーゴイルって凄く硬いモンスターだよね……
―― gori林:ガーゴイルと戦うといつもジリ貧バトルになるから苦手だな……
―― わふー:私も苦手だからガーゴイルの良い攻略法があるなら知りたい!
―― ペコ:ユウ君せんせーはそんな事まで知ってるのかな?
チャットのコメント欄ではガーゴイルについての話題で盛り上がり始めていった。どうやら皆このガーゴイルに泣かされた経験があるようだ。
という事で改めて僕達の目の前にいるこの石の魔物は“ガーゴイル”と呼ばれる中級モンスターだ。
ルリさんが言ったようにガーゴイルは石で出来ているため防御力が物凄く高いんだけど、その代わりに攻撃力がかなり低いという特徴もある。
攻撃力が低いからそこまで脅威になるモンスターではないんだけど、でも非常に硬いモンスターなので倒し方がわからないと何度も攻撃するハメになってジリ貧になるので注意が必要だ。
まぁ何度も攻撃していると自分のスタミナを沢山消耗しちゃうだろうし、武器も刃こぼれしちゃう可能性があるしね……。
なのでガーゴイルと遭遇したら戦わずに逃げる冒険者も少なくないらしい。ルリさんがガーゴイルを倒すのを苦手にしているように、他の冒険者達もきっとガーゴイルを倒すのは苦戦しているんだろうな。という事で……。
『ふむ、そうですね。基本的にソロではガーゴイルとは戦わずに逃げてしまった方が良いと思います。ガーゴイルと戦ってスタミナがガッツリと削られるのはしんどいですからね。でも風属性の魔法が得意なルリさんがいるので、せっかくだから今日はあのガーゴイルをサクっと倒していってみましょうか』
『え、私の風魔法が役立つのっ? う、うん、わかった! それじゃあ私に指示をお願いね、ユウ君!』
『はい、了解です!』
という事で僕達はそんな会話をしていきながら早速ガーゴイルと対峙していく事にした。




